芸術実行犯 (ideaink 〈アイデアインク〉)

著者 :
  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255006642

作品紹介・あらすじ

美術館で拝むだけがアートではない。
アートは社会のリアルに切り込むための「武器」である。原爆ドーム上空に飛行機雲で「ピカッ」の文字を描き、事故直後の福島第一原発敷地内に放射能マークの国旗を掲げ、岡本太郎の巨大壁画に原発の絵を付け足す。
現代日本のアートシーンで最も物議をかもしてきたアーティスト集団Chim↑Pom(チン↑ポム)が自由を新たに塗りかえる。世界のアートの動向と共におくる生き方としての美術入門。

感想・レビュー・書評

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  • モダンアート、行動=アートという見方。
    渋谷駅の岡本太郎作品にいたずら書きをした集団。
    単なる、遊びじゃないのか?と思えるのだが。
    海外の実行犯は、スケールがデカイ。
    犯行映像が作品となる!?

  • 社会とアートの関わりに関してわかりやすく書かれていて、現代アート入門的かも。

  • ふむ

  • チンポム自体の活動についてと海外の現代アート集団についての紹介が半々くらい。「ノリ」「予定調和から外れて」というワードが頻繁に出てくる。自分の中でアートはハードルの高いものだったが、わかりやすくまた気軽なものなんだと思えた。全体的にとても読みやすかった。

    職人技術で勝負する時代ではない。過激なことならもっと身体的にヤバイ人がいるし、笑えることならプロのお笑い芸人がいるなかで、自分たちの面白さとはという試行錯誤があった、ということが書いてあった。→過激なことをすればいい、という人たちに対して浅はかだと思っていたので、自分の中で過激の象徴みたいなチンポムがそういうふうに考えているのがまた新鮮だった。たしかにチンポムは絶妙なバランス感でやっているなという感覚があった。あまりに絶妙すぎてよく知りもしない人からは叩かれているのかなとは思った。

    「正しさ」について。
    正しいことはあまりにも強すぎるので使い方を間違えると危険。世の中は本当は善悪入り乱れるカオス。→ものすごく共感した。「正しさ」と「弱さ」は凶器になると思う。凶器にしないためにも宗教という存在が必要だと思う。またそれらが不安定であるということを理解するためにも色々な世界を知る必要があるんだと思う。

    学んだこと
    ・スーパーフラットという単語の存在
    ・エリイのバイブルはジョジョ

    いいなと思った言葉
    激動を生きる万国のスーパーラットたち/いざ歌わん汝は路上の聖歌隊だ/うちら隣人21世紀の世界と溶け合って/自分もろともひっくりかえるのだ
    「ひっくりかえる」展ステートメント

  • 国立新美術館に行くと、地下のミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」に行くのが好き。いろんな雑貨の間においてある本の中から、気になったものを手にする。今回、思わず手にしたのはアーティスト集団「Chim↑Pom(チンポム)」の活動をまとめた一冊。

    一面では「お騒がせ集団」なのかもしれないけど、作品ごとにこめられたコンセプトをしっかりと把握すると「なるほどなあ」と思われる、説得力がある。現代アート、前衛アートって、なんだよ?と思っている方は是非一度手に頂きたい一冊。

  • 2016年5月22日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「風」。

  • 一見チャラそうなルックスでありながら、被爆やフクシマの問題に真っ正面からぶつかってきたアーティスト集団chim↑pom。自身の活動について等身大の言葉で語りながら、社会のさまざまなタブーに切り込む。難解なアートがとっても身近に見えてくる本。
    (選定年度:2016~)

  • 不快。

  • 評価が高い本は信者を産む。その著者が死んだ人ならまだしも、生きていてしかも、同じ言語を話すのならば自他ともにブラッシュアップするのが礼儀でしょ。
    受け手はどうやら貧しい対極化した感想文、それは無関心?
    芸術界というものは昔からどうやら批評もプレイと見なす世界らしい。
    ファンは声を枯らして応援するだけが能か?
    無知、技術無さ、センスと思いつきとパワー、一言で言えば若さ。だからそれだけでないものを彼らが中年になっていく中で、
    人生をどうサバイブして行くか?
    昔アーティストやってました。今は若者の応援というかそんなような事してますという道か
    やっぱりもっと深く社会的な存在になる道しかないような気がするけれど、どうでしょう?

  • 「問題作」を発表し続けるアーティスト集団Chim↑Pomが書いた本。
    作品の第一印象が「非常識」「めちゃくちゃ」「不謹慎」という強烈なものが多いアーティストですが、それはちゃんと社会の文脈の中に位置づけられており、社会に対する彼らなりの「こたえ」になっていることが、この本を読んで理解できた。

    今現在の世の中で起こっている物事に対して「答えられなくても応える」という彼らのスタンスが印象的でした。
    アートが社会に対する解答や明確なメッセージにならなくても、反射神経とエネルギーで、即座にアクションを起こす。出来事に対して反応するということは、その出来事を無関係なものとして切り離さず、自分たちのものとして引き受ける覚悟を示すこと。その人間としての生き様がそのまま作品になる。
    プラスのエネルギーに溢れた、カッコイイアーティストだと思いました。

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著者プロフィール

卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀が、2005年に東京で結成したアーティスト集団。時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したメッセージの強い作品を次々と発表。世界中の展覧会に参加するだけでなく、自らもさまざまなプロジェクトを展開する。2015年 アーティストランスペース「Garter」を東京にオープンし、同時代のさまざまな表現者たちの展覧会もキュレーションしている。また、東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域内で、封鎖が解除されるまで「観に行くことができない」国際展「Don't Follow the Wind」の発案と立ち上げを行い、作家としても参加、同展は2015年3月11日にスタートした。以来、最近はさまざまな「ボーダー」をテーマにしたプロジェクトも展開しており、2017年には、メキシコとアメリカの国境沿いで制作したプロジェクト「The other side」を発表。2015年、 Prudential Eye AwardsでEmerging Artist of the Yearおよびデジタル・ビデオ部門 の最優秀賞を受賞。

「2019年 『We Don't Know God: Chim↑Pom 2005–2019』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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