つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた。
- 医学書院 (2017年10月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784260034593
感想・レビュー・書評
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これまでちゃんと向き合うことを避けてきた、自分の心と向き合おうという気にさせられました。マインドフルネスとスキーマ療法はそのよい助けになってくれそう。
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架空の2事例を通して、認知行動療法、マインドフルネス、スキーマ療法を用いたカウンセリングの流れがつかめる構成になっている。すっきりとしたわかりやすい文体で、著者のカウンセリングもこんな風なのかなと想像させる。
マインドフルネスがまさかここまで流行するとは思わなかった。本来は仏教の気づきの概念で、そこから宗教色を排してストレス低減法に活用されている。マインドフルネスという英訳自体、数年前には知人の僧侶に聞いても知らなかったが、その後、Googleの書籍が刊行されたことを契機に、医療よりもビジネスサイドから注目され、自己啓発系セミナーが乱立することになった。そのせいか、どこか胡散臭い感じもするが、医療ではエビデンスも出揃ってきて、かなり信頼のおけるセラピーのようだ。とはいえ、独学できるものではなく、本書の伊藤先生のようなメンターの存在が必要な気がする。
本書はストーリー仕立てなので、より詳細な知識は、しばしば本書で紹介される著者の本を読めということか。まるで専門外だけど、この方の本なら読んでみたいかも。
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精神的な病気じゃなくても、人生でつらいことやストレスはあるし、もしかしたら、それで病気になる可能性もある。日頃からストレスに対処できるように自分でトレーニングして、なんとか対処できたらって思うし、みんながその方法を知っていれば、もっと生きやすい社会になるのではないかと思う。この本は、自分で実践できるマインドフルネスとスキーマ療法のことが書かれていて、実際に臨床心理士の方も自ら日々使われている手法で大変参考になった。
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スキーマ療法の日本トップランナーである伊藤絵美先生。担当心理士(以下PS)さんから、えみちゃんワールド、と条件付きで薦められた一冊。
独特の語り口もさることながら、この本だけではスキーマが何のこっちゃ分かりにくい。そのため実際に受けたスキーマ療法の体験も交えて、少し長くレビューしたい。(そのテキストもえみちゃんワールド)
他のレビューでスキーマ療法を「自己理解」だと超要約してしまった。そんなに外れでもないと思う。認知の歪みを治すのが認知療法、その歪みの原因を探るのがスキーマ療法。これを氷山に例えると、海面から飛び出たとこが認知、海面下の巨大な塊がスキーマと説明を受けた。なるほど。スキーマは認知に影響を及ぼしているわけね。
その氷のカタマリを解きほぐす作業、いや「苦行」の深刻なケースが本著で紹介されている例。少しずつでも患者が変わっていく所がドラマチックだ。
しかし私も含めて一般人のあるあるからは結構遠かったりする。治療も一年、二年三年と長期になることが繰り返し言われるのでげんなりしてしまう。
私自身の体験を付け加えると、約半年で氷塊の宝箱にたどり着いた。人によってはここまでがしんどい。でもって大腸カメラくらいに恥ずかしい。過去の恥ずかしいことを全部大安売りする感じ。ただ、根があけすけな人間だったのが幸して比較的短期間で済んだのかも。
本当にアタリの宝箱かは断言できない。ただ少なくとも病気だか生きづらさだかは改善。効果はあったと確信している。感謝している。こうしたスキーマの手応えを知ってから本書を手に取っていれば、もっと共感しながら読めたというのが正直な感想。
そうはいっても間違いなく他にない良著であることに変わりはないので、トライされる方を応援したい。
あれ…以下PSさんて、どこにも使ってへんやーん。
これが私の生きづらさの正体の1つ。(ええかっこしい) -
この本は認知行動療法と言われる治療法の具体的な実践例を通じて、本人がメンタルの問題として捉えてなかった問題をメンタルの問題として自覚し、解決に向かう話だ。
TBSラジオsession22にて自身もうつ病に罹患した事を公表している荻上チキが「荻上チキが間違って2冊買っちゃったけどイイ本だったので1冊あげちゃうよSP!」にてお勧めしていたので、読んだ。
マインドフルネスは最近ビジネス書でもよく見かける手法で、スキーマ療法は心の深いレベルでの認知の傷つきを理解し癒す手法だ。
非常に胸を打つ話だった。自身が心を守るために行ってきた行為、例えば感情を出さないとか、弱味を見せないとか、自分の感じている事を遮断しようとするという事とか、そうした行為を早期に身につけ、身につけたその対処法が不健全な為、今度はその後の人生において生きづらさの原因となる。
さらにその苦しさの背景が本人にはわからず、苦しさから解放されるために何らかの依存症、苦痛を和らげる薬やお酒にのめり込んでいく場合もある。
この状況は「反省させると犯罪者になります(新潮新書)」でも似たような事が書かれていた。著者の岡本茂樹は刑務所での累犯受刑者の更生支援にも関わっていた人間だ。
彼は犯罪者の多くが小さい時に親から受容されなかった経験を持ち、その時身につけた人間関係の対処法、暴言や暴力を伴うような対処法を身につけるようになる。
だから刑務所によって反省文や反省する姿勢を表面的に行う事は出来るようになっても、もともと身につけている犯罪に繋がるやり方(ある種の苦しみからの解決法)を抱える本人の解決にはならないという事だった。
自己肯定感や承認欲求とかそういうものにも繋がるわかりやすく良い本だった。
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二つのケースをあげて、マインドフルネスやスキーマ療法について分かりやすく解説されており、更に詳しく知りたくなる。難しいクライアントにも根気強く対応する著者の対応に、好感をもった。
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いっきに読みました。いつも一緒にカウンセリング受けてる気になります。
伊藤さんの本はほとんど読んで、ほぼ同じ内容なのだけど、わかりやすいのとかカラフルなのとか、違うタイプの人が出てきたりとか、とてもよいです。 -
第3世代行動療法と言われるスキーマ療法の事例紹介本。「行きづらい」と感じている人に導入として良い本だと思う。
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[図書館]
読了:2017/12/28
2日で読み切ってしまった。
語り口に温かさがありながらも整然と経過がまとめられていて読みやすかった。
スキーマ療法に興味を持った。