地震と活断層の科学 普及版

著者 : 加藤碵一

• 朝倉書店 (2010年8月1日発売)

感想・レビュー・書評

[狐舞さんの感想 · 2014年8月1日]

　初版は1989年ので、今回読んだのは普及版として発行されたもの。日本国内の活断層の種類や特徴などを地震の記録や現地調査の結果などから考察している。また、世界各地の地震や活断層についても同様の考察をしているが、本書の半分弱を占めている。内容としては古いが、これだけの情報が1冊の本にまとまっているのは貴重ではないかと思う。
　普及版とあるが一般大衆向けではなく専門家向けの内容で難しかった。しかし、活断層を理解することが地震を理解する事であるという著者の思いは伝わってきた。

余談であるが、普及版の第1刷は2010年8月30日に発行されている。311の震災の半年ほど前である。1996年に初版第5刷が発行されてから14年後であり継続的に発行されていたわけではない。単なる偶然と言ってしまえばそれまでだが、偶然ではない何かを感ぜずにはいられない。
(ちなみに、第2刷は2011年4月であり、震災を受けて発行したことがうかがえる。)

著者プロフィール

産業技術総合研究所

「2022年 『日本列島地質総覧』 で使われていた紹介文から引用しています。」