ビブリオバトルへ、ようこそ! (スプラッシュ・ストーリーズ 30)

著者 :
  • あかね書房
3.70
  • (14)
  • (19)
  • (27)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 302
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251044303

作品紹介・あらすじ

柚希は、憧れの幸哉くんと同じ図書委員になった。幸哉くんに注目されようと図書委員会のイベント「ビブリオバトル」に挑戦。上から目線の佑、理系女子の歌音、読書嫌いの陽人たちも参戦し、バトルを開始!勝つことしか考えなかった柚希が、物語以外にも、色々な本があることを知っていくうちに…。憧れの先輩を追って本を読み始めた主人公が、ビブリオバトルを通じてたくさんの本に出会い、図書館と本が大好きになっていく物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 5年生の柚希は、憧れの先輩である幸哉くんの影響で、本が好きになり、図書委員になった。図書委員会では、もっとたくさんの人に図書館を利用してもらうためにどうしたらいいかと考え、先生のアドバイスで「ビブリオバトル」に挑戦することに。
    まずは図書委員のやりたい人だけでやってみることになり、チャンプ本になって幸哉くんに注目してもらおうと張り切る柚希だったが…?


    ビブリオバトルの本…というと、図書館や本の素晴らしさを伝えたい人の思いが溢れてしまい、わざとらしいお話になってしまわないかなぁと思っていたが、そんな違和感は一切感じず、でも図書館のことや本のことがたくさんわかる本になっていて、とても大満足の1冊でした。ティーンへの読みやすさは、さすがの濱野京子さん。
    ビブリオバトルのこともブックトークのことも、本の帯やPOPのことまでがっつり出てきて、面白そうな本の情報まで満載で、色々と満足の行く読書になったのは、私が図書館スタッフだからかもしれませんが、本が好きな子にも同じように響くのではないでしょうか。
    そして何より、そんなふうにビブリオバトルやブックトークや…のあれこれの情報が惜しみなく練り込まれているにもかかわらず、私の読後の第一の感想は「柚希には幸哉くんより、佑の方が合うんでない?」ってことでした。笑
    お話は、図書委員で開催されるビブリオバトルへの挑戦を軸に、一方で、柚希の初恋(?)の様子も盛り込まれています。柚希はまっすぐで単純な女の子で、心の中は幸哉くん一色。読んでいる方はそれが楽しくて、一途な柚希ちゃんにだんだんと感情移入して行っていたようです。

    他にも出てくる図書委員の面々が、特徴的で、それぞれみんなに感情移入できます。
    ビブリオバトルで順番を決めるのに拒否感がある、親友の瑠衣。
    本なんて読まないし、なりたくないのに図書委員になってしまったけど、だんだんとビブリオバトルの魅力にハマっていく陽人。
    理系の本が好きで自分をしっかり持っている歌音。
    本好きで、皮肉屋で口が悪い佑。
    本が大好きで、おとなしい性格の純夏。
    しっかり者で図書委員長の6年生の美彩さん。
    そして、優しく優等生で、柚希に本の面白さを教えてくれた幸哉くん。
    ちなみに最後まで読んだら、私は幸哉くんにはちょっとイラッとしました。笑
    ネタバレになるとあれなので多くは語りませんが。まぁ考え方は人それぞれだけどね。

    元保育士さんで、子供の本をたくさん知っているおばあちゃんや、学校司書をしている新井先生の存在も大きくて、面白そうな本を沢山教えてもらいました。

    別に本好きな人でなくても楽しく読めるんじゃないかな?
    期待を込めての★5です^^

  • 5.6年。一つ上の幸哉くんに恋心を抱く柚希は、同じ図書委員会の活動で、ビブリオバトルを通して本に出合い、読書活動の楽しさを知る。
    有名な作品がたくさん出てくるが長編やYAに近い児童書が多い。そして、個人的には図書委員が人気ないなんて大間違いと言いたい。活動は表も裏も忙しいけれど、その場はまた貴重な体験で楽しんでいるから、ビブリオバトルも楽しく大きく学校全体でゲームして欲しい。

  •  本をあまり読まなかった小学5年生の柚希は、運動会で知り合った6年生の上山幸哉に夢中。彼を追いかけて図書委員になり、読書も好きになった。卒業の時期が迫る3学期、広報活動の一環として図書委員たちはビブリオバトルをやってみることに。興味を持った柚希や幸哉は参加を表明するが、同じクラスの友達・瑠衣は乗り気ではないようで……。ビブリオバトルでチャンプ本を狙う柚希の、恋と友情と読書の物語。


     図書館本。
     ビブリオバトルが主題に見えるが、半分は柚希の恋愛、それも、妄想爆発!キャ~♡といった恋愛脳状態。幸哉くん>ビブリオバトルなので、あまり期待し過ぎてはいけない。同じ年頃の男子が読むにはちとキツそう。

     私はビブリオバトルに関しては完全にアンチ。(参加したことは全く無いが)
     そもそもチャンプ本を決めるってのが理解不能。勝ち負けじゃないとかやけに言ってるけど、“バトル”って付いてるわチャンプ本決めるわ、勝ち負け必至。どう考えてもプレゼン競争じゃん。実際、勝敗のみにこだわる人って結構いるし。
     読んでいない本の内容がわかるとか、知人の意外な推し本を知れるとか、そういうのは感想やレビューを読むなり、話を聞けば良い。バトル仕立てにする意味がわからない。
     ビブリオバトルでないと出来ないことは、スピーチくらい。それすらも作中にも出てきた「ブックトーク」で出来る。まあ、文章を読むのがまだ得意でない人、読書なんて堅苦しい、暗い、などと思っている人にアピール出来るかもしれんけど。

     んで、結局この本でビブリオバトルの魅力が伝わったかというと……う~ん、イマイチな気がする。柚希がずっと勝ちに行きたがっていたのが原因じゃなかろうか。作者も元々はあまり好きじゃなかったみたいだし。
     まあ、柚希の学校生活が充実していて楽しそうだからいいか。

     本書はA5版変形なのだそうだが、一般的なハードカバーに比べて横幅が広く、正方形に近く感じた。本を開くといやに横長に見える。
     本文ページでは上下の余白がやけに広く、見開きだと新聞の段組みか巻物のよう。慣れるまでは非常に読みにくかった。
     文字間隔からすると視覚に難のある方に配慮しているわけでもないし、構造が謎。こういう方が読みやすいの?

  • 小学五年生の柚希ちゃんはあこがれの人、幸哉くんの影響で図書委員になり、本を読む楽しさを知る。 そんな中学校でビブリオバトルを委員会活動で 行うことになり...というお話。

    幸哉くんに恋する抽希ちゃんがビブリオバトルを通じて本と、そして自分と向き合い成長していく姿はなんだか微笑ましくてほっこりした。
    他にもいろんなお友達が出てくるけれど嫌な子は全然いないのがまた良かった。

    ビブリオバトルもいろんな作品が紹介されて興味深かった。
    個人的に一番気になったのは「盗塁王」
    盗塁が得意な主人公の野球小説とか気になりすぎる。今度読んでみようと思わされた。まんまとビブリオバトルにハマってしまいましたね。

  • ビブリオバトルでは、発表の良し悪しが投票結果とは関係ないんだ、と強調されていたけど、そうかな?
    企業が、プレゼン力を養うために 研修に取り入れる位だから、むしろその発表が最重要なんじゃないかしら。

  • 前にもビブリオバトルを題材した児童書を読んだんですが、テイストが全然違っていました。この本では小学校の図書館が舞台で、5年生の女の子が主人公。友達や同級生、先輩も出てきます。イベントとしてビブリオバトルを行おうとしますが、図書委員の中でもやりたい派と考えたい(参加したくない)派に分かれてしまいます。3回行われる中で最初はかなりの少人数でした。そこからだんだんと広がっていって、新しい春を迎えたときには全校生徒に呼びかけ、かなり大きいイベントになります。
    主人公の明るい女の子は、そこまで読書が好きではなかったそうです。きっかけは、恋。気持ちに動かされながら、どんどんビブリオバトルを通して本を知って成長していく姿が描かれています。彼女の恋がどうなるのか、読みながら一緒にドキドキしていました。
    最後のページには、本の中で登場したタイトルがまとめられていて、ブックリストになっています。私も気になった本やもう一度読みたくなった本があったので参考にしたいです。

  • 「本が好きな小学生」に読んでもらいたい一冊。

    ビブリオバトルの楽しいところは「ノー原稿」だと思う。物語に登場する人物のように話すのははじめのうちは難しいだろうけど、必ずできるようになると思う。
    好きな本についてこうやってスピーチできたら、素晴らしいだろう。

  •  「アカシア書店」が登場する。『白い扉の家』読んでみたいと思ったら、架空の物語……残念!

  • 小学校の図書委員会でビブリオバトルに挑戦する。
    委員会メンバーの本やビブリオバトルへの距離感や想いは様々で、だからこそ本の面白さが多種多様だと知らされる。
    出てくる本どれも読みたくなり、本に興味を持ち始めた子に勧めたくなる一冊。

  • 私も本が好きで図書委員になりたいと思いました

全24件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

熊本県に生まれ、東京に育つ。『フュージョン』でJBBY賞、『トーキョー・クロスロード』で坪田譲治文学賞を受賞。主な作品に『トーキョー・クロスロード』(第25回坪田穣治文学賞受賞)、『この川のむこうに君がいる』『with you』(ともに青少年読書感想文全国コンクール課題図書選出)、『石を抱くエイリアン』『南河国物語』『Mガールズ』ほか、「レガッタ! 」シリーズ、「ことづて屋」シリーズなどがある。

「2023年 『金曜日のあたしたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

濱野京子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×