- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784274067938
感想・レビュー・書評
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# 書評☆3: 情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方 | ソフトウェア開発者のための市場・製品・キャリア選択
## 概要
- 書名: 情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方
- 副題:
- 著者: Fowler, Chad
- 出版: 2010-02-25
- 読了: 2020-04-07 Tue
- 評価: ☆3
- URL: book.senooken.jp/post/2020/04/19/
## 評価
「偉大な開発者も昔は普通の人と同じように,悶々とした日々を送っていた」というこの本の触れ込みをどこかで見かけ,前から興味を持っていて読んだ。
元々アルトサックス奏者のミュージシャンだった異例の経歴の著者による,ソフトウェア開発者の生き方について書かれている本だ。
著者の大企業での勤務経験も踏まえ,ソフトウェア開発者としてのキャリアを成功するためのコツを解説している。
マーケティングの側面を重点的に取り扱っていた。キャリア選択としての,市場の選択,製品の選択,自己研鑽など。いわれてみれば当然のようなことが書かれていた。
言うのは簡単だが,やるのは難しい内容が多かった。
前評判で普通の人だったという話に興味を持ったのだが,残念ながら著者は普通の人ではなかった。そうでなければMicrosoftに買収されるような企業にはいないし,多くの重要なポジションに就くことすらできていないだろう。
そういう意味で,数多くの自己啓発本と同じようにそこまで自分には響かなかった。
## 引用
> ### p. 12: 4 一番の下手くそでいよう
> 1. 自分自身にとって「一番下手くそになる」状況を見つけよう。
> ___
> 積極的に活動している開発者コミュニティが近くになければ、インターネットを利用しよう。君から見て高く評価できて、自分の目指している「次の段階」の開発者たちがいるオープンソースプロジェクトを選ぶ。そのプロジェクトのTO-DOリストやメーリングリストのアーカイブを調べ、何らかの機能やメジャーなバグフィックスを選び出し、コーディングに励もう。
> ___
> そうしているうちに、やがてプロジェクトチームの信頼されるメンバーになっていることに気付くだろう。
「一番の下手くそになる」(Be the Worst) という有名な格言の出典に辿り着いた。
自分より優秀な人間に囲まれていると,勝手に自分のレベルも上がるという話だった。
言葉だけどこかで知っていたのだが,自分の身の回りでは難しいと感じていた。今すぐ始めよう!の節で,具体的な手順が書かれており,身近にそういうグループがなければ,自分からそういう開発者コミュニティに入っていって無理やり一番下手くそな状況を作ればいいという話だった。
自ら一番下手くその環境に見を投じるというのはなかなかストレスがかかるのだが,なるほどと思った。
> ### p. 43: 12 ビジネスの仕組みを学ぶ
> 1 ビジネスの基本に関する本を1冊手に入れ、最後まで読み遠そう。良い概説本を見つけるコツは、MBA (経営学修士) 死亡者向けの本を探すことだ。実用的で適度に短い参考書として、『The Ten-Day MBA』 [Sil99] を紹介しておく (*1] [邦訳] 渡会圭子・曽根原美保 訳『10日で学ぶMBA』ソフトバンククリエイティブ)。この本はタイトル通り10日で読める。それほど大きな投資じゃないだろう。
社会人としてビジネスの基本については知ったほうがいいだろうとは思っていたが,なかなかきっかけがなく後回しにしていた。今回,ここで良さそうな本を紹介していたので,この本を読んで勉強してみたい。
## 結論
ソフトウェア開発者のキャリア成功のコツが書かれていた。よくある自己啓発本的な側面も多く,自分が思っていたより,普通の人ではなかったので,残念ながらいまいち自分には響かなかった。
ただ,引用した2の箇所,特に「10日で学ぶMBA」を知れたのは大きかった。
160ページ程度と文量はそこまで多くはない。いろんなところで引用される本なので,教養として読む感じだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「一番の下手くそでいよう」
「8時間燃焼」
など、定期的に読み返して思い出したいアドバイスが詰まっている。 -
ただお金を稼ぐための仕事としてではなく、情熱をもって人生をかけるものとしてプログラミングをしていく為のノウハウが詰まった本。
筆者は、いかに情熱があったとしても適切なアクションを取らないと、情熱的に働き続けることは出来ないと解く。
筆者のエピソードを交えた、実践的で説得力のあるノウハウが詰まった本。
気取らずに読めるので、週末などに軽く読むのにおすすめです。 -
タイトルとだいぶイメージが違ったけど面白かった。(ギーク向けの本かと思ったけど、キャリアプランや、ビジネスについて書かれている)そして耳が痛かった。
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プログラマとしてもっと頑張っていこうという情熱を再燃させてくれる良書。
プログラマの仕事についたばかりの若い人はもちろん読むべきだと思うのだけど、直接プログラムを書かない人でも、この本の考え方や、仕事に対する姿勢というのは必ず役に立つと思う。 -
良著。古い本だが今でも通用する。
プログラマーについてがメインだが、プロフェッショナルを指向する多くの職種で通ずるものがある。 -
仕事人生の成功哲学を、プログラマ言語で語る
■感想
中身としては自己啓発本なのだが、エピソードや語り口がプログラマ向けになっているところがミソ。プログラマならば、ビジネス系作家や著名経営者による啓発本よりも、こちらの本の方がスッと頭と心に入るかと思う。
書いてあることを全て一度に実践することは難しいから、この本は、手元にお守りとしておいておくのがいいと思う。プログラマとして行き詰まりをかじたときに読み返し、現状を切り開くヒントをもらえるような、そんな一冊となっている。
■読んでいて気になったこと、フレーズ
・ウォーターフォール式のキャリア計画はやめよう
・万能選手はめったにいない。…そこに価値があるんだ
・本当に情熱を持てる仕事を探せ→自分にとっての面白いことを追求していく勇気を持つ! -
既読&所有のChad Fowler『My Job Went to India』の改訂版と気づかず読み始める。プログラミングのことだけ考えて仕事をしている場合じゃない。ビジネスのことや、自分がどういう点でどれだけ会社に貢献しているか、さらにそれを伸ばすにはどうしたらよいか、などを考えながら開発を行っていくというスタンスは重要。つまり、ビジネス書でよく見かける、一段上のポジションで物事を見る、あるいは、少し高い位置から全体を俯瞰するという感じかな。音楽家とソフトウェア開発者が似ているという指摘は納得がいく。自分も他のオケにエキストラで参加するときに、自分より上手い人が多いオケだと、学びが多いというのは感じていたことだ。
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これは良い本。プログラマのための自己啓発本。借りて読んだが買っておいておきたい一冊。