コーダの世界―手話の文化と声の文化 (シリーズ ケアをひらく)

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著者 : 澁谷智子
  • 医学書院 (2009年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260009539

コーダの世界―手話の文化と声の文化 (シリーズ ケアをひらく)の感想・レビュー・書評

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  •  この本の著者はろう者でもコーダでもない聴者です。決して知ったかぶりをしたり、踏み込み過ぎたりせず、聴者としての立場から冷静に「コーダの世界」を描写しているので、手話勉強中の聴者(私のような)にも読みやすい内容です。

    p19 「猿が進化して人間になるまで」をやって見せてくれたろう者って、もしかして……?

    p47 「動いているものが軌跡のように残って見える」って、そうなのか! あー、空書の文字がすんなり読めるのは、そういうわけで……。その力、とてもとてもうらやましい。

    p91 「中心的な通訳となりやすいのは、年上のコーダ、または、長女にあたるコーダである」というのは、『手で笑おう―手話通訳士になりたい』に出てきた状況とも同じ。なるほど、「女の子」「男の子」で立場が分かれるのではなく、長子かどうかでも違うんですね。

     手話やろう者に関する本を読むと、毎度自分の理解不足を思い知らされ落ち込んでいた私ですが、最近はだいぶ割り切れてきました。まず100%理解しようなんて高望みしても無理。一つ一つ知って、なるほどと思って、覚えておく。とにかくその積み重ねですよね。知識も手話の技術もまだまだまだまだで、やっぱり落ち込んでしまいますけど。

  • 369.2

  • 『コーダの世界 ――手話の文化と声の文化』
    著者:澁谷智子(1974-)
    出版:医学書院、2009年

    聴覚障害を持つ親は手話を用いる一方、聴覚障害を持たない子供は手話と(フツウの)音声言語の二つを行き来している。


    【メモ】
    ・コーダ = CODA = “Children Of Deaf Adults”
    ・言語についての社会学?と言っていいんでしょうか。
    ・気になるし、「シリーズ ケアをひらく」の一覧を作ろうかなあ。
    ・そういえば、川端康成は子供時代に目の見えない祖父と暮していたそうな。

  • ろうの親をもった子どもをコーダと呼ぶらしい。コーダのコミュニケーションの仕方が、それ以外の子どもたちとどのように違うかというなかなか面白い研究書。

  • Children of deaf adults、
    略してCode。

    耳の聞こえない親を持つ子どものことです。

    聴者の世界で当たり前のことが、
    ろう者の世界では当たり前ではない。
    その逆もまたしかり。

    二つの文化の架け橋となる人々の苦悩や発見が、
    聴者の世界しか知らない私にとっての新たな気付きにつながっていきます。

  • ろうであること、とコーダとして育つことを文化と規定するのは理解できるし、意義もある。が、結局のところ、「文化なんです」で終わってしまっているのが、なんともお粗末。なんで、このシリーズに加わったのか疑問。

  • 自分はコーダではないけど
    コーダの逆の環境で育てられた。
    聞こえる親の元に生まれ
    聞こえない大人を見ることなく育ち
    自分が自然に聞こえる人の文化を手に入れ…
    と思うので、コーダとはちょーぴり似てる。
    そのせいか、体験談を読んで
    「そうそう!」とか共感するところがあった。
    なきそうになったところもある。
    それに、自分が親になって子供が聞こえる子供だったら…
    どんな風に育てる…?手話で育てるか?とふと思ってしまう。

  • 本人は耳が聞こえるけど、耳の聞こえない親に育てられた――この本の主役「コーダ」とは、そんな「親にろう者を持つ聴者」のこと。聴者の言語文化(「健常者」の言語文化)と、手話を中心としたろう者の言語文化の二つの境界に位置づけられてしまう、そんな存在だ。

    例えば、親の持つろう者の言語文化で育ったコーダは、成長につれて自分の行動が周囲と比べて変であることに気づいていく。その時に、コーダはどんな思いをかかえ、どんなふうにふるまいを変えていくだろうか。そして親にはなんと言うだろう。

    本書『コーダの世界』では、多数のコーダへの聞き取り調査を軸にして、彼らが二つの言語文化の間でどのような経験をして成長していくのかを描いていく。そして、この二つの言語文化の持つ特徴や力関係もあぶりだしていく。また、こうした経験を(とりわけコーダ同士で)語ることで、コーダの自己物語がどのように変容していくのかという視点を導入している点も、興味深い。

    障碍を扱っているので様々な問題提起を含んだ本ではあるし、実際ここには社会的に解決しなくてはいけない問題も出てくるのだけれど、まずはあまり深刻に考えず、コーダという境界人の視点を通して聴者(「健常者」)が自分たちの言語文化のふるまいについて見直す一冊と捉えてもいいと思う。

    事例も豊富だし、文章もたいへん読み易い。とても面白いので、できれば新書などで、もっとたくさんの人に読まれてほしい本。

  • 両親が耳が聞こえないため、僕はまさしくコーダです。
    生まれながらにバイリンガル。とはうまく言ったもんだと、ちょっと感心してしまいました。

    これはコーダあるあるです。
    そんなコーダにとったら当たり前なこととか、コーダならではの苦悩などが本になってしまうことに驚きです。
    なんなら健聴者の両親を持つ人の話しを聞きたいぐらいです。

    健聴者の世界にも、聴覚障害者の世界にも入れないんです。コーダって。

    自分の周りの大切な人や両親に是非見てもらいたい本です。
    少しでもコーダってこうだっていうのを知ってもらいたいな…



    あっ今の洒落じゃないからねっ!!

  • 聴覚障害の親を持つ子ども(コーダ)に対してインタビューや
    アンケートをした結果、得ることができた当事者の声を
    読みものとして提示した本書。
    内容はわかりやすく、驚きがあったり、ウルッとしたり。

    障害を持つ親を持つ劣等感、義務感、葛藤から、聴文化とろう文化の
    2つの文化を持つ生きている人として自分をとられる受容、喜び、
    自信までコーダの生の声が分かり、等身大のコーダがどんな存在なのか具体的に捉えられる一冊となっている。

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コーダの世界―手話の文化と声の文化 (シリーズ ケアをひらく)の作品紹介

こんな世界、知らなかった!親が振り向いてから泣く赤ちゃん。声を出さずに口のかたちで話す子ども。親への苦情電話を親に通訳しなければならなかった小学生。目をじっと見すぎて「オレに気があるのか」と誤解されてしまった若い女性。手話が「言語」であり「文化」であることが心から納得できる、刮目のコミュニケーション論。

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