清水鏡 (プリンセスコミックス)

著者 :
  • 秋田書店
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253075275

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  • 古典の先生にオススメされた漫画。

  •  戦国時代のヒロインとしてはお馴染みの一人、千姫も河村作品に度々登場する。
     この巻「百の華 千の花」では、目の覚める如く美男な豊臣秀頼と、屈折した恋の形を見せる。
     終始、千に冷たかった秀頼は、その実、彼女を護るためにこそ愛すまいとした。
     恨まれても罵られても、非情に徹した愛情が結実した、大坂落城。
     彼に連れられて覚えた巨城の中から、教えられた星を目印に脱出する折、千は激しく愛憎を噛み締める。
     「恋ひあまりの夜」(『千秋』)で側室の成田石と結ばれる話も良いが、個人的には、「百の華~」で千を護った秀頼の気遣いと表現が痛くも見惚れたので、こちらを推したい。

     魅力ある悪人として描かれてきた足利直義と、妻との馴れ初めの「春宵」は、罪深さと救いを併せた彼の生涯の一端が窺える。
     善良で平凡な娘に落ちる瞬間の、台詞と表情が秀逸。

     また、源平期を舞台とした話は、シリーズ全般で多岐に渡って扱われる。
     源頼朝の娘・大姫と木曽義高の悲恋、「清水鏡」は、病みつくほどの少女の純情が痛々しい。
     「さめない夢」では、藤原基実・基通父子と、平清盛の娘・盛子の三者関係が微笑ましい。
     一族台頭の片隅で短い生涯をひっそりと閉じる盛子は、清盛の妻の妹・滋子が後白河院との間に儲けた、高倉天皇の准母に遇される。
     それを機に清盛が内大臣・太政大臣へと昇進し、廟堂を掌握するに至った経緯を見るなら、彼女も平家の女としてきちんと機能したということなのだろう。

  • 木曽義高と大姫の引き裂かれた幼い恋、足利直義と下働きの女・はるめの純愛、遠藤盛遠と宮仕えの袈裟の悲恋、義母・平盛子に恋をした藤原基通の叶わぬ恋、豊臣秀頼と千姫の撥ね退けた恋、自動車事故で平安末期にタイムスリップした少女――・・・。平安末期から戦国末期まで、衰退や没落による悲恋を中心とした6つの短編集を収録した、時代ロマンシリーズ第2弾。

  • 歴史人物の愛憎を扱った小品集。
    タイトルの『清水鏡』は、木曽義高と大姫の話。
    死んでなお、大姫の近くにいる義高と心を捕らえられたままの大姫。悲しいです。
    他に、袈裟と盛遠や平盛子の話など。

  • 木曽義仲の息子と源頼朝の娘の幼くも悲しい恋が忘れられません。

  • 平安末期と江戸時代初期(源義高と大姫、足利直義、文覚上人と袈裟御前、平盛子と藤原基実と藤原基通、千姫と豊臣秀頼、能登守平教経)

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