新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝

著者 :
  • 武田ランダムハウスジャパン
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本棚登録 : 94
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784270006511

作品紹介・あらすじ

駄菓子屋で買い食いして、銭湯にみんなで集まって、クラスの女子に興奮して、大都会の高層ビルでドロケーして、インベーダーでハイスコア競い合って、ケンカして、仲直りして…。デブもチビもバカもみんな一緒になって、遊んで、笑って、涙した、小学5年生だった、あの頃の物語。少年時代を綴った自伝的小説。

感想・レビュー・書評

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  • 玉袋 筋太郎こと赤江祐一少年が西新宿で近所の悪ガキどもと過ごした小学校5年生の1年間を描いた少年グラフティ。ワタシよりも7つも下だから赤江少年が5年生ならば私は高校に行っていた筈なのだが、西新宿にこんな風景が残っていたとは。これも重松清さんお得意のシチュエーションと言えば中々そのとおりなのだが、プロローグの飲んだくれた現代の玉袋筋太郎の叫びが物語全体を覆っている。自分の遊んだ風景が、友人たちの住んでいた家が、自分に何の断りもなく消えていることに対する怒り。冷静に考えれば、怒る立場ではないのだけれど、それでも湧いてくる怒り。「俺のあの景色は何処へ行ったんだ」これは、年齢を重ねれば誰でも何度か味わう思いなのではないだろうか。かっちゃんがインベーダーを撃退してくれていたら、風景は変わっていたかも知れないのに。

  • 5章に出てくる校長先生、いいな、立派だな。

  • 昭和30年 新宿うまれなのでとても懐かしい風景でした

  • 水木先生の少年時代から50年位たった東京、新宿が舞台
    主人公は赤江祐一=玉袋筋太郎とカッチャン、マルチン、タカシ、ヤスの5人組
    オイラには懐かしい景色、想像できる景色
    小説としてはそれほど面白くない
    面白おかしく喋る玉ちゃんらしい文章だけど、事件のドキドキがちょっと弱い
    もっと分かりやすいウソだけど、物語をつくちゃっても良かったんじゃなかろうか
    あとがきで「あの部分はウソ」って書いても良いんだし
    ただただ、あの頃の少年たちで終わってるのが残念

  • 新宿にはまったく縁がない。
    なにしろ前に行ったのは2年ほど前だ。まともに目的の場所へ悩まずに行ったことがない。大都会だ。
    しかもこの話はさらに縁がない西新宿の話ときている。人の生活の息吹なんてこれっぽっちもないと思ってた。
    が、この話約30年前とはいえ、都会の谷間に普通の少年たちが、普通に暮らし、都会のアイテムを手玉にとって暮らしていることに驚きを覚えた。同時に銭湯、豆腐屋、駄菓子屋、空き地・・・当たり前のように懐かしいアイテムも出てくる。
    そして一つ一つのエピソードが痛快だったり、大人に抗えない哀愁もあり、大人になりつつあるもやもやも抱えているいい少年小説だ。
    少年が出てくる小説は時として面白いがちょっとせつないところがよい。

    舞台となった新宿の30年前の航空写真と、googleマップで現在の同じ場所を比べてみた。現在は見事にビルだらけ。作中に登場した建物はほとんどなくなっていた。この作品のシンボル的な存在となっている柏木公園を地軸にして回りの景色が一転している気さえして愕然とした。
    作中からあふれるせつなさはこういうことも要因のひとつだろうと思った。

  • 著者より年下ですが、多摩地区ですごした 日々がページを進めるごとに思い出しました。
    良い事か悪い事よりも、楽しい事か楽しくない事が価値基準だった日を思い出しました。

  • 新宿が大好きな、西新宿在住の身として読ませて頂きました。
    新宿だからという部分も多くあると思う一方、田舎でも同じような体験をしていたことを思い起こし、ぐっと感傷的な気持ちになる作品だと思います。

    「侵略」という言葉を最後に使われておりましたが、私は良い意味で変化だと思っておりまして、そんな新宿の変化を毎日楽しんでいきたいともっております。

  • 子供に日記を書かせて、親が大人の知恵を入れたらこういう風になるのかな。期待して読んだだけにちょっと物足りない。

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著者プロフィール

1967(昭和42)年、東京生れ新宿育ち。高校卒業後、ビートたけしに弟子入りし、1987年に水道橋博士とお笑いコンビ「浅草キッド」を結成。芸能活動のかたわら、多数の本を手がけ、小説デビュー。社団法人「全日本スナック連盟」を立ち上げ、自ら会長を務める。主な著作に『スナックの歩き方』 (イースト新書Q)、『痛快無比!プロレス取調室 ~ゴールデンタイム・スーパースター編~』(毎日新聞出版)、『新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝』(新潮文庫)などがある。

「2018年 『粋な男たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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