ディミティおばさまと聖夜の奇跡 優しい幽霊4 (RHブックス・プラス)
- 武田ランダムハウスジャパン (2010年9月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270103647
作品紹介・あらすじ
双子の息子と過ごす、初めてのクリスマス。待望の雪も積もり、これで「完璧なクリスマス」が迎えられる!そう思った矢先、ロリは家の前で倒れている男性を発見。服はぼろぼろ、身元もわからず、意識不明のまま病院へ運ばれた。調べてみると、これまで男が各地で聖人のような奇跡を起こしてきたことだけがわかった。いったい何者なのか?そして命を削ってまでロリの家にやってきた目的とは?ロリのクリスマスは思いがけない方向へ転がっていくことに。
感想・レビュー・書評
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「優しい幽霊」シリーズ4作目。
謎解き要素はありますが~殺人事件などは出てこない、ファンタジックで心温まる物語です。
イギリスに移り住んだヒロインのロリと夫。
受け継いだ屋敷には、ロリの母の親友だったディミティおばさまの幽霊が‥
姿は見えませんが、青いノートを通じて、アドバイスをしてくれるのです。
双子の赤ちゃんと一緒に迎える初めてのクリスマス。
父を早くなくしたロリは、クリスマスに思い入れがありました。
完璧なクリスマスを迎えたいと夢中で、夫のビルと喧嘩になるほど。
しかも、夫は急な仕事でアメリカへ。
ロリの家の前にホームレスのような男が倒れているのを発見。
身なりはぼろでも、整った顔立ちでまるで聖者のような雰囲気。
なぜ、村はずれの家までやって来て倒れていたのか‥?
人々を助けるような行いをしてきたことも、だんだんと明らかに。
最初は不審の目で見たロリも、しだいに惹きつけられ、身元を調べるのに奔走することになります。
大勢を招待してあるのに、クリスマスの準備は進まない。
最高にハッピーなクリスマスを迎えるはずだったのに、なぜかどんどん違う方向へ進んでいくロリ。
ホームレスの宿泊施設を運営する司祭ジュリアンとも知り合い、その人柄に惹かれたり。
自分だけの幸福に集中していたロリが、身近にある苦労を知り、出来ることを見つけていく。
クリスマスにふさわしいお話です。
読んだのは思いっきり季節はずれの夏でした!けど(苦笑)
92年から順調に書き継がれているこのシリーズ。
良心的な作風で、90年代という以上に古風に感じられますが、そこがまた魅力です。
どこにでもありそうな行き違いやご近所の問題をにぎやかにまじえつつ、愛し合っている家族が中心にあり、大事なぬいぐるみのレジナルドや仲間達もさりげなく活躍。
今回は、馬のぬいぐるみのランカスターも登場、心なごませてくれます☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今作は最初からロリのイメージが悪く、過去三作と違い親近感の持てない言動に、後半までは残念でした。贅沢三昧に身を投じ、浮浪者を嫌がり、かと思ったらハンサムだったキットやジュリアン司祭に揺れまくったり。ビルと大ウィリスを全然大事にしていなくて、正直がっかりしていました。これらが「完璧なクリスマス」の為、気持ちを正す為の伏線として描かれていたので納得はできましたが、今までに比べユーモアが少なくて、ほんわかしたのはレジナルドが冒頭でキットの来訪や祈祷書の重要なページを指し示したシーンくらいで、やや物足りないです。2作目のジェラルドまでは許せたけど、既婚者という立場上、そんな無理やりにロリにロマンスを含めなくてもいいのになと思いました。「ジンジャーブレッドマンを荼毘に付す」「牧師さまの説教でリリアンも尻をまくった」など、知っていたら楽しめた語彙が増えました。けどロリが言った「結婚しているかもしれない。だけどまだ、死んではいない」という古い言葉は深みが分からなかったです。巻末のレシピは父親のエンジェル・クッキー。<内容>双子の息子と過ごす、初めてのクリスマス。待望の雪も積もり、これで「完璧なクリスマス」が迎えられる!そう思った矢先、ロリは家の前で倒れている男性を発見。肌はぼろぼろ、身元もわからず、意識不明のまま病院へ運ばれた。調べてみると、これまで男が各地で聖人のような奇跡を起こしてきたことだけがわかった。いったい何者なのか?そして命を削ってまでロリの家にやってきた目的とは?ロリのクリスマスは思いがけない方向へ転がっていくことに。シリーズ第4弾。