なめとこ山のくま (フォア文庫)

著者 :
  • 岩崎書店
3.27
  • (2)
  • (0)
  • (8)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 30
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265010585

作品紹介・あらすじ

撃つものと撃たれるものの因果な関係にありながら、心の深いところでかなしく結ばれる小十郎とくまを描く名作「なめとこ山のくま」のほか、賢治の愛した岩手の風土が色に濃くあらわれる作品8編を収める。巻末に堀尾青史氏による詳細な解説を付記。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「坂本和子 朗読選集2 宮澤賢治」
    Disc1 なめとこ山の熊

    見所は、不誠実な町の商人と、誠実な熊との対比かな。

  • 賢治の世界観は他の作家には変えがたい
    なめとこ山の熊は、自然と猟師と人の立場を越えた交流の話だと思う。

  •  「なめとこ山のくま」を読み返すと、いつも動物愛護運動が脳裏をよぎる。

     何ならば食っていいとか、悪いとか。

     自分は1985年、昭和の終りに生まれた。近代化に取り残された田舎だったため、普通に庭先で鶏を潰していた。うちの地方では解体作業を「潰す」と言っていた。きっと、罪悪感は今なお消えていないので、あえて殺すことを無機的に「潰す」というようになったのだと思う。はじめて目の前で「潰す」作業を見た時はショックだった。段々と慣れていったが、初めて見た衝撃はきっと忘れない。ただこれだけはいつも思う。スーパーで「パック詰めされた」「衛生的な」鶏肉が整然と並んでいて「グラム当たり何円」という表示がされているほうがずっとずっと残酷だと。

     撃つほうも、撃たれるほうも命がけな「野蛮さ」を忘れてはもはや生物といえないのではなかろうか。自らの行動のみを「文化」とよび、他の動物の行動を「本能」とよぶ傲慢さ。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮沢賢治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×