- Amazon.co.jp ・マンガ (135ページ)
- / ISBN・EAN: 9784253100557
感想・レビュー・書評
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ロボットに恋する少女の話。幼少のころ試作品である女子高生のロボットと出会う女の子。別に毎日会っているわけじゃない。隣に住んでいるという事情もあり、約束をしていなくともちょくちょく出会う。そして二人の距離は近づいていく。淡々と進む日常の中で二人の相手への感情が少しずつ変わっていく。
劇的なことが特にあるわけじゃないけれど、何度も読み返したくなる作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
>わたしはロボットです
>今は だいたい
>人と同じことができます
研究実験機のアンドロイドと、その「幼馴染」の女の子の恋愛物語。
百合マンガ家さんなので両方女の子で、紛れもなく全てのGL漫画好きと少女漫画好きと恋愛漫画好きに超絶お勧めで、同じくらいSFとして素晴らしい。
別に昨今の深層学習AI技術の延長線上にあるわけではない(ハードリアル寄りではない)んだけど、AIを開発する物語と恋愛物語が完全に調和していて、どちらかの為のお話にはなっていないところがすごい。開発側の視点が恋愛事情と不可分だし逆も真になってる。
さらに、不死のアンドロイドとどんどん成長する人間の恋愛譚というのがまた、古典的な「長命種と人間」モノのセオリーも踏んでて、もう!
心を持たない無機物に恋をする葛藤に対して、陳腐に「奇跡が起きて心が生まれた!」としないで丁寧に論理的に「このAIにとっての恋」というものを積み重ねていくのが良すぎて泣ける。
「ヒロちゃんが「好き」って言うのは
評価してるとか 選択する可能性が高いとか
好感度が高いという評判を知ってて同意すべきとか
そういうことでしょ 心とは別物でしょ」
「――そういう……計算の結果でしょ
私が…ヒロちゃんのこと好きって気持ちとは違う」 -
ロボットなりの愛にじーんとした。となりのロボット、って題名も好き。
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外身が成長しないロボットと思春期の女の子の物語。人間とロボットの差異を描きながらそれぞれの心情を浮かび上がらせていく丁寧な作品。 すれ違いも、その中で芯になっていく思いも一つ一つが愛おしくなる物語でした。
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心が洗われる百合…
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ファンタジーSFかと思いきやそこそこ本格的で、そういう方向から愛の何たるかを説く。
…という感じで百合である必要性は少ないし、それを求めると物足りない。だが漫画としての完成度はかなり高い。
そういう機能を意図して付けたのではなく、人に似せる過程とチカとのコミュニケーションでロボットなりの"愛情"を持つようになる過程が違和感なく、素直に感動できる。
絵も悪くないが、戯画化しすぎた欧米人みたいな鼻が気になってしょうがない。 -
物語も重要だがSFと百合を絡めて指し示す一つのカタチとして百合作品としてある種の位置付けとして語らていく作品になるのではないだろうか。SFとしてのロボットが獲得していく人らしさと心。「好き」という感情の定義とその問答。何故に好きになるのか?惹かれるのか?突き動かせられるのか?その過程で得られるまでロボットと人の差異から生じる好きという認識の差異が切実に迫り、その隔たりから生じる辛苦な境遇が胸を締め付け、そして、その隔たりさえも越えた先にある混じり気のない純粋な愛情は百合的な観点とも併せて見事に昇華した出来映え。