【文庫】 日本イスラム大戦 I 開戦2021 (文芸社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784286160603

感想・レビュー・書評

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  • 「イスラム国」が将来、日本や世界に与えるであろう影響を表現したフィクション小説。

    イスラム国による日本人拉致事件や、アメリカとイスラム国の怪しい関係性など、実際に起きた事件や、誰もが持つ国際政治への疑惑がガッツリ盛り込まれていて、とても理解しやすい一方、「これは現実にありえるのではないか…?」とつい恐怖をおぼえるほどのリアルさでもある。
    特に、日本人を拉致して拷問するシーンや、政治をめぐる暗殺のシーンはとても残酷で思わず口元を押さえてしまうレベル。

    しかし、今この世界で一体何が起こっているのか、登場人物たちはそれぞれの立場で何を守っているのか、そして、日本と世界の今後のシナリオはどうなっていくのか、とても気になるので、2、3巻も買ってしまうのでしょうね。

  • 日本は自衛隊という防衛専門の軍事組織を有しているが、近年のパクスアメリカーナの崩壊により国際紛争に対して、西側の一員としてかなり直接的な軍事活動が要求されつつあるのも事実である。本作は、日本がより積極的にPKF活動に参加した場合のケースとして十分な示唆を与える内容であり、近い未来にこうならないとは限らない。日本の近未来でアメリカに見捨てられる可能性さえあり、中国という超覇権国家の脅威の前に国家防衛の基礎から再考が求められている現実に向き合わなければならない。このような変化の中で西側諸国の中でのポジションをどうとるかが政治の大切な役目であり、節目の時に一つのケースとして積極的に打ってでた際の有り様として読むのも意味がないことではないだろう。第一巻は、世界の様々な場所で起こる予兆のような幾つかの事件がとりとめもなく描かれる。日本は、アフガン、中東でイスラム過激派と武力対峙をしている。正にPKF活動の真ん中で自衛隊が軍事派遣されている状況である。こんな状況はありえないと思うなかれ、西側陣営は多かれ少なかれこのような軍事派遣を行っているのである。日本だけが日本国憲法によって禁止されているという魔法はパクスアメリカーナがなくなった時点で効力を失うこと必定と思う方が自然である。斯様な状況の中、潜入探索すなわちスパイ活動として潜入した日本人がムジャヒディンに拉致される。不穏である。

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著者プロフィール

森 詠 もり・えい
栃木県旧大田原町出身。那須地方に育つ。
東京外国語大学卒。主な著作に『振り返れば、風』『燃える波濤』『雨はいつまで降り続く』『夏の旅人』『冬の翼』、戦争小説『日本朝鮮戦争』、警察小説『横浜狼犬』『清算』、青春小説『オサムの朝』『少年記オサム14歳』『那珂川青春記』『日に新たなり』『はるか青春』『パートナー』等がある。
最近、歴史時代小説『七人の弁慶』や『坂東三国志』も書いている。

「2022年 『父、密命に死す 会津武士道2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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