紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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著者 : 武田砂鉄
  • 朝日出版社 (2015年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255008349

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紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐすの感想・レビュー・書評

  • 真っ当な事良い事を言っているのだが、何故だか素直におちてこない。文章のせいなのか、ワザと読み手に混乱をきたすように書いているのか、自分の読解力が足りないのかはよく分からない。
    ともかく、読了するのに苦労した。

    社会批評が力をなくしてからもう随分立つ気がするが、筆者の様な書き手がシッカリと仕事をして、少し右傾化、画一化している社会に警鐘を鳴らさないと、本当にこの国はヤバくなる気もする。願わくはもう少し分かりやすい文章を書いて欲しい。

  • 日常で良く耳にするフレーズだが、そのまま受け流さずにもやっとする部分を突き詰めた一冊。語尾のコスプレ論は面白かった。

  • 読了。武田鉄也がラジオで紹介していた。なるほどと納得できた。「もうユニクロで構わない」の話は、よくわからなかった。大事なことが書かれていると思うのに気になる。
    自分より10才年下である。凄いなと感じた。今もそうであるが、10年前の自分が、このような本を書けるかと言われるとタジタジとなる。自分も30才の頃があったが、同じ30年の時間のあいだにこの著者がどのように生きてきて、この本を書けたのか興味がある。自分は、まだまだ薄っぺらだなと実感させられた。
    「そうは言っても男は」の内容は、著者が実は女でしたと感じるぐらい、女の人側からの考察に思えた。ネットで調べると著者は残念ながら男であった。

  • 痛快!
    本当に、自分の頭で考えて言葉を選んでいる。
    携帯の予測変換のような紋切型のフレーズは、楽だし、多少自分が思ってた事とは違ってもまぁそっちでいいかな?と妥協してしまうし、何も考えずに差し出されたものを受け取ってしまう。

    でもそこで、立ち止まって、しっかり観察してみると、おやこれはわたしが考えてたものとは全然違うぞなんだこれって場合もある。

    特に「戦争を知らない世代」に対しての辺りと、語尾はコスプレである、の下りが特に面白かった。

    自分の言葉で表現すること、言葉を扱うことに対する覚悟がすごい。あと知識の幅と量!
    解きほぐすっていうよりは砕かれるといったほうが近いかなとは思う。
    変わった名前の喧嘩腰のライター程度にしか認知してなくてほんとすんませんというかんじ。
    コピペライターは爪の垢煎じて飲んだ方がいい。

  • 紋切り型な言葉が、自由を奪っている。日本を「ニッポン」と表記する、そこに潜む狙いにもっと敏感になるべき、と思った。性犯罪者が、アニメ好きだとわかれば、その因果を問うのに、カントに傾倒していると言われても、そこに因果は問わない。英語には、語尾というものはない。月曜に増える自殺を減らすためには、「情熱大陸」の代わりに「ザ・ノンフィクション」を日曜夜にながすべきだ、という話。いろいろとうなずかされることも多いが、時々文章をこねくり回しすぎて、分かりにくかった。著者の主張からすべば、「文章は分かりやすいことが目的ではないはず」となりそうですが。

  • ☆☆☆☆現代社会の様々な事象に現れる『紋切り型のフレーズ』、その言葉を操る人々や社会そのものを、武田氏がエッジの効いた言葉で暴き出していく。そして、そのことをとおして言葉の力とそれを生み出す志のようなものを読者に伝えている。
    今まで自分が読んできた数々の本とは言葉に対する感性が違う。言葉の運びが描かく論の展開が、予想を越えた軌道をとって素早く飛び回り、著者の主張を訴えてくる。
    読み始めてしばらくは、このリズム感と主張の軌道に馴染めなず戸惑いも覚えた。
    それでも、「言葉」というものが単なる、表現のツールではなく、伝達のためだけでない存在であることを感じさせられもした。そうやって武田氏のかなり理屈っぽく社会を捉えた言葉は、私が描いていた社会観を切り裂きながら、異なった社会を覗かせてくれた。
    最後に、武田氏の原形が感じられた部分の文章を引用します。
    【誰がハッピーになるのですか?】
    〜〜『言葉で固まる現代を解きほぐすために鋭利な言葉を執拗に投じ続けた人たちの言葉は今なお消費されないし、奮い立たせる言葉として神通力を持つ。人の気分をうまいこと操縦する目的を持った言葉ではなく、その場で起きていることを真摯に突き刺すための言葉の存在は常に現代を照射し続ける』〜〜
    これは、私が気づいていなかった言葉の力でもある。
    2016/11/22

  • 頭が追いつきませんでした…。
    すみません。途中で挫折です。
    武田砂鉄さんの文章が女性誌に載っていて面白かったので探して買いましたが、、、

    途中で挫折しました。

  • 「全米が泣いた」「そうは言っても男は」など、日常で何気なく聞いたり目にしたり使ったりする「紋切型」の言葉が持つ曖昧さや胡散臭さなどに正面から立ち向かっていく著者の圧倒的な知識量と構成力が凄い。政治からエンタメまで幅広い分野での例を挙げながら、時に皮肉を交えて展開する持論は説得力があるし、読んでいて痛快だった!

  • 世に溢れる言葉、フレーズ、キーワード、スローガンなど紋切型の言葉が連呼され消費されている。物事の本質を捉えているようでいて決まり切った言葉に思考は停止していないか?注目のライターによる初著書の切り口は新鮮。

  • 安保、沖縄基地問題、少子化問題、嫌韓、就活鬱、STAP細胞、女性手帳、本離れ、ネットユーザーの馴れ合い、ソーシャルメディア。現在の日本の新聞やテレビ、週刊誌をにぎわす話題を短い言葉で次々とぶった切る。ザッピングのようにめまぐるしい。社会派の舞城王太郎。

  • 視点は面白い。が、内容的には仕分けが必要。叩くべきスローガンや疑問を呈する枕詞とコミュニケーションとしてのホンネとタテマエ(お世辞)を混同している所がある。
    全体的に、少々クドイし愚痴っぽい。若い人が書いたとは思えぬほど、老人的説教クサイところもある。デビュー作らしいので、今後に期待したい。
    「言葉と意味」のネタは無限に創出されていくので、社会評論系として第2弾、第3弾と刊行していけばよいのでは。書いていくうちに洗練されてくると思うが。

  • 【「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
    貞許礼子 先生の推薦図書です。

    <推薦理由>
    テレビ・新聞・雑誌などでよく使われているフレーズについて、流されることなく少し立ち止まって考えてみることが大切だと気づかされます。
    第25回(2015年)Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作品です。

    図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
    http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00355182

  • 著者の指摘、一つ一つがチクチクと刺さってくるのでムズムズする作品だ。
    私の考えを代弁してくれていると興奮しようとした途端、その気持ちを冷静になるよう押さえ込んでくれたりもする。
    自分の立ち位置を、意見を持たないと頭がグラグラしてしまう。
    だから(?)、読み進めてしまう。次の章が気になってしまう。
    私はどMなのかしら。

    ファクトが、データが、と言いながらも情報の出典を隠しながら述べているのはライターの性と言えるのか?

  • CINRA.NET の「フジワラノリ化論」やcakes.mu の「 ワダアキ考」で知ってから、面白い人だなあと気になっていた武田砂鉄さん。去年Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した初の書き下ろし本『紋切型社会ー 言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社)をようやく読みました。すごく読み応えがあった。

    まず、緑の中を走り抜けてくポルシェのごとく真っ赤な装丁に、意気込みを感じる。
    「これはこうだから」というような一言で何か物事を雑に(または上から乱暴に)片付けられてしまった時にモヤ〜っとのこる、「いや、それはそうだけど…」という違和感や不快感をしつこく掘り下げて論考する。かといってモヤモヤを払拭して「スッキリ!」させようなどとはそもそも思っていないようなスタンスで、モヤモヤしたままなんとか自分の着地点を見つけようとする。言葉と思考の丁寧で地道な作業に誠実感を感じ、勝手に好感を持ちました。

    今世の中にはびこる言葉の現象から現代社会の問題点を紐解いてゆく、という諷刺的内容の論旨。特定の発言者を引合いに出すことは少ないけど、たまに実名が登場する。糸井重里の「なるほど。わかりやすいです。」的な「認め合い」はズルい、とか。(でもきっと「いいまつがい」は好きなんじゃないかなという気がする。)
    曽野綾子や林真理子などの発言をひっぱり出し、「それは違う」とパキッと言い切る。ツイッターで、「曽野綾子さんについては、定期的に暴言が放たれるので、ついつい「もういいよ」という対応になりがちですが、その都度「違います」と言うべきだと思うので、また書きました」と言っているように、ある種の乱暴な発言に対しては、意識的に追及し、闘っているようです。
    たとえば、「戦争を知らない」から派生する「今の若い人は、本当の貧しさを知らない」というような言葉遣い。「「戦争を知っている」には耳を傾けつつも、「戦争を知らないくせに」には、もっと好戦的に臨んでいくべきだ」と言っています。
    また、cakesでの深澤真紀さんとの対談では、「自分が経験していることを相手は経験していない、という時に、その一つで“未経験”ではなく“未成熟な存在”として規定してしまう。これって、結婚や出産の話題には特についてまわりますね。この手のことは今までに何度か味わってきていますが、これに慣れてはいけない。毎回、根に持つようにしています。「そうかー、ボクもそのうち分かるのかなぁー」なんて絶対思わない。子供がいれば分かるのかもしれないけれど、いないなら、いないなりのことを思う。」と。
    こういうことをきちんと言ってくれる人がいてよかった、と思う。

    「あらゆる“こうでなければならない”から、言葉は颯爽と逃れていかなければならないと思う。」
    同感です。

  • 「こいつ何者?」といった感のある、その発想と論理展開、例示や例え話の巧妙さ、重箱の隅をつつくようでいて重要且つ根源的命題に切り込む先鋭さ、そして何よりも「言葉で固まる現代を解きほぐす」と副題にもあるように、逆にその言葉の力を縦横無尽に使いこなしていく表現力に底知れない魅力を感じた。

  • 言葉をテーマにした20編からなるエッセイ集。
    言葉だけが浮ついて、思考停止になっているのに気がつかない、そんな様子を鋭く描写していく。
    最近の芸能やメディアに疎いせいでついて行けない部分やこれは違うだろうと感じる部分もあったが、普段とは違う視点が得られ、新鮮であった。
    ネットをテーマにした章で「検索とはつまるところ『前例』の集積」という言葉はよかった。

  • 内容についてはもっともだと思う反面、それを言うおまえは何者だという問題がつきまとう。なんらかのデータ、根拠、専門性みたいなものが楯になってくれない……言葉で言葉を切る難しさを感じる。

  • 食わせ者の著者の渾身の独演会──そんな読後感で巻を閉じる。こういうへそ曲がりの跳ね返りは嫌いじゃない。けれど難しい。「嫌いじゃない」と言っている自分さえもが彼の手間を惜しまぬ「解体作業」を「渾身の独演会」と呼んでしまう。一つの「芸」だとどこかで思っている。各トピックを綺麗に、毎回ほぼ同じボリュームにまとめ上げる手管、物書きとしてのテクニック自体が既に「紋切り型」に通じるマニエリスムと呼び合うものがないかと意地悪く思ってしまう。ストップ高のポトラッチのように、圧力鍋の中で行き場を探す蒸気のように、表現はもはや打破すべき対象を実は既に見出せなくなっており、ほじくり残した「差異」を探して右往左往しているのではないか──そんな漠然とした思いがふつふつ湧いてくる。だからこそ著者のような威勢のいい若い物書きを、兎も角も応援したくなるのだ。

  • 「お疲れ様」と声をかけたら「疲れてませんよ!」と食ってかかられるような、もう勘弁してくれ的な絡み方が随所に。そのうえコラム集なのにどの章も論旨が曖昧すぎ。共感できるできないの前に、何が言いたいのかよく分からない。ところどころに引っ張り出される作者の経験談やたとえ話も意味不明。それなりに話題の本らしいけど、だれがどこで話題にしてるの?

  • 武田砂鉄は日本語が硬直しているという。自分で自分の言葉の範囲を決めている。そんな人の言葉ばかり浴びて、そんな言葉で人と繋がって、大きな不自由な塊になろうとしていると。俺はほんまや!って言う。言うよ、なぜならこの本に書かれた指摘の数々は、見覚え聞き覚え思い覚えのある項目ばかりで、でもやっぱり初見だったから。誰も言葉にしたくないようなことを言葉にしている。それは小田嶋隆の「排泄」という言葉が似合う、遠ざけがちで大事なことだ。日本語が硬直しているようにどんな言葉も硬直しているが、そこにメタ的な視点、つまりは批評性を持ち込んで、その凝り固まった言葉に気づき、早く効く薬を塗らないとまずい。日本語が腰をいわして寝たきりになる未来を予見した処方箋がここにある。

  • フローベールに『紋切型辞典』というのがあって、その時代感覚が今の我々とは随分違っていて、その違いを面白がるという趣で読んだ。書かれた当時は、思考の伴わない反射的な言葉づかいへの批判だったのだろう。

    本書は現代の思考停止の表れである決まり文句、ストックフレーズ、陳腐な表現を集め、そうした言葉が、見かけの穏やかさに反して、いかに抑圧的暴力的排他的な作用を持っているか、つまりは読み手を舐めているか、を明らかにする。

    こんなひどい言葉なのに、積極的ではないにせよ一定の共感を支持を集めており、むしろ無難で正しい言葉とされてしまうところに、我々は今、相当やばいところにいるなってことがわかって、ひんやりとする。

    こうした事態は、社会的なコミュニケーション全般に起きていることであり、言葉の問題だけに留まるものではなく、私の関心で言えば、デザインの分野にも起きていることだろう。

    発せられた言葉が社会を「泳ぎ渡る」とか「泳ぎきる」という表現が何度か表れる。独特の表現だなと思う。言葉には命があって、環境が悪いと死んでしまうけれど、なんとかうまく生き延びて、しかるべきこところまで到達してほしい、という感じ、言葉を世に問うときの感じをうまく表見する例えだなと関心した。死んでもかまわない、そもそも生きているかどうかを問わない、そういう無造作で雑な舐めた言葉づかいに対する違和と怒りが込められているように思った。

  • おもしろかった・・・けども、若いなーとも思った。
    作者よりも確実に年上であるおのれのことを思う。(やっぱり考え方の筋道つーか、土台みたいなもんは、年齢に左右されると思う・・・)
    なんかもうちょっといい加減な分かったふりはやめようと思った。

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紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐすの作品紹介

新しい書き手。自由な批評。


「柔軟剤なしのタオルと同じ。読むとヒリヒリ痛くて、クセになる。」

……重松清さん

「世に溢れる陳腐な言葉と格闘することはこの世界と格闘することだ。」

……白井聡さん

「育ててくれてありがとう」「全米が泣いた」「国益を損なうことになる」

「会うといい人だよ」「ニッポンには夢の力が必要だ」「うちの会社としては」……
日本人が連発する決まりきったフレーズ=定型文を入り口に、
その奥で硬直する現代社会の症状を軽やかに解きほぐす。
言葉が本来持っている跳躍力を取り戻すために。
初の著作、全編書き下ろし。

紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐすはこんな本です

紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐすのKindle版

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