ブラック・ジャック創作(秘)話~手塚治虫の仕事場から~ (5) (少年チャンピオン・コミックスエクストラ)

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  • 秋田書店
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253132442

感想・レビュー・書評

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  • 色々と壮絶すぎて、何度も泣きそうになったり、驚きの声をあげたり、笑ったりを繰り返して読み終えた作品。

    「漫画の神様」手塚治虫の、一切の妥協を許さない鬼気迫る仕事ぶり、そして、愛すべき変人ぶりを、彼に関わった様々な人々の証言を基に構成し、一話完結スタイル(前後編あり)で描いた、ノンフィクション漫画(全5巻24話)。

    手塚氏をそばで支え続けた家族や虫プロのスタッフたち。
    毎回落ちそうになる原稿とりに、ヤキモキどころか寿命を縮めていた雑誌編集者や制作担当者たち。
    そして、手塚氏の驚異的な情熱と仕事ぶりを間近で見て、刺激を受け、後に大成した漫画家たち(石ノ森章太郎、藤子不二雄の二人、松本零士、赤塚不二夫、永井豪など多数)。

    手塚氏の周囲にいた、複数の人々の証言がこの漫画の土台となっていますが、決して誰か一人の証言をそのまま採用するのではなく、複数の証言が巧みに絡み合わされて展開構築されていることで、手塚像に奥行きと立体感、そして、リアリティが出ています。

    決して「超然とした神様」などではなく、作品のためなら、「絶対に妥協せず手間もアイデアも人材も組織もお金も全てを注ぎ込む(本文より)」、はたから見たら狂気的な執念を持ち、そして、それ故に神様と言われるほど別次元に到達した、生身の人間の生き様が、ものすごい熱量を持って描かれています。

    月10本近くに及ぶ連載のすべてのアイディアと展開を同時並行して考え、ペンを走らせながら、アニメ制作を行い、誰よりも自分自身を酷使しながら、ひどい時には月に数時間程度とまで言われた睡眠時間の中で、すべての作品を仕上げる。
    しかも、その合間を縫って、台頭する若手漫画家の作品をチェックし、自身の弱点と考えているデッサン力の強化のためにディズニー映画のトレースをするなどしながら、新しい手法を貪欲に吸収する。

    そんな驚異の努力の天才(ある意味重度の狂人)のわがままに、何度も何度もどころか、人によっては何年も何年も振り回されて蓄積されたとっておきのエピソードを、周囲の人々が、何十年もの時を経て、誰もが嬉しそうに、時には自慢げに語る姿に、ものすごくグッときます。

    この漫画は、手塚氏を奥行きを持って描いた作品であると同時に、手塚氏を支え続けた人々の人生のひと時をも敬意とともに巧みに描いている点で、ルポタージュとしても、とても完成度が高いものとなっています。

    手塚治虫氏の作品は、初期であれば私の祖父世代、中〜後期であれば私の父世代のものにあたり、恥ずかしながら、これまでちゃんと読んだことがなかったのですが、これを機に、日本漫画界を作り上げた名作の数々を絶対読もうと強く思わせてくれた作品です。

  • 仕事をしてる人、とくに何か作る立場にいる人は頑張ろうと思うきっかけになる。天才と呼ばれた手塚治虫でも、こんだけやってんだと驚いた。ブラックジャック、再読するかな

  • 面白いです。

  • クランポン社 やっぱりヌイグルミはお尻だね 長引いた反抗期が途中で打ち切られたような… 大日本印刷五反田工場生産管理部 ここから取次店への配本がスタートします 奈良県生駒市 旧態依然とした医師会 寺沢武一ぶいち 市川市行徳 手塚先生はマンガの神様 赤塚先生はギャグの神様 …黒澤明からお花が来てたから。 新座スタジオ 遅刻するような厳しい量じゃないでしょう 自ら創作しようとしない不肖の弟子… 手塚治虫物語 1992年5月手塚プロダクション解散 人は二度死ぬ

  • 5巻 娘の視点。赤塚不二夫。死。「手塚治虫物語」を描いた伴俊男。

  • すごい熱量を持ったマンガもこの5巻で完結。
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  • 主な登場人物(手塚治虫以外)
    第5巻
    第20話 ふたりのピノコ
     手塚るみ子、手塚千衣子
    第21話 砂かけ男
     荒木勝時、壁村耐三、青木和夫
    第22話 歯医者はどこだ!?
     鈴木信一
    第23話 手塚先生は困った人なのだ
     赤塚不二夫、小林鉦明、壁村耐三、石森章太郎、壁村美津子
    最終話 最後のひとり
     伴俊男、三浦みつる、井上智、寺沢武一、福元一義

  • 砂かけババアのくだりが一番面白かったです(笑)

    最終話のわりに盛り上がりにもかけたようにも思えますがおおむね面白かったです。
    大人の本気を見れた気がしましたし。

    手塚治虫って自分自身に一番厳しいんですね。
    自分のやりたいことをやり抜いた人生って感じでかっこよくも思えます。

  • 人間ドラマもいいがやはり第一の魅力は漫画ハードデイズナイトな実録にあると「砂かけ男」のメチャクチャに思う。今まで見たことのない手塚治虫劇、堂々の完結。

  • 複数の視点からのエピソードに食い違いがあっても、それは「藪の中」ではなく、手塚治虫という人物の強烈な個性を示すもの。丁寧な取材と圧倒的な熱量。手塚全集に加えても良いのではないかとすら思う。

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