文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 (潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267020001

感想・レビュー・書評

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  • 10月からの朝ドラの原案本。
    女性実業家広岡浅子が主人公。
    三井が実家で、幕末の大転換期に
    子供の頃からそろばんが大好きで、
    実数感覚のある浅子は、
    当時大名の膨れ上がった借金で、
    店が大ピンチの時に、
    時代を先取りし、他に先駆け九州で炭鉱を買い取り
    改革を進め、外国からの船が欲しがる石炭という
    エネルギー開発を始め、(加島炭鉱)
    次に、女性の大学を作るため大阪、東京を奔走。(日本女子大)
    自分が大病を患うと、そこで気がつき(大同生命)を作る。
    (『小異を捨て大同につく』より、名付け)
    (その他、加島銀行、尼崎紡績)
    浅子は商売を通じて感じた
    時代の先を行く考え方で突き進む。
    『九転び十起き』が口癖の
    バイタリティー豊かな女性。

    本はストーリーを把握するにはいいが
    読み物としては、、、、楽しい、というところまではいかない。
    面白さは今ひとつ。

  • この時代の女性といえば、男の後を3歩下がって歩くような
    感じだけれど、浅子に限って真逆。
    とにかくバイタリティーがあって、久々に女傑とよびたくなるような女性だと思った。
    そりゃ、朝ドラの主人公になるわなと納得。

  • 朝ドラ『あさが来た』の原案本となり、広岡浅子の人物像を広く知らしめる原動力となった一冊だ。

    朝子は日本の女性実業家の草分けであり、経営的観点からも学ぶべき点が多い。

  • ドラマを見ていなかったので新鮮な気持ちで読みました。強い信念で人を動かしていく人だったと感じました。格言のようなものも色々あったのですが、初めの方の「人の悪口を言っても一文の得にもならず、言った人の品格が下がるだけ」という言葉が残りました。わかっていてもなかなかできることではないと思います。

  • 文章はボリュームのあるところと淡々と出来事を書くところの調整がうまいなぁと。
    広岡浅子さん。強くて素晴らしいだったんですね。

  • 前々回のNHK朝ドラ「朝が来た」の原作

    ドラマもちょいと見たりしていたので内容はわかっていたが

    明治維新前から商才を発揮して、危急存亡、転んでもただ起きない人生
    女性の活躍もママならぬ時代に大正8年まで果敢に生きた、 こんな勇ましい頭のいい女性が存在していたとはすばらしい

    また
    この作者の簡潔な書きっぷりが、なお好感度であった
    初版は1988年だそうだから、朝ドラに取り上げられたのはよかった、失礼ながらうずもれていた作品であったのであろう、 とにかく歯切れがいいのに感心した

    思うにこういう前向きなガンガン進んでいくような小説が今のわたしには好もしい

    ひと昔前は結構悟ったような小説を好んでいた気がする
    たとえば、 ジェームス・ヒルトン『チップス先生さようなら』とか田辺聖子『姥ざかり』 主人公はお年寄りで、妙に達観したような作品にね

    自分がそのような年齢になってみると
    そのようなのを読んでのんびりと過ごせないような気分になっているのである、勝手なものだ

  • あさが来たのヒロイン広岡浅子さんの半生を描いている本です。あの時代に女性が強く生きるという事は難しかったはずですが、どんな困難があっても突き進むあさの姿はかっこいいです。「九転十起」をモットーに普通より二回多く転び二回多く立ち上がる。最後まで読むとあさの人生そのものだなと感じました。恵まれている今の時代に甘えて中途半端な自分が恥ずかしくなるくらい、あさは時代を変えていきます。そんなあさの周りには助けてくれるたくさんの方達が集まってきてそれこそが財産だと感じました。時代を変えた人の本をもっと読みたいです。

  • すごく面白かった。こんなすごい人がいたんや。広岡あさこだけでなく、他にももっと。渋沢栄一とか、成瀬仁蔵とか。一番最初に何かを始めるのって、なかなか認められんったり、批判されたり、いろいろあるけど、それでも自分の損得より日本の国の発展のために頑張ってくれてた人のおかげで、今こんなに素晴らしい国が出来てるんやと思う。昔の人が頑張ったおかげで今私らが大学にいけて、男女関係なく生きることが出来てる。それを忘れたらダメやなぁ。当たり前みたいになってるから。昔の人たちがいくら望んでもできなかったことを、私たちは生まれた時から当たり前のように出来てる。どんどん悩みが贅沢になってくね〜私たちは今の状況に胡座かいてちゃダメだなと思った。

  • 古川智映子 さんの初読み。

     朝ドラが放映されていた頃、どこの書店へ行っても大量に平積みされていた作品。そもそも朝ドラに興味が無い人間なので、当然この本も、完全スルー。
     先日、たまたま、古書店にて程度の良い本が安価で売られていたので試しに読んでみようかと・・・。

     いやあ、圧巻。
     広岡浅子さん、すごいわ。江戸から大正にかけての、完全男尊女卑な世の中で、あんな生き方ができるだなんて!!!
     戦後しばらく経ってから生まれた自分の父母たちの時代ですら、やっぱり男尊女卑の考え方は抜け切れてなかったのを思えば、さらに驚き。

     朝ドラが観たくなった。

    ★4つ、8ポイント半。
    2016.08.31.古。


    ※夫の広岡信五郎・・・日和見で世間知らずな、金持ちのボンボンかと思いきや・・・いいやまあ、金持ちのボンボンには違いないけれど・・・なかなかどうして、素敵な夫だった(笑)。きっと、浅子が思う存分に力を発揮して偉大な仕事を成し遂げられたのは、「女だてらに」と反発することなく彼女の力を認め、信じ、それでいて愛し続けた彼の存在があってこそだったのだろう。

    ※自分を慕っていて、自分も心から頼りにしている小藤を、自らの意志で夫の側室に・・・という心理は、最後まで理解できなかったけれど。

  • ドラマを見ていたので読んでいても勝手に脳内で映像化されていきました。

    私は当たり前に学べる時代に生まれたけど、あまり学ぼうとしていなかったな…。

    彼女のように学ぶということに貪欲になっていたら現在とは異なる人生になっていたと思います。

    いや、今からでも遅くないから貪欲に学び続けよう。

    商売人として成功したことも素晴らしいですが、それ以上に学ぶことを大切にしていた彼女の姿勢が素晴らしいと思いました。

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著者プロフィール

東京女子短期大学大学部卒。著書に「赤き心を」「風花の城」「一輪咲いても花は花」「性転換」「炎の河」など。日本文芸家協会会員。ヴィクトル・ユゴー文化賞受賞。潮出版社文化賞受賞。著書「小説土佐堀川」がNHK朝ドラ「あさが来た」の原案となる。

「2017年 『きっと幸せの朝がくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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