ゆるゆるスロ-なべてるの家: ぬけます、おります、なまけます (ゆっくりノートブック 4)
- 大月書店 (2009年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
- / ISBN・EAN: 9784272320349
感想・レビュー・書評
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当事者研究をじぶんもやりたくなる。
足りない人を中心に据えると豊かに人が集まる。
など新鮮な考えがたくさん。
集団に違和感を覚えて生きてきたという向谷地さんの感覚に共感できる。 -
精神障がいを抱えた人たちとの関わりを続ける「べてるの家」の方のインタビュー。読み終わって、「見方や思考を少し変えてみる勉強会」を受けていたのかなと思った。浦河も行ってみたいな。
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人を急かしている人は、なによりも自分自身を急かしているのではないか。
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ところどころ、ん?なとこもあったけど、よかったー。
お出掛けバイトをしていて、どうして大変なこともけっこうあるのに続いてるんだろうと不思議に思うこともあり。いろいろ感じることもあり。そこらへんのうまくことばにできないことをこの本はちゃーんと対談で示してくれているのですよ!
弱さを軸に集まり合う、悪い意味じゃなく。
だからこそもっとしょうがいのひととそうじゃないひとがオープンにつながってく場ができればいいのになー。ヤマザキとかはその点ではけっこういいんでないの?場が和んでるよね。 -
スローライフとべてるの家がここでつながった。
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辻信一さんはいう「"スロー"とは、"ゆっくり"ではなく"つながり"である」
向谷地生良さんは、「"つながる"とは、手間がかかる、遠回りをしいられる暮らし方だからこそ、身近な日常へと、腑に落ちたと、いう。
べてるの家では、新しい事業を始める時に、その場でもっとも頼りない人を中心に据えることにこだわってきたそうだ。
場の中心に、弱さを抱いた人が居ると、その人を介して人は自然とつながり、支え合うようになるという。
もっとも弱い人が、その場にもっとも必要な人になるのだと。
二重三重に病気をまとわないと、人とつながる手段を見出せない人達が、
一ところに集い、
擦れ合いながら、生きあい、たくさんの言葉を使って今までとは違うつながり方を模索する。
失敗が失敗のままその場に収穫をもたらし、弱みが弱みのままで強みとなる可能性を帯びた場、それがスローなのだと。
べてるの家に集った人達は、
金平糖の様だと思った。
熱い窯の中へ放り込まれ、
ぐらぐら煮立った砂糖を浴びせられながら、引っ掻き回され、
とげとげになっていく。
一色に染められて、冷えて固まれば、
今度は、ちっちゃな袋にいろんな色の金平糖と共に詰め込まれる。
とげとげなのに、実はそのとげの先端はまん丸い。
口に頬張ってみると、体温で甘い香りをさせながら、丸くなって、最後は消えてしまう。
金平糖と、真正面から向き合って生きていこう、なんて、
人間じゃなきゃ、思いつかないな、と、思った。
人間て、面白い。 -
弱みでつながる、スローとはつながる生き方、というのに感銘を受けた。
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社会的立場で一般に言われる「弱者」。でもその「弱さ」を正面から押し出し、「病気で良かった」と言わしめるその考え方、僕にはすごい衝撃でした!今後の福祉を考えていくとき、とても参考になる一冊だと思います。
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ユニークな精神障がい者コミュニティべてるの家に設立以来関わるソーシャルワーカーの向谷地生良氏と辻信一の対談。べてるの活動や理念にスロー・ムーブメントの原点をみながら、ファストからスローへと転換する新しい時代の価値観がじっくり語られている。
「―ぼくたちなりに提唱してきたスローライフということの
意味が、べてると出会うことで、「腑に落ちた」のだと
ぼくは感じる。」
(本書 「はじめに」より 辻信一) -
思っていた以上にとても深みのある本でした(失礼!けれど「ゆるゆるスロー」という言葉「ゆっくりノートブック」という言葉に「脱力系でしょー?」と先入観を持ってしまった方は、いい意味で裏切られると思います)。
「スローとは(ゆっくり)ではなく(つながり)である」。
スローな生き方を実践している人だからこそいえる言葉だと思います。
なんちゃってスローに踊らされていないかと、ドキリとさせられる方も多いのではないでしょうか。
参考:「降りてゆく生き方」是非みてみたいです。
http://www.nippon-p.org/concept.html
追記:統合失調症というテーマに取り組んでいる級友、Y君に会いたくなりました。