「話せない」と言えるまで: 言語聴覚士を襲った高次脳機能障害

著者 :
  • 医学書院
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260015158

感想・レビュー・書評

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  • ジル•ボルトテイラーの「奇跡の脳」が大好きなので読みました。
    医師やセラピストでもない自分には難しい点が多く、あまり理解できませんでした。読む人によっては良書なのかもしれませんが、そのあたりは全くわかりません。。
    個人的な感想ですが、一般人用の本ではない。

  • 2022.4.19市立図書館
    医学書院、「ケアをひらく」シリーズの一冊かと思ったらそうではないようだけれど、入っていてもおかしくないテーマで、専門家自身が脳梗塞に倒れて自分の心身の変化を観察して記述するという、たとえ願ったとしてもめったにかなわぬ当事者研究(ケアをひらくよりはかなり専門書寄り)。
    医学の専門的な部分は斜め読みになってしまうけれど、リハビリの内容は知ってて損はなく、ひじょうに興味深く読んだ。脳のメカニズムや脳損傷による言葉に関する障害とその回復の研究は、吃音のような障害や第二言語の習熟の研究にも役に立ちそうだと思ったし、同じ言語関連の仕事をしていながら今まであまり知らなかった言語聴覚士という仕事への興味や理解も深まった。
    当事者自身はもちろん周辺も専門家揃いで、理論でわかっていることや知識をフル活用して治療リハビリした結果、思った以上に予後もよかったというのは、もちろん恵まれたレアケースなのだろうけれど(自分の教え子たちが懸命にリハビリなどを助けてくれて予想以上の回復を遂げるというのは当人にも教え子にもさぞうれしいことだろう)、同時にあれこれ示唆的だとも思う。医学的な部分は斜め読みになってしまうけれど、リハビリの内容は知ってて損はないと思い、ひじょうに興味深く読んだ。脳のメカニズムや脳損傷による言葉に関する障害とその回復の研究は、吃音のような障害や第二言語の習熟の研究にも役に立ちそうだと思いながら読み、同じ言語関連の仕事をしていながら今まであまり知らなかった言語聴覚士という仕事への興味や理解も深まった。
    母も60代の初め頃に脳梗塞で入院したが、障害児の療育・リハビリなどの方面で知識がある人なので、やはり入院中から自分でどんどんリハビリしてほとんど後遺症もなき日常生活を取り戻しているので、予めある程度知っていること、そしてそれを支えに自分も周囲も諦めずにがんばれることが大事なのだというのはすごくよくわかる。医療を提供する側が患者になってみての反省の弁もあれこれあったが、高次脳機能障害はじめさまざまな心身の変化にともなう言語化されにくいつらさについてまとまった本が出始めたのもこの出版のあとここ数年のことだろう。

    この本を読み、普段の何気ない動きも言語活動も、左右バランスよくリズム良く自動的にできるということがどれほどすごいのか知り、これがいつか病気や加齢で失われていくのが避けられないと思うととても心細くなるが、一方でそのメカニズムの解明や回復を助ける研究もずいぶん進んでいることは心強いと感じた。これからは生老病にともなう脳機能や身体能力の発達や退行については義務教育レベルである程度学ぶ機会があってもいいように思う。

    右半球損傷による障害として、話が冗長で横道にそれやすく端的で的確な談話にまとめられないことやせっかち、気持ちが散漫になりやすいことが言及されていたが、先天的な性格的なもの・個性や発達障害のそれとの関連はどうなのだろうと思った。なんらかの訓練で短所や知的能力を変えることも望めるのだろうか。
    それから左側無視や水平方向のスキャニング障害に関しては横書きではなく縦書きにするという対応は役に立つのかどうか知りたいと思った。
    最後の方で言及されていた「認知的予備力(生得的な能力と問題に立ち向かうことで培った後天的な能力の蓄積を意味するらしい)」も気になる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/60497

  • 請求記号 WL340-SEK
    https://opac.iuhw.ac.jp/Otawara/opac/Holding_list/search?rgtn=1M009922
    専門的な知識をもつ言語聴覚士が自身の経験について書いた書籍です.学生さんにとって学ぶことが多い書籍です.

  • リハビリの回復程度に関しては主観的でもあり、関係者がリハビリ専門職だったりで、全ての患者の希望になるかは怪しい。
    しかし、患者の心理が身近に感じる本だった。
    あまり興味も無く知らなかったが、半側無視や急性錯乱状態など面白い話もあった。
    頭の上で何か言っていたとクレームを言う患者はこれだったのか、と。
    脳梗塞後遺症もあるのか、内容は確かに繰り返しで長い。

  • 493.73-セキ 300368958

  • 言語聴覚士を襲った脳梗塞。その結果としての高次脳機能障害について、専門家の目から書いてあります。
    ちょっと難しいけれど、検査を作った本人が検査を受ける場面などは興味深い。

  • 多分、まっとうなリハ医ならば、この本に書かれた様々な矛盾について解るとは思いますが。

    この本で参考になるのはあくまで、
    「脳損傷と症状に関する研究者が、その知識を保ちつつ自分の症状を見つめて回復を目指した記録」という点と、
    「客観性に欠ける」という事を理解しながら、「研究者が語る『脳損傷』の自己体験に触れて欲しい」と記載した、石合医師の最初の2Pの書評のみです。

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著者プロフィール

一橋大学名誉教授、博士(社会学)。専門は教育思想史、比較教育学、環境教育。動植物(生きもの)の魅力と自然保護に献身する人びとの息遣いを伝えるべくノンフィクション作家の修業を積んだ。趣味はアムールトラに会いに行くこと。

「2020年 『「関さんの森」の奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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