- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784267020490
作品紹介・あらすじ
神戸に住む女子短大生の生田有子は、幼い頃に母が失踪し、今は警備員をしている父・有正と二人暮らし。ところがその父が、ある日仕事帰りに刺殺される。「人に恨まれることなんてないお父ちゃんがなんでこんな目に…」。しかし、次第に浮かび上がる父の秘密に直面した有子は、自らの手で真相に迫ろうとする。江戸川乱歩賞作家が満を持して贈る渾身の長編ミステリー、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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9歳で母が家を出て行ってから、父子家庭ながら仲良く暮らしてきた有子。
そんな最愛の父がある日突然殺され、犯人は自殺。
父の上司の元刑事の中原と共に、事件を追う。
家族の突然の死を経験した者としては、お腹もすかず葬儀の記憶も曖昧で、家の中の何を見ても涙が出てくる気持ちがよくわかる。
何度も出てくる、料理の描写が美味しそうで、あたたかく「食」というのはやはり大切なんだなと感じた。
ただ最後まで母親には共感できなかった。
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父子家庭で、父と娘、支えあって生きてきたのに、突如父は刺されて死んでしまう。
家族や友人との繋がりと、青天の霹靂のようにふりかかる不幸、そして不幸の連鎖。
身近に起こり得るかもしれない事件とそこからの再起。「食」の大切さをところどころで訴えている。 -
父と二人暮らしで、短大で栄養学を学ぶ生田有子。ある日、父親が「知らない男に刺され」て殺された。
父の勤め先だった警備会社の元刑事中原の助けを借りながら、有子は父親がなぜ殺されなければならなかったかを調べていく。
父と有子を捨てて、他の男と失踪した母親との再会、父親の警備中に工事現場で起きた事故の被害者との出会い…
ミステリーとしての謎解きや犯人探しの要因は期待しない方が良いです。
人の優しさ、強さとは何かを考えさせられる作品。 -
楽しめた。ヒロインに感情移入出来たし。
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父親を殺された事件の真相をまわりの助けを受けながら追及していく娘の成長を描いています。
見えない鎖 は家族を失い一人きりになってしまった主人公ではあるけれど決してひとりではないよと教えてくれます。転落事故で寝たきりになってしまった加害者の娘のために食事形態を研究する道を選ぶ主人公の選択はよかったと思います。
人間が最後まで食べようとする力を奮い起たせるものはやはり味覚であり工夫ひとつで命をささえる力に繋がっていくことを教えてもらいました。
ミステリーとしてのハラハラ感に欠けているようで速く読み終わらせたい気持ちが先に立ちました。 -
日々、当たり前だと思ってることが本当は当たり前じゃないことの積み重ねなんだな。私たちが知る事件は本当に側面だけで、大なり小なり、罰せられない罪人はたくさんいて、私も意識せずその一人になってることがあるのかもと思うと、怖くなりました。ドラマ化しやすい作品じゃないかと思いました。
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うーん。
あらすじから期待されるような展開ではないというか。
裏側がもっとひどい話かと思っていた。
あと。
登場人物の設定は分かるんだけれども、すべてが説明口調というか、設定の紹介のみであり、物語が進むに従い生じる変化が、「えっ。どうしてこうなった」と置いて行かれる感があった。
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本当に強い人というのは、勝ち続けている人をいうんじゃない。
負けても負けても、負け続けたとしても自分を見失わない人が、人生に勝利している。