天皇の政治史: 睦仁・嘉仁・裕仁の時代 (AOKI LIBRARY 日本の歴史 近代)

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  • 青木書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784250980121

作品紹介・あらすじ

明治・大正・昭和3代の天皇は、具体的な政治過程でどのような役割を果たしたのか。近代天皇制国家のメカニズムに迫り、新たなる近代天皇像を提示する意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • マルエン全集の青木書店だけあって保坂氏の著書とは対照的に天皇制に対して批判的な立場から明治以降の政治を天皇制との関わりで論じる。明治の初めに明治天皇は15歳の少年に過ぎない。そのような幼少の君がどこまで主体的に判断が出来たと考えられるのか。だからこそ起こる長州閥同士の伊藤博文と山県有朋の確執の政治への影響。明治天皇が壮年期に経験した数々の政治的な決断。一方で明治以来、「幼冲の天子」天皇の機関的な存在とまた内閣が国民に対して責任を持たず、天皇を「輔弼」する責任しか負わないという制度の問題点。大正天皇の問題だけでなく近代の3代に共通した問題が明らかに論じられます。また昭和天皇が意志を明らかにしたいくつかの場面の解説。陸軍の昭和天皇に対する不信感も明らかに論じられており、興味深い内容でした。

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著者プロフィール

1947年、東京都生まれ。1977年、東京教育大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。埼玉大学教養部教授、千葉大学文学部教授を歴任。2011年、没。
【主要編著書】『大正デモクラシー史論』(校倉書房、1994年)、『近代天皇制国家の歴史的位置』(大月書店、2011年)、『シリーズ日本近現代史』(共編、岩波書店、1993~94年)

「2019年 『天皇の政治史 睦仁・嘉仁・裕仁の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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