となりのロボット

著者 :
  • 秋田書店
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本棚登録 : 239
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (135ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253100557

感想・レビュー・書評

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  • ロボットに恋する少女の話。幼少のころ試作品である女子高生のロボットと出会う女の子。別に毎日会っているわけじゃない。隣に住んでいるという事情もあり、約束をしていなくともちょくちょく出会う。そして二人の距離は近づいていく。淡々と進む日常の中で二人の相手への感情が少しずつ変わっていく。
    劇的なことが特にあるわけじゃないけれど、何度も読み返したくなる作品。

  • >わたしはロボットです
    >今は だいたい
    >人と同じことができます

    研究実験機のアンドロイドと、その「幼馴染」の女の子の恋愛物語。
    百合マンガ家さんなので両方女の子で、紛れもなく全てのGL漫画好きと少女漫画好きと恋愛漫画好きに超絶お勧めで、同じくらいSFとして素晴らしい。

    別に昨今の深層学習AI技術の延長線上にあるわけではない(ハードリアル寄りではない)んだけど、AIを開発する物語と恋愛物語が完全に調和していて、どちらかの為のお話にはなっていないところがすごい。開発側の視点が恋愛事情と不可分だし逆も真になってる。
    さらに、不死のアンドロイドとどんどん成長する人間の恋愛譚というのがまた、古典的な「長命種と人間」モノのセオリーも踏んでて、もう!
    心を持たない無機物に恋をする葛藤に対して、陳腐に「奇跡が起きて心が生まれた!」としないで丁寧に論理的に「このAIにとっての恋」というものを積み重ねていくのが良すぎて泣ける。

     「ヒロちゃんが「好き」って言うのは
      評価してるとか 選択する可能性が高いとか
      好感度が高いという評判を知ってて同意すべきとか
      そういうことでしょ 心とは別物でしょ」
     「――そういう……計算の結果でしょ
      私が…ヒロちゃんのこと好きって気持ちとは違う」

  • ロボットなりの愛にじーんとした。となりのロボット、って題名も好き。

  • 外身が成長しないロボットと思春期の女の子の物語。人間とロボットの差異を描きながらそれぞれの心情を浮かび上がらせていく丁寧な作品。 すれ違いも、その中で芯になっていく思いも一つ一つが愛おしくなる物語でした。

  • 心が洗われる百合…

  • ファンタジーSFかと思いきやそこそこ本格的で、そういう方向から愛の何たるかを説く。
    …という感じで百合である必要性は少ないし、それを求めると物足りない。だが漫画としての完成度はかなり高い。
    そういう機能を意図して付けたのではなく、人に似せる過程とチカとのコミュニケーションでロボットなりの"愛情"を持つようになる過程が違和感なく、素直に感動できる。
    絵も悪くないが、戯画化しすぎた欧米人みたいな鼻が気になってしょうがない。

  • 購入して読み。
    面白い百合マンガを探していたところwebで見かけた書評で興味を持ったので。
    ↓その書評。
    http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20150423/p1

    百合…というより人間とロボットの恋愛を描いた物語、という印象。どちらも道ならぬ恋という点では同じか。
    チカちゃんの気持ちが切ないぜ…。でもたぶん、ヒロちゃんもチカちゃんが思っている以上にチカちゃんのことを愛してるんだと思う。

    ヒロちゃん(プラハ)の認知や学習の過程とか、いろんな設定なんかはうまく考えてるなあ、と思った。ちょっとしたSFより面白いと思った。

  • ネタバレ含みます。
    人間らしさの再現を主目的としたロボットと、幼少の頃からそのロボットと親しんできた女性の交流を描いた漫画です。
    徹頭徹尾ロボットがロボットのまま(謎の自我が発生することなく(?))変化していく様や好意のようなものを表現する様などが特に好きでした。
    また女性の方も、相手をプログラムに従って動いているロボットとはっきり認識していながら、相手に対する好意をどう扱うかしっかりと決め、眩しいほどに全力で行動しており、とても好きなキャラクターでした。
    恋物語が好きな人や、ベイマックスのような人とロボットの心と何かの通い合いが好きな人にオススメです。

  • 読んでいる間じゅう泣いてました。だいたいずっと。
    なんで?
    何のてらいもなくチカちゃんをサーチしてたりするから。
    タグ付けしてデータ保存してたりするから。
    不自然な作業領域を空け続けてたりするから。

    西UKOさん大好きだ。
    人と人為らざる物、同性同士。
    それでも想い合う形があって、その様を丁寧にユーモラスに描かれてて、本当に本当に、大好きだ、西UKOさん。
    ロボットと人との恋なんてさんざん語りつくされてきたSF題材だと思うけど、こういう平和なアプローチの仕方は新鮮でした。入って来るロボット工学用語(?)も無理無くて面白かった。
    ロボット自身が恋だと認める形はとってないけど、周囲の環境(先生達)が客観的に見て「ロボットなりに君をどれほど愛しているか 君は知らない」なぁんて云っちゃう。素敵過ぎるでしょ。

    一途な初恋が叶ったという純粋な話です。

  • 物語も重要だがSFと百合を絡めて指し示す一つのカタチとして百合作品としてある種の位置付けとして語らていく作品になるのではないだろうか。SFとしてのロボットが獲得していく人らしさと心。「好き」という感情の定義とその問答。何故に好きになるのか?惹かれるのか?突き動かせられるのか?その過程で得られるまでロボットと人の差異から生じる好きという認識の差異が切実に迫り、その隔たりから生じる辛苦な境遇が胸を締め付け、そして、その隔たりさえも越えた先にある混じり気のない純粋な愛情は百合的な観点とも併せて見事に昇華した出来映え。

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