- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784265050833
作品紹介・あらすじ
「友達のことは、わすれるんだね。あの子はもう死んだんだよ」ウィルとエヴァンリンは、海賊スカンディアに囚われ、あれくるう嵐の海をこえて、北方へ連れ去られた。ある者の策略で、ウィルは記憶を奪われ、そのやさしい心をも失っていく。ふたりを救う道はあるのか?氷と雪に閉ざされた国からの逃亡劇。王国を守る、命がけの戦いに挑む少年たちの勇気を描く大型ファンタジー。
感想・レビュー・書評
-
我慢と忍耐の3巻。
北方の国の雪と寒さが、悲惨な状況をより一層強くします。
2巻の終わりで、アラルエンから遠く離れていくウィルとエヴァンリンですが、3巻は思った以上にきつく辛い旅路に。彼らにとっての希望の光がホールトの存在のみで、もう辛いったら。
そのホールトの置かれた立場も辛く、彼の悲壮な決意に心動かされます。
ホールトの裁判の場面は辛く苦しいものですが、顛末が意外で、思わずもう一度読み返しました。児童書らしい甘さなのかもしれないですが、とても好き。
そしてアラルエンを出てゆくホールトを待ち構えていたのは…!?
茂みに隠れていたのが意外な人物だったので、思わず笑みが浮かびました。よきかな。
途中、ガリカをゆくホールトたちと、エラクと共にゆくウィルとエヴァンリンの様子が交互に描かれます。ウィルたちの扱いはとてもよいものとは言えませんが、だんだんとなんとなく海賊の頭領エラクの存在が憎めないものに思えてきます。
ガリカをゆく二人の旅はまだしも、スカンディアに着いてからの二人の状況がひどすぎて、本当に我慢我慢の3巻でした。ウィルなんて主人公なのに後半はほぼほぼブラックアウトだし。エヴァンリンがあの状況で、たった一人で力強く生き抜いたことは、賞賛以外の何物でもないです。
アラルエンの誰にとっても辛いであろうこの状況ですが、次の4巻に続く大きな変革へと繋がっていくのだと思うと、もう我慢して読むしかないですね。
ちなみに、ウィルがこちら側に戻って来るシーン。とてもあっさりしている。
私だったら、もっと大・号・泣!!!ってなる書き方をすると思うけど。
そんなあっさりしているところもそれはそれでいいのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2巻でスカンディアに捕まったウィルとエヴァンリン、嵐のために島で天候待ちをしている時に、スカンディアのスヴェンガルとエラクに好かれるようになる。が、スカンディアの都で奴隷として過ごす間にウィルが麻薬中毒にされてしまう。そこで、エヴァンリンとエラクに助けられるんだが、この巻は後半ウィルが廃人なので活躍が読めないが、他のキャラが活躍するので嫌にならない。まあ、いろいろ大変でドキドキさせられた。何と言っても最後はハッピーエンドになる雰囲気を醸している本なので、大変安心して読める。ダークファンタジーも大好きだが、こういう基本誰も死なない、特に味方が死なないのは素晴らしい。気が滅入らないというのは重要ポイント。サイドストーリーでホールトとホラスがウィルたちを救う旅が描かれるのも非常に面白い。
-
シリーズの途中から読み出してしまったけど、特に不都合もなく楽しめた。中世ファンタジーというか、もろに中世というか、現実の歴史で言うと10-12世紀辺りをベースにしてるのかな(地名は変えてあるけど現実そのまま)、という感じの冒険物語。この時代ならばまだ普及していないコーヒーが出てきたりする辺り、没頭していると水をさされることもあるんだけど、でも人物が魅力的だし、ストーリーにも勢いがあって面白かった。続きも(というか最初から)読もうかな。
子供向けだからマーティンの「fire and ice」シリーズ(ちょっとだけ雰囲気が似てるかも)のような容赦の無い描写はないけれど、主人公たちの苦難は結構シビア。主人公(のひとり)のウィルなんか、あのままだったらあっという間に死んでしまっていたのね、と、基本厳しい世界の話なんだなあと思う。 -
読み出したら止まりません!
ウィルやエヴァンリンの境遇が辛すぎて、早く彼らが救われますように、と祈りながら読み終えました。 -
う~ん、続くかぁ。
ちょっと気になります。 -
エヴァンリンの勇敢さときたら!
ウィルかたなし。でもエラクに好かれたのは、彼に良いところがあったから。
ホールトも思いきったことするなあ。
麻薬はだめだね、一時の幸せは未来を壊します