紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

著者 :
  • 朝日出版社
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感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255008349

感想・レビュー・書評

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  • 普段感じている違和感に対してズバッと切り込んでくれる爽快さはある。
    文章はややわかりづらいか・・・
    いきなりの断定や、回りくどい言い方もあるが、世の中こういった本音ベースがもう少し出てきたほうが、自分にとっては暮らしやすいな。

  • 自分は字面どおり正面から向き合ってしまう人間なんだな、と改めて思い知った。それで怒ったりしているのはいわゆるB層なんだろう。著者の考えになるほどと思えたところもあれば、そうかな?と思ったところもあるが、もっと言葉の裏側や違う見方はないのか?と考えられるようになりたい。
    収穫は、改憲草案がとんでもないと知ることができたこと。最近なんとなく世界がキナ臭いが、家族は国に定義されるもんではないし、個を消すのは戦時中のように全体主義的な方向に向かうのではと怖い。
    保守って本当に保守なんだと知った。
    対抗馬がいないから仕方なく自民党を選ぶ人はたくさんいるだろう。対抗できるだけの政治家を切に願う。

  • 当人でなくても、数年後に読み返して、尻のあたりがモゾかゆくなってくる本。編集者時代の付き合いのせいなのか、池澤夏樹が勧める理由がわからない。本書に通底するテーマは、紋切り型に代表されるような、言葉に科せられたあらゆる枷を取り去り、「本来の言葉が持っているはずの跳躍力」を取り戻すべきだとする。なるほど著者の言う通り、言葉は驚くほど軽いが、吐いたそばから色あせ価値を失っている。ときどき自身が紋切り型になるときは自分でツッコミを入れたり、お好きな所から読んでと言いながら最初の考察に障害者を持ってくる辺は巧妙だ。

  • おお、頑固おやじさんだ。いやいや、隣にいないというのはこれほどありがたく面白いか。おばさんとおじさんとは大いに違うんですねえと思うがそれはそれとして、なかなかいやはや。

  • 内田樹先生の文章を読み始めたとき、「目からウロコがポロポロ落ちる」とか、今まで自分の中で言葉にできず分析できずモヤモヤしていたことを「そうそう私の思っていたことはそういうことだったのよ」とか思ったものだが、この武田さんの本を読んで、そのことを思い出した。

    鋭い切り口、批評に「ふんふん、なるほど」「そうだそうだ」と全編感心?し続けていた。目次だけでもおもしろい。1ヶ所だけ引用しておく。

    ”五輪に期待することへの返答にも二の句が継げない。(略)「国民に夢や目標を与える」(89%)が最も多かったという。「国民に夢や目標を与える」という回答を国民が投じるシュールさに疑いを持てないのが寂しい。夢や目標は、いつから国から国民への配給制になったのだろうか。”  38ページ


    ネット上で、武田さんの書かれたものを読んだ経験が既にあったかもしれないが、意識していなかった。これから注目して読んでいきたい。

  • 文体が苦手やった。ので、途中からななめ読み。著者さんはこういう文体が好きなのかね。個人的には、まわりくどくしか感じなかったのですが。あと、物事に対するつっつきかたはいいと思うねんけど、そんなに広げないほうがいいのでは、と思ってしまった。言ったほうがいいこともあるし、でも一方で言わないままにしておいたほうがいいこともあるというか、それを違和感と言った瞬間にほんまに違和感になってしまう、みたいな。でも、勢いとか反響はすごいので、次回作もそのうちすぐに出るんやろうなぁ。

  • テレビ、雑誌、広告、CM、アイドルもしくは政治家の発言…もしくは自分の職場でも…耳慣れてしまいもはや装飾やイメージの増幅以上の意味がない、もしくは何も考えていない、あるいは面倒を回避するために、使用している文句が身近に溢れているのに、特におかしいと思うこともなく、ときには自分も使っていたり、心を動かされていたりして。解釈を、そのイメージを1つにしようとする言葉に立ち向かうスタンスをみた本でした。

  • 以前からcakesやCINRAなどで読んでいた著者の書籍ということで期待して購入。

    短いトピック集のような構成になっており、ウェブで読むには良いのだけど、書籍で一気に読むと案外くどい。

  • 20151022

  • 「情熱大陸化」する日本
    すごいと確定している人から分かりやすい言葉を引き出すのではなく、すごいかどうかなんて関係ない、でも自分にはこの人が引っかかる、その人からオリジナルな言葉を引っ張り出すのが、ドキュメンタリーの視点であり始点ではないのか。

    のところ、うーむと唸ってしまう。

    そもそも一流だと確定しているものをミキサーにぶち込んでお肌によいとガブ飲みさせる手法に頼るのをやめなければ。

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著者プロフィール

1982年、東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年よりライターに。近年ではラジオパーソナリティーも務める。
『紋切型社会――言葉で固まる現代社会を解きほぐす』(朝日出版社)で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞などを受賞。他の著書に『日本の気配』(晶文社、のちにちくま文庫)、『マチズモを削り取れ』(集英社)などがある。

「2022年 『べつに怒ってない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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