- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784251008268
感想・レビュー・書評
-
舟崎克彦、赤羽末吉による日本の神話シリーズの最終巻。神代の時代から人間の時代への変換期ですね。
海で魚を釣る兄の火照(ほでり)の命は「海幸」と呼ばれ、山で獣を捕る弟の火遠理(ほおり)の命は「山幸」と呼ばれている。
ある時山幸は「たまには違ったことをしたいなあ」と海幸お兄ちゃんに「仕事道具を取替っこしようよ」と申し出る。
しかしふたりとも慣れない仕事にもう散々。そのうえ山幸は、海幸お兄ちゃんの大事な釣り針を無くしてしまった。
激怒する海幸お兄ちゃん。「大事な仕事道具を無くしやがって絶対許さん!なにが何でも探せ!」
広い広い海でたった一個の釣針なんて探せっこない。
平謝りで誠意を見せ続ける山幸を絶対許さない海幸お兄ちゃん。
そんな山幸を海の神の老人が助けてくれた。老人のくれた小舟に乗ると、海の底の綿津見(わたつみ)の宮殿にたどり着く。
山幸の男っぷりに惚れ込んだ綿津見の神は、娘の豊玉姫(とよたまひめ)を嫁に差し出す。
そして山幸がなくした海幸お兄ちゃんの釣り針を探し出し、さらにお兄ちゃんと争いになったときにも勝てるおまじないと宝物をもたせてくれた。
陸に戻った山幸は、戦いを挑んでくる海幸お兄ちゃんを降参させて家来にさせたのでしたとさ。
…古事記の中で一番よくわからないのがこのお話です。
確かに不寛容で言いがかりをつけた海幸お兄ちゃんは根性悪いようだが、大事な商売道具をなくされたらそりゃー怒るんじゃなかろうか。海の神様たちがことごとく山で暮す山幸の味方というのもよくわからん(ーー;)。
さらにこの兄弟の両親は、天照の孫である邇邇芸命(ににぎのみこと)と木花咲耶姫。邇邇芸命は美人の木花咲耶姫を妻にしたが、すぐに妊娠したために「本当に自分の子供か?浮気してないよな?」と疑い、木花咲耶姫は産屋に火を掛けて命掛けで三人の息子を出産してみせた。このうちの二人が海幸と山幸。(あと一人は何幸なんだろう)
ここまでして産んだのに兄弟争いかー、権力者の美人妻って大変ね、って思ってしまいます。
さらに、山幸の妻となった豊玉姫(とよたまひめ)は山幸の子供を妊娠し「出産の姿を見ないでください」と願いますが、山幸に産屋を覗かれ本性である鰐の姿を見られて恥じて海に帰らざるを得なくなります。
えー、あれだけすったもんだして夫婦別居かーーー。
なお、山幸と豊玉姫の息子の、そのまた息子が神武天皇、つまりは日の神、海の神、山の神が混じって天皇の血筋に繋がるという流れになります。
現実の人々の歴史を昔話に当てはめたのかもしれませんが、浮気を疑ったり、兄弟戦争したり、夫婦別居になったりと、権力を持つ裏側では人間としての平穏は無いなあと思てしまうのよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
須佐之男と大国主をメインの登場人物に据えた物語は5巻まで。本最終巻は大国主が退いたあとに地上の国を治めることになる山幸(火遠理命ほおりのみこと)のお話。
これまでのお話から急に時代が下り、キャラクターも一新されるので戸惑いがあったけど、本巻があることで、神話から地続きに皇統記の色彩を強くしながら延々と語られる古事記の物語の雰囲気が体現されているんだろうと思う。
シリーズを通して、熾烈な争いの兄弟関係、物語を駆動する男女関係、のびやかな時間感覚が印象に残った。 -
釣り担当 兄 海幸彦
狩り担当 弟 山幸彦
ある日、嫌がる兄から無理矢理釣り道具を借りて釣りをしたら、釣り針無くして 兄激怒。
猛省して 色々お詫びをするけど許してもらえず…海の中まで探しに行きます。
で、海の神綿津見の娘に見染められ〜綿津見の力を借りて釣り針見つけたけど、何故か兄 酷い目に合い弟が助けることで兄は弟の部下になります。
ちゃんちゃん
な〜ぜ〜???
兄が猛省した弟を許さないのは、まあいいとして…綿津見が変わりに兄に復讐したとみえるが…??
兄 不憫だな
浦島太郎の元ネタとも云える -
山幸が、海神様にもらった玉で、海幸をこうふくさせたところがおもしろかった。山幸が、はりをなくしてしまったとき、ちゃんとあやまったのに、海幸がゆるしてあげないのがひどい。
竹であんだふねはいっすん法師みたいだし、わたつみの宮でんは、うら島太郎みたい。海幸の子孫のおどりがかっこいい。きっと今も、どこかに伝わっていると思う。(小4) -
弟くんが悪いと思うんだけど・・・。
「許す」ってすごく難しいけど大切なんだな。 -
うみさちやまさちってこういう神話から来てるのか。この話にはどんな意味があるんだろう。
-
ホントに水を呼べるのかなぁ
-
請求記号:Eアカバ
資料番号:020223210 -
★★★★★
古事記の中から有名なエピソードを赤羽さんの絵、舟崎さんの文章で。
全6巻
(まっきー)