検証 陰謀論はどこまで真実か パーセントで判定

  • 文芸社
3.23
  • (0)
  • (9)
  • (9)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 85
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784286103044

作品紹介・あらすじ

政治や国際社会、仕事や日常生活等の場で様々に囁かれる陰謀の噂-。そこで、と学会会長や大学教員、超常現象謎解きサイトの管理人、『陰謀論の罠』著者などが集まり、個別の事例を検証することで、私たちがどう陰謀論に立ち向かったらいいかを探る。34事例を取り上げたまさに陰謀論大全。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 陰謀論を真に受けて、国会議員が国会で質問をするような時代だから、本書のような本はもっと広く読まれるべきだと思う。

  • 疑似科学懐疑派による陰謀論ぶった切り本。良書。

    「人工地震」や「ダイアナ妃暗殺」、「実は月行って無い」などの陰謀論を様々な角度から検証し、そのしょうもなさを明確にしてくれます。懐疑派の本を読むのは初めてではないので目新しいネタは少なかったのですが、丁寧な作りで好感が持てます。また、一部を除いて一項について長々と書かれているわけでもないので読みやすい点も良いと思います。日本ではなかなか評価されない懐疑派ですが、こういった丁寧な仕事の積み重ねで評価が進んでくれると良いのですが。


    ただ様々な陰謀論を取り扱うのは構わないのですが、「古史古伝の迫害」とか「田中上奏文」あたりは一般性が低すぎる気も・・・。若干の自慰臭が残る為5点では無く4点。

  • 全項目、怪しい!ホントかな?でも、本当だったら怖いかも的な気分で読めばいいかな。

  •  世の中は巨大な陰謀組織に操られていて,真相は隠されている。大多数の人はそのことに気付いていない。たいした根拠もないのにそのような主張をする人たちがいっぱいいる。
     彼らの説は陰謀論と呼ばれる。彼ら陰謀論者の議論がどの程度のものなのか,34の事例について検証していく,という本。彼らが主張する陰謀の根拠とは,知識の欠如からくる「どう考えても不自然だ」という思い込みとか,「…が事実をありのまま公開するはずはない」という偏見でしかない。
     事例は,温暖化陰謀論,ケムトレイル,SARS,孝明天皇暗殺,満洲事変,下山事件,ロッキード事件,日航ジャンボ機墜落,人工地震・津波,ガス室否定論,911陰謀論,ダイアナ妃事故,アポロ月非到達説,チャレンジャー事故,フリーメイソンとイルミナティ,UFO陰謀論などなど。
     フリーメイソンやイルミナティは,ダン・ブラウンの小説で日本でも有名になった陰謀組織。真に受けてはいけない。『天使と悪魔』も『ダヴィンチ・コード』も読んだが,あくまでもフィクション。「登場する団体は実在する」云々とおどろおどろしい注釈がついてたと記憶するが,そんな巨大陰謀をこととする組織なんかではないだろう。『天使と悪魔』では,CERNから盗み出された反物質が最悪の殺戮兵器として描かれていたが,なんで反物質をあんな大量に閉じ込めておけるのか?やっぱり小説だよねーと思った覚えがある。
     満洲事変の発端となった鉄道爆破事件は関東軍の謀略だったということが明らかにされているが,実はソ連の策略だったのだ,というのが満洲事変陰謀論。『ワイルド・スワン』でブレイクした長戎の『マオ』が邦訳されて日本で一時流行った説らしい。
    『ワイルド・スワン』はなかなか良い本だったが,『マオ』は事実誤認がはなはだしい本として酷評されている。このへんは過去ブログにも書いた→http://bit.ly/lFQy3U
     あと,陰謀の主役とされるのはアメリカとかユダヤ人とかが多い。下山事件はGHQの陰謀らしいし,SARSとかロッキード事件もアメリカの陰謀,JAL123便もチャレンジャーもアメリカが落としたし,アポロの月の映像も捏造だ。アメリカは地震兵器まで持っている。いやはや。
     HAARPによる人工地震というのは結構定番の陰謀論らしく,この本が出たのは1月だが,当然今回の311でも,陰謀論者たちが巨大地震は米軍の仕業だとか,純粋水爆が使われたのだ,とか陰謀論者が勢いづいている。→例:リチャード・コシミズ氏http://bit.ly/hFVwdl
     そういうのを結構信じちゃう人がいるのがすごい。信じ込んでしまうと,陰謀を否定する証拠がないのは陰謀がひそかに行なわれている証拠と考えるし,陰謀を否定する証拠が出てきてもそれは目に入らなかったり捏造だとか思い込むので,正気を取り戻すのは難しい。
     そもそもそんなに巨大な陰謀が行なわれるにはどんだけ沢山の人が関わって,口裏を合わせなければならないか。露見するリスクを負ってまで敢行するメリットは何か。冷静に考えれば陰謀論の方がよほど「不自然」と思う。
     もちろん世の中に陰謀がまったく存在しない,という話ではない。ただ,いわゆる陰謀論がテーマにする陰謀は規模が大きすぎて発覚のリスクが高いわりに,動機となるほどのメリットが感じられないことがほとんどだ。
     陰謀論はネットの普及によってとても身近になった。情報を選り好み出来るので,陰謀論批判は無視すればよく,簡単にはまれる。本書も,各事例について(伝説)として陰謀論を掲げ,(真相)としてそれが成り立たない根拠を述べるが,(伝説)だけ読めばそこは陰謀論ワールド。危険かも…。

  • 氾濫する陰謀論から、よく聞く34種について、文献などを紐解き丁寧に反証を重ね、「この陰謀論の真実度は○%」というまとめをしている。

    面白いのは、十分な反証ができないものの中にはけっこうな高いパーセンテージで「ひょっとしたら言われてる通りかも」なんてのが含まれること。

    まぁ、著者自体は項目ごとに異なり、実際のところは、反証自体も「反証を書いている参考文献をまとめた」形になっているだけで、本当に「真実度0%」と言い切っていいのかな?なんてものもあるのもまた事実。

    しかし、本書のポイントは、陰謀論のように意外とすっと心の隙間に入ってくる「わかりやすい構図」に対して、「こういうことには当たり前に疑問を持って反証していけばいいのだよ」といういくつかのその「当たり前の手段」が載っているということだ。

    全ての陰謀論を各論的に論破することを目的として読むよりも、ゆるーく「My視点」を変える手法を溜め込みながら読む感覚で手に取るとよいだろう。

  • 楽しい本。真実度の高い事例もあればもっと楽しかったろうけど、そういう意図じゃないようだ。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

2007年に発足した超常現象などを懐疑的に調査していく団体。団体名は「Association for Skeptical Investigation of Supernatural」(超常現象の懐疑的調査のための会)の略。超常現象の話題が好きで、事実や真相に強い興味があり、手間をかけた調査を行える少数の人材によって構成されている。主な著書に『謎解き 超常現象Ⅰ~Ⅳ』『UFO事件クロニクル』『UMA事件クロニクル』『超能力事件クロニクル』(彩図社)、『昭和・平成オカルト研究読本』(サイゾー)、『増補版 陰謀論はどこまで真実か』(文芸社)などがある。
公式サイトはhttps://www.asios.org

「2022年 『謎解き「都市伝説」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ASIOSの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
デールカーネギ...
古賀 茂明
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×