モグラ原っぱのなかまたち (日本の創作児童文学選)

著者 :
  • あかね書房
4.28
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本棚登録 : 193
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251063618

作品紹介・あらすじ

あきらとなおゆき、かずおとひろ子の仲よし4人組が遊ぶモグラ原っぱに、ある日ダンプカーが…。

感想・レビュー・書評

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  • こどもと読みました。登場人物たちの自由な発想に息子はついていけなかったり、良い考え!とわくわくしたりと楽しそうに読んでいました。モデルになった原っぱがあったようで、最後の章は考えさせられる内容でした。遊具のある公園だけではなく、今はあまり見かけませんが池や崖や森があり、虫、鳥がいる遊び場が発想力豊かなこどもたちにとっては良い遊び場ということですね。

  • 絵本以外で初めて読み通した文学作品がこの本だった。読書は嫌いだったのに、これは本当におもしろくて、文字を読むことが苦痛にならないということが新鮮だった。特に、前半のワクワクする感じ。この作品の「すぎでっぽう」以上に魅力的なオモチャを僕は知らない。だからこそ、結末は衝撃的だった。物語はハッピーエンドだけじゃないなんて知らなかったから。そう考えるといわゆる少年文学宣言に方向付けられた古田の目論見は、(少なくとも僕の読書体験においては)しっかり機能していたように思う。

    大人になってから再読すると、あの結末にはまた違った印象を受ける。この本を読み返しつつ、小学生だった時分の行動範囲を歩いてみると、最後の1ページがものすごい重みをもってのしかかって来る。変わってしまったという事実と、変わっていくしかなかったのだという思いと。大人の側の視点を得た故に、問題の複雑さが見えてしまう。彼らは決して敵ではなかったのだということも、今ならわかる。

  • 昔に流行ったモノの話をすると「年がバレる~」とか「今のコはわからないよー」といったセリフを聞いたりするのですが
    絵本や児童書になると全く気にならない、という事が図書館で働いて分かりました。
    自分が小学生の時に図書室で借りた本をその頃と同じ位の年のコが借りていたのを見たときは「児童書強ェ!!」と思ったものです(笑)

    古田作品もまた然り。
    小2の時の担任の先生が古田足日先生の大ファンでよく読んで聞かせてくれたのですが、なかでも印象的だったのがこの本だった気がしたのでこの度紹介させていただきました。
    まず登録して知ったのは発行年が1968年だった事
    43年前!!?十数年前に読んだとはいえ、その当時で『ちょっと前の本かな』程度の認識で考えていたのでコレには驚き。(芸能やゲームの話題でもない限り左右されないのかもしれませんが)

    モグラ原っぱで遊ぶ子どもたちの日常を描いた物語-
    だけだと思っていたのに途中思わぬ展開になってきて読んでいるコチラも子ども達と一緒に不安になっていた記憶が…
    ラストのセリフを今の時代の子ども達がどう受け止めるのか非常に気になる所ですが、もうひとつ!なんでこの話含め古田作品が映像化(実写、アニメ)しないのかソレが凄く不思議~ググっても出てこない。
    こんなに根強いのに…今ならALWAYS効果でウケると思うんだけどなぁ

  • あきらとなおゆき、かずおとひろ子の仲よし4人組が遊ぶモグラ原っぱに、ある日ダンプカーが…。
    ・主人公は2年生 ・のびのび遊ぶ!
    ・いろんなことを試してみる!
    ・昭和40年の作品。空地が多く、先生もおおらか。
    ・一話完結のユーモアあふれる話が10話。

  • 最後のお話が本当に現実にもあるので
    自然がなくなっているんだなとおもいました。          

  • 4人が見つけた最高の遊び場。そこでの毎日はきっとずっとかけがえのないもの。先生もすてきだな。

  • り。1192
    5y10m
    1番好きなシリーズだって!

    じ。552
    3y3m

  • 息子も大好きだったこの本を、娘と一緒に読める日を心待ちにしていました。毎晩、毎晩、とにかく読めることが楽しくて(娘が、一度も「今日はほかの本を読んで!」と言わなかった)、時に声を出して笑い、電気を消してからも、本のことを話ながら寝ました。
    それが、最後の最後で一転。最後の日は、あまりの理不尽さに涙が溢れて仕方がなかった。大人社会の理不尽さに悔し涙を流した夜。たぶん、娘には、忘れられない読書経験になったと思う。手をつないでいないと眠れない甘えん坊の娘が、母に背を向けて丸まって寝た夜。何を感じ、何を考えたかな。

  • 大好きな古田さんの作品だが、これは対象年齢(たぶん中学年くらい)を過ぎてから、
    読もうとして、ちょっと子どもっぽい印象があり、未読だった。

    大人になって改めて子どもに読み聞かせしたのだが(子どもには大うけ)、
    短いエピソードの連続で、大人にはちょっと物足りない感じもある。

    でもそこで描かれた子どもたちの「楽園」と、先生との関係性は、今読んでも魅力的。
    最近読んだ「サラバ!」で、エジプトの学校における教師と生徒の関係性の近さの話があったが
    それに似たような雰囲気がこの小説の教師と生徒の間にもある。

    こういう関係性は、失われたものとしての郷愁なのか、それとも純粋に(現実を反面教師とした)
    作者の理想の反映なのか、そのあたりはわからない。

    ラストについて、物語的なカタルシスよりも、現実的な展開を優先したのだろうと感じるが、
    うちの長男がそこから何かを学ぶにはまだ早かったみたいだ(そうでもないのかな)。

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