彼女のためにぼくができること (YA Step!)

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制作 : Chris Crutcher  西田 登 
  • あかね書房 (2011年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251066749

彼女のためにぼくができること (YA Step!)の感想・レビュー・書評

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  • サラ・バーンズのため僕はデブでいる。
    恋愛モノかと思ったらそうでもなく。
    ほんとに子供たちの背負っているものが大きい。

    それを見守り助けるかっこいい大人たち。そして、陥し入れ、傷つける大人たち。

    ハッピーエンドなんだけど、考えさせられるというか、やるせないものもある。

    児童書だけど、大人たちに読んでほしいかな。

  • 著者:米国人 舞台:米 時代:現代 視点:男
    高校、児童虐待、宗教、社会問題、友情
    原題は『Staying Fat for Sarah Byrnes』。1993年発表作品。

    個人的には、『ホエール・トーク』よりも好きだった。人種差別を中心として挙げていた『ホエール~』に対して、こっちの方が身近に感じ共感できる問題をとりあげていたからかも。
    レムニー先生の授業で生徒が交わす、中絶・妊娠についてや宗教が絡んだ討論には、読みながらよく考えさせらた。それに、サラ・バーンズのノートの内容には…胸がぐさりと。

  • どこかで書評を読んで、一度読んでみたいなぁと思っていた本。なかなか見つからず、地元の図書館を調べてみたら「児童書」のコーナーにありました。が、内容はとてもじゃないけど「児童」向けではないです。

    邦訳タイトルを見ると純愛小説のような印象も受けますが、原題は『Staying Fat for Sarah Byrnes(サラ・バーンズのために僕はデブのままでいる)』。これを見るだけでも、純愛からは程遠いということが分かると思います。

    太っている主人公エリックと、幼少の頃に顔と手に大火傷を負ったサラ・バーンズは、その外見上のコンプレックスとユーモア感覚が共通したことから友情を育み、中学時代は一緒に悪だくみをします。とは言ってもいわゆる反社会的なものではなく、あくまで自分たちを排除しようとする「強い者たち」への反発と反抗のため、というスタンスは崩していません。弱い者いじめならぬ、強い者いじめということです。

    そんな二人の友情も、エリックが高校で水泳部に入ったことで少し変化が生じます。水泳をすることでサラ・バーンズとつるむ時間が減ったうえ、どんどん体重が落ちてしまうエリックは、サラ・バーンズとの友情が損なわれていないことを示すため、それまで以上に食べて食べて食べまくり、デブであり続けようとします。
    とかく外見だけで判断しがち・されがちな思春期の男の子にとって、外見のコンプレックスをせっかく克服できそうなのに友達とのつながりのためにそれをあえて維持しようとするのは、物凄い決心が必要でしょう。この部分を読むだけでも、主人公エリックは素敵なヤツだなぁと思ってしまいます。

    そのサラ・バーンズがある日突然、心を閉ざしてしまって誰の言葉にも反応しなくなってしまった…というところから、話は始まります。サラ・バーンズが心を閉ざした原因と、エリックの学校生活とをそのまま描いても一つの小説として成立しそうですが、エリックの友人で神父の父がいながらキリスト教を懐疑的に見ている水泳部員のスティーヴ・エラビーや、同じく水泳部員でエリックやスティーヴと反目している敬虔なクリスチャンのマーク・ブリテン、その彼女のジョディ・ミュラー、そしてサラ・バーンズの父親で冷酷なヴァージル・バーンズなどが絡んでいくことで、話はスピードを上げて突き進んでいきます。中盤以降の展開はまるで映画のよう。一気に引き込まれ、最後のページまで気が抜けません。

    上に挙げた登場人物のほかに、凶暴で頭も悪いものの、純粋で決して嘘をつかないデイル・ソーントンというキャラクターも素敵なヤツです。彼も話の中で重要な役割を果たします。

    後書きで触れられてますが、エリックの周りで彼とサラ・バーンズを支える「大人たち」があまりにカッコ良すぎではないか、逆にエリックとサラ・バーンズに敵対する「大人たち」があまりに典型的な悪者すぎないか、という感もありますが、娯楽小説として見るならばこれもアリでしょう。途中ではキリスト教の教義に対するかなりコアなやり取りもあったりして、あまり万人向けではないですしどうまかり間違っても児童向けではないですが、一読の価値はある佳作だと思います。

  • 友情 愛情 信頼がいっぱいのお話

    アタマは堅くしてたらダメなんだよね 柔らか〜く 色んな人の言葉を聞き入れないと 自分も成長しないし 成長しなければ 明るい明日もやって来ない? なんて…^_^

  • 人を信じることはとても難しいけど、とても大切だということがわかりました。主人公のエリックは、心を閉ざしてしまったサラに毎日毎日話しかけていて、ずっとサラはこのままかもしれないのにすごいと思いました。

  • 登場人物がとても個性的。
    タイトルも原題の方が話し手の「ぼく」の個性・サラとの関係が見えて、ぴったりだったのになぁ(原題:「Staying Fat for Sarah Byrnes」)。「彼女のためにぼくができること」だと、繊細な、そして男女の恋とか、一途な感じがするんだけど…実際は、一途?かもしれないけど、ほぼ恋はなく、泥臭くて時々ザラリとする話です。
    複雑な問題、差別、宗教、理不尽な暴力。
    登場人物たちの言葉、行動に、その背景・理由がきちんと描かれていて、好感をもちました。
    希望のあるラストもいいですね。
    中学生というより、高校生におすすめです。

  • あきらめること。あきらめないこと。受け入れること。赦すこと。戦うこと。前にすすむこと。愛すること。この物語には若いうちに出会う様々なことがぎゅうぎゅうつまっています。力強いYA小説。

  •  顔に醜い火傷のあるサラ・バーンスと、でぶのエリック。中学の頃、お互いの身体的なマイナスを知力と毒舌でかわしてきた二人には、男女間の気持ちと言うよりも、共に闘う同志としての感情で結びついていた。
     市民プールで泳いでいるときに才能を認められ、水泳部でたちまちヒーローになったエリックだが、サラとの友情は変わらなかった。ところがサラが、突然何もしゃべらず、反応も無くなり、精神科に入院してしまう。なぜサラは心を閉ざしてしまったのか。
     父親の暴力、キリスト教的な理念、様々な議論を巻き起こし、エリックはサラを救出するべく奮闘する。

     高校生と大人(親・教師・社会)、圧倒的な強と弱のなかで、親友を守るエリック。もちろん、要所要所に登場する信頼すべき大人の存在は、ちょっとかっこよすぎるけれど、結末にも安心を与えてくれる。
     が、ちょっとヘビーな話。この著者の「ホエール・トーク」や「アイアンマン」も、米国の高校生社会を描いていて、好きな作家です。

  • デブで自分に自信を持てなかったエリックは、幼い頃に負った火傷のあとがあるサラと、コンプレックスを共通項として親しくしていた。
    サラはとても強い少女で、自分を蔑む人に対しては常に攻撃的だった。
    エリックはサラと行動することで、生きる勇気を与えてもらっていた。

    そんなサラが突然心を閉ざし、入院してしまった。
    エリックはサラのために、何とかしてあげたくて毎日病院に通ったが、サラの反応は何一つなかった。

    やがてサラの過去を知ったエリックは、サラを救うために立ち上がる。
    とてつもない恐怖に向かって・・・。

  • 小さい頃からデブで、常にからかわれいじめられてきたエリックと、顔を覆うやけどの跡のせいで辛い人生を送ってきたサラ・バーンズは親友だった。高校3年生のある日、サラは突然あらゆることに反応を示さなくなり、精神病院に入院する。周りのすべてと激烈に闘い続けてきたサラがなぜ? エリックは病院にサラを見舞ううち、驚くべき事実を知る…。
    アメリカが抱える問題をこれでもかというほど詰め込んでいながら、ユーモアとスピード感あふれる展開でぐいぐいひっぱっていかれる。登場人物の魅力(悪役も含めて)、結末の見事さ。うまくいきすぎ?希望は常にあるということだね。

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彼女のためにぼくができること (YA Step!)の作品紹介

クラスで浮いた存在のエリックとサラ・バーンズは固い友情で結ばれている。高校生になって水泳部に入ったエリックは、サラ・バーンズ以外の友人ができたが、彼女との友情のため、とある決心をした…。現代社会をえぐり出すように描いた愛と勇気と友情の物語。

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