ジェノサイド論

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  • 青木書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784250202032

作品紹介・あらすじ

ツチ虐殺(ルワンダ)、「民族浄化」(旧ユーゴ)、そして…くり返されるジェノサイド、その処罰へと世界は動き出した。1990年代以降、国際戦犯法廷で判示される「人道に対する罪」「ジェノサイド」の罪および同二罪の適用を受ける戦時性暴力-その法理と解釈を詳細に検討し、戦争犯罪論の課題を示す。

感想・レビュー・書評

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  • ジェノサイドという言葉の概念を生んだのはラファエル・レムキンというユダヤ人である。レムキンは東ポーランド生まれの法律家であり、検察官や大学教師となり、1930年代には国際刑法学者として国際的にも知られ、「刑法典統一会議」にも報告者として参加した。ユダヤ人であったレムキンは1939年にポーランドを出国しスウェーデン経由でアメリカにわたり、デューク大学やエール大学に努めた。彼はジェノサイドを違法とする世界運動を牽引し、犯罪に対する法規範を促進した。レムキンはジェノサイドという用語を、古代ギリシャ語で人種を意味するgenosとラテン語で殺人を意味するcaedereという2つの語から作り出した 。レムキンはジェノサイドを以下のように定義した。「国民集団の生命の本質的基礎を、その集団自体を全滅させようとして、破壊しようとする様々の行為の連結した企図。その企図の目的は、国民集団の文化や、言語、国民感情、宗教、経済の存在を解体したり、その集団に属する個人の人身の安全、自由、健康、尊厳や生命を破壊することである。ジェノサイドは、統一体としての国民集団に向けられ、その行為が個人に向けられるのは、その個人の特性によるものではなく、その国民集団の一員であることによる。」

  • ジェノサイド=「国民集団の生命の本質的基礎を、その集団事態を全滅させようとして、破壊しようとするさまざまの行為の連結した企図」(本文より)世界中で行われたジェノサイドとその裁きについて説明しています。

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著者プロフィール

一九五五年札幌生れ。朝鮮大学校法律学科講師。日本民主法律家協会理事、日本友和会理事、救援連絡センター運営委員。著書に『軍隊のない国家』(日本評論社)『旅する平和学』(彩流社)非国民シリーズ3部作『非国民がやってきた!』『国民を殺す国家』『パロディのパロディ――井上ひさし再入門』(以上耕文社)『ヘイト・スピーチ法研究序説』『ヘイト・スピーチ法研究原論』『ヘイト・スピーチ法研究要綱』『黙秘権と取調拒否権』『憲法9条再入門』(以上三一書房)『500冊の死刑』(インパクト出版会)、共編著に『思想の廃墟から』(彩流社)『思想はいまなにを語るべきか』『新にっぽん診断』(三一書房)等。

「2022年 『令和から共和へ 天皇制不要論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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