がんのひみつ

著者 :
  • 朝日出版社
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本棚登録 : 86
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255004136

作品紹介・あらすじ

この本では「がんのひみつ」、つまり「知られていていいのに、ほとんどの日本人が知らないがんの常識」を解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 平易な文章です。

    終盤になるにつれ、慎重に読めばロジカルとは言えないレトリックで、勤務医はアメリカと比べて報酬が少ないので誇りを持てず、それが日本のがん治療の進歩の大きな阻害要因になっている、特に放射線科は地位をあげてもっと報酬を得るべき、という主張にまとめ上げていきます。

    がんに関する基礎知識やがん対策の問題点についてはよく纏まっていますが、他の親切な資料でも十分知ることが出来る程度の話しです。

    がんへの関心を誘いにした、医療システムに関するプロパガンダの本、とも読めます。

    医療システムの問題に切り込んで、がん対策の現状を解説していることがこの本の良さですが、その部分が、さりげない論理の飛躍などのレトリックを使った、当事者としての一方の主張に偏りすぎ。

    そんなイヤラシサがあるので、★一つ。

  • 確かに癌のこと私よく知らなかったわ。
    著者も言ってるように、簡単なことは小学校で教えるべきかもね。
    なんつったって2人に1人は癌になるらしいから。

    放射線科の先生なので、後半そっちの専門的な話でちょっと難しくなりますが、サラっと基本を押さえておくには良い本。

  • まさに、日本人の2人に1人が罹り、3人に1人がそれによって死亡する時代。
    罹る前に、正しい知識を持つ努力をして、少しでも心の準備をしておくことも大事では、
    とスゴ本で紹介されていた本。69個の「ひみつ」が簡潔に紹介されている。

  • 2007年初版
    長寿でがん増える、欧米化でがんの種類も変わった、日本はがん対策後進国、手術・放射線・抗がん剤、マーカ・画像・病理検査、検診に向いているのは大腸・子宮頸・乳、転移すると完治は厳しい、死の準備期間とれる、告知後自分で調べる、国立がんセンタ・癌研有明・日本対がん協会、奇跡は起こりうる、痛みは取るべし、病院ランキング当てにならない、、、、

  • 癌全体についての知識を一般の方にもわかるように解説しています。
    日本は、高齢化社会になり2人に1人が癌にかかり、3人に1人がそのために死ぬという癌大国です。

    癌と告知されたら、癌の種類により治療や生命予後が異なるのでまず情報を集めること。インターネットでは、民間療法などの治療サイトが多いので要注意です。まず癌専門サイトを見て調べること。以下のサイトがお勧めとのことです。
    国立がんセンター、癌研有明病院、日本対がん協会、がん情報サイト

    日本では手術が治療の主流ですが、世界では放射線治療を2/3の癌患者がうけているそうです。
    放射線治療専門医にもセカンドオピニオンを尋ねてみることを勧めています。

    中川先生、日本の癌対策の遅れも指摘しています。癌登録と緩和療法の普及がまだ不十分だということです。

    書いてあることは、とても素晴らしいのですが、以下2点不思議に思ったことがあります。
    この本、かわいいサイズです。いったい何をねらったのでしょうか?ポケットに入れて持ち運んでくださいという意味でしょうか。
    癌の一般知識から始まり、現在の日本の癌治療の問題点や最後に国の医療費が低すぎるなど日本の医療そのものの問題まで書いてあり、いったい誰(患者それとも医師あるいは行政)を対象とした本なのでしょうか。
    http://ameblo.jp/nancli/page-5.html

  • 『「死に方上手」こそが「生き方上手」なのだとほんとうにそう思います。』『がんは人生の縮図』/
    部位によって検査から治療の方法も異なるので、自分できちんと調べましょう、とあるのは納得。日本の医療費はとても少なく、勤務医の給料も外国に比べると低いそうです。ふーむ。そう言われてもな…。
    一時間ほどでさくっと読めた。がんの概要を知るにはちょうどいい本。

  • 日本人の2人に1人が癌になり、日本人の死因第1位が癌といわれています。そんな癌のことをちゃんと知っていますか?この本はなにも知識がなくても理解できるように書かれていて、癌の入門書としておすすめの1冊です。(バイオエンジニアリング専攻)

    配架場所:工2号館図書室
    請求記号:494.5:N32

    ▼東京大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2002551125&opkey=B148065662427051&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=6&cmode=0&chk_st=0&check=0

  •  医療関係者向きのスカパー「ケアネットテレビ」で、放射線
     治療の番組を見た。そのときの講師が中川恵一さんで、話が
     とてもわかりやすく面白かったのが印象に残った。 
     そして、この本。朝日新聞の広告欄で見つけてすぐにネットで
     購入した。内容は医療者としての私には「知っていること」が
     多かったが、それでもかなり勉強になった。医学の知識が
     ない人が読めば本当に「目からウロコ」で、癌に対する気持ちが
     180度変わると思うし、多くの人に読んでもらって癌のことを
     もっと知ってもらいたいと思った。
     私が印象に残ったのは、「徴兵制もない日本では、死を意識
     することはなく自分は永遠に生きると思っている。
     そして癌になって初めて死を意識する」「癌が100%治るように
     なっても人はいつか必ず死ぬ。人の死亡率は100%」
     癌になったことによって人は「死」について考えるようになると
     言うのだが。
     二人に一人が癌で死ぬ時代がもう目の前にきている。
     西行は「願わくは花の下にて春死なむ」と詠み、一茶は「死に
     じたく致せ致せと桜かな」と詠った。かつての日本人は死と
     隣り合って生きていたという。
     本当は癌になって「死」について考えるのではなく、
     「人は必ず死ぬ。だからこそ、よりよく生きよう」という気持ちを
     ふだんから持っているべきだと思う。

  • がんについての必要なことをまとめた、小冊子的な本。
    著者は東大病院放射線科准教授。

    ガンがDNAのコピーとして発生する仕組みと自己からできたので、免疫機構がそれを発見できないこと、生活習慣などで改善できることを述べている。

    治療には、全体に行う化学療法と、部分の手術や放射線治療があることを述べいている。

    がんの検査も、「腫瘍マーカー」、「画像診断」(X線、CT,MRI)、PET(陽電子放射断層撮影)などもある)「病理検査」がある。

    癌治療の「根治」(完治)、「延命」、「症状緩和」を目的として3種類を混ぜた「集学的治療」もある。

    がん全体のことを知るには良書である。小さいが話は詰まっている。

  • 2人に1人ががんになる。他人事ではない


    勤務医の給料が安く、激務であるため、医者不足(日本医師会は開業医を優遇)
    エリート(責任といたわりの心)がいなくなってゆく(心ない告知など)


    日本にはがん登録制度がないため、データが集まらず、有効な治療や、自分と同じステージ(進行度)の生存率、治療に向いた病院も詳しくわからない

    長寿化したために、がん大国になった

    食生活などの変化で欧米型がんになってきている

    がんは家族性腫瘍をのぞき、遺伝しない

    がん細胞は健康な人の体でも、1日に5000個も発生し、免疫細胞(リンパ球)によって退治されている

    がん細胞は死なずに、自分と同じ不死細胞をコピーし続ける。突然変異以外は細胞についた傷が原因であるため、検査でわかるサイズのがんになる迄は10~30年かかる(しかし分裂ごとに悪質化する)
    自分の生まれた臓器から栄養を奪って成長するため、患者は痩せたり、骨を溶かされたりする
    大きくなるとリンパ腺に転移し、別臓器を目指す

    診断には腫瘍マーカー(がん細胞が作る物質の量を血液などからはかる)、画像診断(X線、CT、MRI、PET)、病理検査(細胞、組織採取)などあるが、がんの種類によって発見しやすい方法は異なる

    セカンド・オピニオンは別の科へ
    手術か放射線治療(または併用)が必要だから、外科と放射線治療の専門医へ

    勉強には
    国立がんセンター「がん情報サービス」
    癌研有明病院「がん・医療サポートに関するご相談」入門に最適
    日本対がん協会
    がん情報サイト(アメリカの国立がん研究所の配信日本語訳)

    緩和ケアを行った方が余生よりよく、余命も長くなる(激痛に苦しまずに食事や睡眠も取れるから当然)

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著者プロフィール

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。東大医学部付属病院放射線科准教授兼放射線治療部門長。厚生労働省がん対策推進企業アクション議長。

「2023年 『人生を変える健康学 がんを学んで元気に100歳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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