夢の浮橋 (プリンセスコミックス)

著者 :
  • 秋田書店
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784253075305

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  • 宇治などを舞台とした作品です。

  •  波瀾に満ちた運命を辿る戦国女性として取り上げられ易い、織田信長の姪たち。
     三姉妹の生涯は、河村漫画でも各々を主体とした恋物語で綴られている。
     淀殿こと茶々は、作品全般におけるヒロイン度も高い。
     様々な男たちに愛される彼女だが、中でも、この巻の「帷子の舞」を気に入っている。
     信長への殉死を選ぶ森蘭丸が、彼女を想いながら、主君を守るために奮戦するクライマックスは構成もコマ割りも巧い。
     壮絶な戦闘場面が無音の映像となって流れ、静かな音楽に独白が被るような不思議な感覚で読める。
     彼を悼む茶々の涙と、海の荒波が波乱万丈な先行きを表し、ついしんみりしてしまう。
     個人的には然程関心を呼ぶ対象ではないのだが、河村作品での彼女の位置付けには重みがある。
     傾城の美女たる彼女を堪能できるのは、「地獄ヶ淵」「宵待行列」。
     基本的に絵柄の安定しているタッチの中でも、前者の美麗さは際立つ。
     於市の遺児たちの美少女っぷりと、豊臣秀次の男前さが目を引く。
     彼が噛み殺した恋心は乾いた傷となり、面差しに匂い立つ艶を浮かばせる。
     晩年、精神を破綻する秀吉に断罪される悲劇を、より震撼させる。

  • 「時代ロマン」シリーズ 5

  • この世とあの世を結ぶ橋での不思議な体験、森蘭丸と茶々の結ばれぬ恋、鬼武蔵と山の神・更科姫の淡い恋、豊臣秀次の悲運、傾国の女・淀殿。幻想的、幽玄的に綴る5つの短編を収録した時代ロマンシリーズ第5弾。

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