バッハの四兄弟:フリーデマン、エマヌエル、フリードリヒ、クリスティアン―歴史と現代に響く音楽 (オルフェ・ライブラリー)

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  • 音楽之友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784276371101

作品紹介・あらすじ

18世紀のヨーロッパでは「バッハ」と言えば次男エマヌエルであり、次いで末息子クリスティアンであった。ヨハン・ゼバスティアンは「息子たちの父」と呼ばれていたのだ! それが逆転し、彼らが「バッハの息子たち」と呼ばれるようになったのは19世紀に入ってからのこと。本書では、兄弟とはいえ生きた時代や場所の異なる4人の、それぞれの人生、作品の特徴や、音楽史的に興味深いトピックスを描く。作品の真偽性、改訂にまつわるエピソードなど、偉大な家系ならではの複雑な様相と、それらを整理する音楽学者の視点が垣間見える点もおもしろい。冷戦を経て、旧ソ連に保管されていたバッハ関連の資料がドイツに返還されたのが1999年、以後バッハ研究は一気にヨハン・ゼバスティアンから息子およびその周辺に広がった。そして今なお、新たな資料が発見され続けている。本書はさらに、2014年のエマヌエル生誕300周年に発表された最新研究をも踏まえている。
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感想・レビュー・書評

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  • 「バッハ4兄弟」の紹介。大バッハに音楽家の息子たちが多くいたことは知られているが、「息子たち」ではなく、4兄弟ともに父とは別の独立した立派な音楽家たちだった、ということを著者は訴えている。バッハの偉大さの前に、親の七光りのように見られてしまいがちな兄弟たちがそれぞれ一流音楽家としてヨーロッパ各地で活躍していたのだ。古典派の交響曲、室内楽、宗教曲、オルガン・クラヴィア曲などの作曲家としてモーツアルトにも影響を与えている。父と4兄弟の全集で一度聴き比べてみたいと思った。次男のエマヌエルは特に偉大で、C.P.Eバッハとして知られている人物であったのだ!4兄弟と父の関係に興味津々。それぞれが交流しつつ、また楽譜を遺産相続などで所持していたのだ。早世した兄弟を除き、10名の残り兄弟たちはどうなったのだろうか?

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著者プロフィール

音楽学博士(東京藝術大学大学院)。東京学藝大学教授、国立音楽大学教授・副学長を経て、現在、東京経済大学客員教授。著書に『音楽分析の歴史:ムシカ・ポエティカからシェンカー分析へ』(春秋社)などがある。

「2024年 『20世紀音楽を分析する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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