【文庫】 死の臓器 (文芸社文庫 あ 3-1)

著者 :
  • 文芸社
3.54
  • (5)
  • (22)
  • (15)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 204
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784286131276

作品紹介・あらすじ

熊本県A市の日野誠一郎は聖徳会日野病院の医師で、泌尿器科の部長をしている。ある日、日野医師は、A警察より、任意の取り調べを受ける。容疑は、「臓器売買」の疑いだった。日頃、日野医師は、人工透析患者を担当し、日本における「臓器移植」の困難に直面していた。手をこまねいて、死を待つばかりの患者に、日野医師は、レストア・キッドニ(修復腎)、がん患者から摘出した腎臓の移植手術を何度か行っていた。テレビ制作会社のディレクターの沼崎恭太は、事件の裏に陰謀の匂いを感じ、アジアでの「臓器売買」の実態を調べるため、上海に飛んだ-。「臓器移植」をめぐる医療サスペンスの傑作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 臓器移植をめぐる医療サスペンス。
    臓器移植の裏側を理解できます。

    青木ヶ原樹海で発見された若い女性の遺体。腎臓が摘出された手術痕。彼女の正体は..

    一方、地方で臓器移植を行っていた医師の日野は臓器売買の疑いで任意の取り調べを受けます。

    さらに日野はレストア・キッドニ(修復腎)で臓器移植を行っていたことで、学会やマスコミからもたたかれる日野。

    人工透析の実態、臓器売買の実態。臓器移植の利権。
    そして、その裏にある政治家、医者。

    そして、青木ヶ原で発見された女性の正体、臓器移植含めた事件の真相が明らかに!

    ミステリー要素よりも、腎移植の実態が理解できるところがミソ。

  • WOWOWでドラマ化された臓器移植をめぐる医療ミステリー。何年か前に、四国の病院のレストア腎移植の報道があったなぁ。詳しく理解してなかったけど、こういう事だったのか⁈ レストアキッドニの是非はわからないけど、反対する理由に、レストアキッドニにより2兆円市場とも言われる透析関連医療費が抑制されることを快く思わない医療関係者の思惑が理由のひとつだとしたら、許しがたい事だと思います。ミステリーとしては、最後物足りなさを感じたけど、題材は興味深く一気読みでした。この作家の他の作品も読んでみたいな。

  • レストニア・キッドニ(修復腎)の是非から、、
    臓器売買、利権をめぐる醜い悪事。。
    先生(医者、政治家)と呼ばれて偉そうにしている方々の愚行
    非先進国の貧層を札束で何でも自由になると思わんでもらいたい!

  • 展開が早くて面白かったです。

    医療系ですが、難しい医療単語はほとんどなく、ミステリーとして素直に読めました。

  • 題名から医療小説かと思ったら、それ以上に極上のサスペンスだった。
    手に取ってから読み始めるまでに何となく時間がかかってしまったが、読み始めたら止まらなくなった。面白かった!

    マスコミや政治家は××だな!
    でも誠実な医者が報われてよかったよ。

  • 死の臓器 読了
    青木ヶ原樹海で発見されたハイヒールを履いた若い女性の遺体。左腰に腎臓を摘出された傷跡が見つかって…

    昔、病気の腎臓を透析患者に移植して問題になったような気が…。

    「闇の子供たち」よりはエグくないけど、臓器移植の闇を描く作品。
    続編も kindle unlimited なのは嬉しい

  • 貰った本ですが、面白かったです。

    そういえば、医療ものってあまり読まないですが、他のも読んでみたくなりました。今まで、何となく知っていたというか、聞きかじっていた情報を、うまく説明してもらった感じです。

    臓器移植は、大きな病院だけがやってるわけじゃないとか、人工透析ってこんなに大変で、限りがあるとか、中国で、普通に臓器売買がされていたとか、知らない世界をちょっとだけ覗かせてもらいました。

    そして、臓器移植の提供についても、いろんな問題をかかえてることが分かりました。親子間だったら、何の問題もなく、普通に提供されるもんだと思ってたけど、無料提供は表面上で遺産放棄するとか、そういうこともあるんだなと。

    いろいろな側面を見て、わたしって平和に生きてるなーと思いました。2が出てるので、買って読もうかな。

  • 臓器移植を巡る医療サスペンス。患者の生命を第一に考え、「レストア・キッドニ」をはじめ積極的に臓器移植を推し進めてきた医師。臓器移植の利権に群がり、私利私欲のために悪に手を染める政治家やその関係者。過去の取材の失態を振り払うように「足元の真実」を見つめながら取材を尽くしたディレクター。とある樹海で見つかった自殺死体から物語は始まり、ラストでまさかの人物が犯人と分かるまで、臓器移植という難しいテーマにも関わらず、あっという間に読み進められた。WOWOWでドラマ化されているようなので、そちらも観てみたい。

  • 今、腎臓の疾患なんでリアルで読んだ感じ。なかなか、楽しめた。

  • 過程にくらべて殺人の動機など結末はあっさり。主人公も途中で入れ替わってしまった感じ。

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1950年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、ブラジルへ移住。サンパウロのパウリスタ新聞社勤務を経て、1978年帰国。高橋幸春名義でノンフィクションを執筆。1987年、『カリブ海の「楽園」』で第6回潮ノンフィクション賞受賞。1991年、『蒼氓の大地』で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。麻野涼名義で、社会問題をテーマにした骨太の小説を次々、発表。  著書に、高橋幸春名義で…『死刑判決は「シルエット・ロマンス」を聴きながら』(林眞須美 著、長冨俊和との共編、講談社、2006年)『日本一のわたしの母へ涙でありがとう』(東林出版社、1998年)『日系人その移民の歴史』(三一新書、1997年)『愛が引き裂かれたとき』(石飛仁との共著、解放出版社、1996年)『車椅子の挑戦者たち』(東林出版社、1996年)『絶望の移民史』(毎日新聞社、1995年)『パウラちゃんのニッポン日記』(国土社、1995年)『悔恨の島ミンダナオ』(講談社、1994年)『蒼氓の大地』(講談社文庫、1994年)『日系ブラジル移民史』(三一書房、1993年)『ドミニカ移民は棄民だった』(今野敏彦との共編、明石書店、1993年)『行こか戻ろか出稼ぎジャポン』(講談社、1992年)『蒼氓の大地』(講談社、1990年)『カリブ海の楽園』(潮出版社、1987年)、麻野涼名義で…『GENERIC』(徳間書店、2007年)『闇の墓碑銘』(徳間書店、2006年)『国籍不明 上』『国籍不明 下』(講談社、2003年)『天皇の船』(文藝春秋、2000年)などがある。

「2007年 『満州「被差別部落」移民』 で使われていた紹介文から引用しています。」

麻野涼の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
五十嵐貴久
湊 かなえ
ピエール ルメー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×