感情と看護―人とのかかわりを職業とすることの意味 (シリーズ ケアをひらく)

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著者 : 武井麻子
  • 医学書院 (2001年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260331173

感情と看護―人とのかかわりを職業とすることの意味 (シリーズ ケアをひらく)の感想・レビュー・書評

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  • これを使って、看護学校の今年の教え子にメッセージを送りました。
    看護と書いてはありましたが、我がことのように思えることもありました。家庭医はやはり近いものがありますね。

  • 看護研究のために読み始めましたが、看護師自身の感情にもきちんと向き合い、表出していくことの大切さを知り、否定的感情を抱く自分を認めることができるようになる一冊です。

  • 中井久夫を読んでいて、コールセンターの職場の問題点と病院で看護師に生ずるアクシデントが近いのではないかと感じ、読んだ。
    特に問題意識において膝を打つ気づきが多かったので、以下に。

    ・看護にはいくつかの神話がある。「共感」「傾聴」「受容」がその例で、意味があいまいなまま看護-患者関係を扱った文に必ずと言って良いほど登場する。対して同情、感情的、が悪い事として扱われる。そのため、学生は相手の気持ちに近づけば近づくほど、その気持ちが分かる気がすればするほど、「巻き込まれている」「同化している」という否定的な評価がされるという深刻なジレンマに陥る。
    大学の精神保健看護学実習の自己評価表に「援助的人間関係を築く」という項目があるが、教員から見て共感能力が高く、よく患者の感情に寄り添えたと思える学生ほどこの項目が低い。
    では、鈍感なら良いのかというと特に看護においては、非言語的サインへの気付きに大きな価値がある。感情は相互的なものであり、「感情には感情を以て対応するほかはない」

    →会社で特に研修時習った理想と現場の雰囲気が全く違い、戸惑うという声を良く聞く。コールセンターで共感、傾聴を教えない所は無いだろう。礼と心の持ち方を理想的に教えるのは良いのだが、相手が礼を以て接してくれるとは限らない時に相互的な感情が生じる。それへどのような対処をすべきなのか、も研修に含んでいなければジレンマを大きくするだけなのだろうね。

    ・看護は女性の職場で24時間の交代制なので部品的で脱人格化される。研修と学校が一体となっている所で、4年の内に3~5割離職があって普通。ほかの職種のように勤務年数に応じて複雑な仕事が与えられるようなシステムになっておらず、長年勤めた甲斐が得にくい。

    →全く同じ。対処方法がこの本に書かれている訳では無いので、他も当たってみたい。まだ看護は手に職が付くイメージがあるが、コールセンターにはそれも無い…かな。

  • 武井先生の看護師に対する観察力と分析力は素晴らしいです。
    ナースならば思い当たる事も多くあると思います。ただ、いつも思うのが、看護師と患者ばかりが中心となっているところが残念。周りの医療従事者も巻き込んで分析しているともっと面白い。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:498.14||T
    資料ID:51300341


    これまで明らかにされてこなかったケアする側の看護師に生じる感情について書かれており、ケアすることの意味を考えさせられます。(小児看護学領域 推薦)

  • 看護とはなにかと聞かれて、明確に答えることは実は難しい。しかし、看護師に対するステレオタイプだけはもっている。これが現状か。

    その偏見を打ち破り、看護の感情的な困難さを様々な角度からあぶり出して見せた論考である。参考文献も充実しているので、看護だけでなく、対人援助職、ケアについて研究するための基礎文献にもなりうる。

    ・感情労働には自己欺瞞やうつ、バーンアウト、アイデンティティの危機といった危険がとなり合わせ。
    ・医師の思いやりのない言葉や態度に傷ついた患者を慰める看護師。これはチームワークではありません。看護師から考える力を奪い、医師から気づかいをする力を奪っている。
    ・共感的理解は、感じることとわからないことを分けること。
    ・相手の話を聴かない演習。両方ともうつになる。
    ・ケアすると言うことは、患者の甘えを理解し、それを受け入れる。つまり、患者があまえられないことを理解すること。
    ・共感疲労。二次的外傷ストレス障害。
    ・看護師もまた、自分の感情を吟味することの出来る場が必要なのではないか。カウンセラーと同じように。
    ・看護師もまた患者に支えられている。
    ・看護師になるのと患者になるのは紙一重。
    ・看護における人間関係への関心の低下は、看護師自身の人間的側面への無視をもたらす。
    ・キーツの詩の「負の能力」=「不確かさ、不思議さ、疑いのなかにあって、早く事実や理由を掴もうとせず、そこに居続けられる能力」

  • 学生の時に読んでいまいちピンと来ず
    働きだしてからもう一度読んだ。

    患者の感情をくみ取ることはしても、それに一緒に自分の感情を持っていかれてはいけないと思った。
    実際、難しいけどね

  • 副題にもあるとおり、看護師だけでなく教師や自宅で介護に携わっている人にも色々な気づきを与えてくれる本だと思う。
    宗教的な部分については、著者がキリスト教徒ではないため、本来の意味まで踏み込めない部分もあったが、心理学的側面からは大変鋭い考察を行っていると思う。
    結びに「負の能力」(不確かさや疑いの中にあって、早く事実や理由を掴もうとせず、そこに居続ける能力)に言及しているが、これは生きている限り誰もが必要とする能力なのだろう。

  • まだ最後までは読めてませんが…こういう本も気になります。

  • 看護はメルヘンでも献身でもありません。仕事です。
     創造性のあるロマンあふれる自己実現できるすばらしい仕事です。

    でも、それを忘れちゃって業務に流されてる人って、けっこういるんじゃないかな。
     仕事として割り切り過ぎてるヒト、逆にのめりこみすぎてるヒトにもお勧め。
     自分自身と仕事との関係性を振り返ったり再構築するのに最適な書。

     実は、ナース以外の営業マン・販売・福祉職などなど、人と関わる職業の人すべてをターゲットに書かれてるから、とっても読みやすいよ。

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