ナラティブ・メディスン―物語能力が医療を変える

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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260013338

作品紹介・あらすじ

ナラティブ・メディスンとは、病いの物語を認識し、吸収し、解釈し、それに心動かされて行動する「物語能力」を用いて実践される医療である。内科医であるとともに、文学博士であり倫理学者でもあるリタ・シャロンが、文学と医学、プライマリ・ケア、物語論、医師患者関係の研究成果をもとに、「物語能力」の概念、理論背景、その教育法と実践法を豊富な臨床事例を通して解き明かす。対峙から協同へ-医療の新たな枠組みを提唱するナラティブ・メディスンの原典、待望の完訳。

感想・レビュー・書評

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  • 1ヵ月かけてやっと読了。辛かった。自分は医療者ではないので、医師である著者の記述の元になっている文脈は正確には共有できず、述べられている内容を実感を伴うものとして理解することはできない。
    それでも、EBMに対してナラティブ・メディスンが提唱され、注目され、医療実践として導入された事例を読みながら、どのようなもので何を意図したものか、その意味や価値を知ることはできた(と思う)。(難解だったけれども)
    「病気を診ずして病人を診よ」というのはこういうことなんじゃないのかな、と。

  • 医療、人をケアすることを生業とする方であれば、読んで損はないと思います。私は麻酔科医ですが、高いお金を出す価値が十分にありました。本書に書かれているようなことを忘れて医療に携わらないようにしたい、と思わせてくれたありがたい本でした。

  • ナラティブメディスンの、もはや古典というか原典というかここから始まっている、ような内容の本で、これ以降に出版された書物は必ずこの本を参考にというかよりどころにしていることがわかりました。なんとなく後付けした理論のように感じるのと、これはセラピーではなくむしろ治療者のトレーニングなのだという印象を強くしたところです。

  • 患者と医療者はなぜ分断されるのか。そこにどうやって橋を架けるのか。物語医療(ナラティブメディスン)-配慮・表現・参入-を通じて病を患った人にどうやって寄り添うことができるのか。今まで違和感を感じていたことを言葉にして下さった気がします。用語が非常に難しくほんの少ししか理解できていないかもしれないけど、何度も読み返したい本です。

  • 所在:紀三井寺館1F 請求記号:W62||N2
    和医大OPAC→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=164052

    ナラティブ・メディスン(物語医療学)とは何でしょうか。
    著者のリタ・シャロンはこれを、「ナラティブ・コンピエンス(物語能力)を通じて実践される医療」と定義しています。
    ナラティブ・コンピエンスとは、患者の病の物語を認識し、吸収し、解釈し、その物語に心動かされて行動するために必要な能力のこと、だそうです。

    近年、物語に基づいた医療(ナラティブ・ベイスト・メディスン:NBM)という概念も、科学的根拠に基づいた医療(エビデンス・ベイスト・メディスン:EBM)」と対比され、普及してきました。

    物語の方法論、文学や人類学の方法論を、医療に用いること。

    たとえば世界の成り立ちについて語るために神話が生まれ、民族の歴史を知るために民話が語り伝えられてきたのですから、患者の病気、その背景を知るために、患者の「物語」を聴くことは大切なのだと思います。

    わたしは医療従事者ではないので、患者の立場しか想像できないのですが、お医者さんが患者の「病気」ではなく、患者の病の「物語」を理解し、把握してくれるのなら、こんなに安心できることはありません。

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