ディープテック 世界の未来を切り拓く「眠れる技術」

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296103638

作品紹介・あらすじ

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「めちゃ面白い!読むべし!」
―――慶応義塾大学環境情報学部教授、ヤフーCSO 安宅和人氏 推薦!

「この本で、日本は夢を取り戻せる」
―――オリエンタルラジオ 中田敦彦氏 絶賛!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

新興国に眠る課題、湧き起こる情熱
日本企業に生まれる新たな活躍の舞台
世界中の課題を見つける旅に出よう!

この30年、日本企業はグローバルでの存在感を徐々に失っていきました。
「GAFA」に代表される米国企業、「BAT」に代表される中国企業。
後塵を拝している日本企業ですが、今、新たに活躍の場が生まれています。
それが、「DeepTech(ディープテック)」です。

東南アジアをはじめとする新興国は、成長の過程で生まれる多くの課題を抱えています。そして、その課題から目を背けることなく、対峙する起業家たちが次々と生まれています。先端技術だけでなく、枯れた技術も応用しながら、直面する課題に対し、中長期的な視点に立って解決を目指していく。Deep Issue(ディープイシュー)をテクノロジーで解決していこうという取り組みを「ディープテック」と呼びます。

日本は戦後、製造業を中心に技術を磨き、世界でも有数の経済大国へと成長しました。磨いてきた多くの技術はテクノロジーの進化の過程で、過去のものになりつつあります。しかし、それらの「枯れた技術」が、もし新興国の課題解決につながるとしたら?新たな市場創造につながるとしたら?

ディープテックの領域では、必然的に投資期間は長くなるものの、解決したときの社会的インパクトはとてつもなく大きいものになります。しかも、日本企業が本来、得意としてきたすべてが活きてくる世界でもあります。

本書は、世界中のディープテックのケーススタディを多数収録しています。また、日本企業のビジネス開発部門、技術部門の方々にとって、有用となるフレームワークを紹介しています。大学生や研究者、起業を目指す人たちなど、幅広い方に読んでほしい1冊です。

日本のディープテックの始祖ともいえるリバネス代表取締役グループCEOの丸幸弘氏、『ITビジネスの原理』や『アフターデジタル』などのベストセラー本を通じて日本が進むべき道を照らし続けるフューチャリストの尾原和啓氏が、ディープテックの世界を描きます。

感想・レビュー・書評

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  • Deep Techとは何かも知らずに買ってしまった本。
    デジタル系テクノロジーの進化版かと勝手に想像していましたが、全然違いました、笑。

    しかし、結果オーラ的ではありますが、
    このような(著者が有望だと言っている)分野があると知れて、
    とても勉強になりました。
    やや著者のポジショントーク的なところがあったり、
    本の構成や内容が乱暴なような気がしますが(やっつけ感で一気に作ってしまった印象)、
    著書の視点や考え方はとても面白くて、ためになります。

    特に、あまり詳しく書かれていないのですが、
    著者の主張する4D思考というのは、
    この本だけではよく理解できませんでしたが、
    とてもユニークな視点であるように感じました。
    また、ネットの情報はもう価値がなく、
    ランダムに現場を見て現実を知る重要性を語る点には、
    非常に共感しました。
    彼の頭の引き出しの中には、そんな現場で見聞きした色々なネタが転がっていて、
    それらを組み合わせて新しいアイデアやビジネスを作るのがとてもうまいのでしょう。
    著者特有の思考方法がとても印象的でした。

  • ディープテックの定義
    - 社会的インパクトが大きく、研究開発が必要で、上市まで時間が、資本が必要。情熱。社会、環境などの課題に着目

    - Philippine
    - GMO, De La Salle Lipa, 非侵襲の血糖値計
    - Vietnam
    - Irisian, International Univ. Viet Nam National Univ. AI眼科診断
    - Thailand
    - Panacure, Chulalongkorn Univ. アジア人ゲノムで健康
    - Sniff Cancer, Electronic Nose. Co. Ltd. 匂いでがんを検知
    - Malaysia
    - Electorochemical Material and Sensor Group(EMas), UiTM, 酸化亜鉛ナノワイヤで乳がんのBRCA1配列の検出
    - Singapore
    - Neurobit, バイオリズムの記録分析

    - フィリピン、ボラカイ島では半年閉鎖し、環境対策
    - オランダ、DyCooは汚水を出さない染色技術
    - Kuber Lubricants serice、機械油のサブスクリプション
    - イギリス、リバーシンプル、車両、ガソリン、メンテナンス、代車も含んだサブスクリプション

    - もっとも重要なのは今すぐに手に入るテクノロジーをどれだけ早くつなぎ合わせて現場に適用させていくか

    - 垂直軸型マグナス風力発電機を開発したチャレナジー
    - 米からエタノールを製造する発酵技術、ファーメンステーション
    - 日本環境設計、FUKUFUKUからBRINGへ
    - ファームシップ、FoodTechベンチャー
    - レキオパワー ジェネリック医療機器
    - DG TAKANO, Bubble90 節水ノズル

    - バイオマスの5F
    - Food, Fiber, Feed, Fertilizer, Fuel
    - レアメタルを溶かした熱で藻類を培養し、藻類でレアメタルを吸着、ガルデリア

    - 偶然を見つけに行く、楽しむという心が必要

  • 各国のイシュー解決ベンチャー集
    目に見える課題が根源的なものとは限らないので、面白く解決する発想の着眼点は参考になりそう

  • ディープテック:テクノロジーを使い、根深い課題を解決していく考え方/活動
    社会的インパクトがあり、上市までに研究開発及びそのための時間・資金が必要、知財・情熱・ストーリー性・チーム等で参入障壁が高い、社会/環境的な課題解決の在り方を変えるもの。

    ディープイシューのある分野
    ①アグリ/フード、②エコ/エネルギー、③ヘルスケア、④メディカル、⑤マリン/スペース

    紹介された日本のスタートアップ
    ・アトミス:京大発。重さ5分の1の高圧ガスボンベ
    ・チャレナジー:風速・風向きの影響を受けない風力発電機の開発。
    ・ファーメンステーション:コメからエタノール製造
    ・日本環境設計:ゴミからエタノール製造
    ・レキオ・パワー:ジェネリック医療機器の製造販売
    ・DG TAKANO:節水機器製造販売

    既にある技術の組み合わせで、解決できる課題を見つけられるか

  • ディープテックというのは「テクノロジーを使い根深い課題を解決していく考え方、もしくはその活動」を指す言葉らしい。必ずしも最新テクノロジーとかハイテクを意味するわけではない。グローバル化の進展は所謂途上国、アジアの国を含めて生活レベルの底上げには大きく貢献しているのだと思う。さらに、そうした国々は人口が増え、新たな社会課題と対峙するようになった。それを解決するのがディープテックであり、それは意外に日本に眠っている技術の応用だったりする。とにかくアジアの熱量が伝わってくる一冊でした。

  • 未来のビジネス(の潮流)を考える上でのキーワードが散りばめられている
     ・ソーシャルバリディティ
     ・外部不経済を起こさない
     ・バイプロダクト(副産物)
     ・ディセントライズド:非中央集権的、分散的
     ・相利共生
     ・保有の時代から利用の時代へ
     ・課題解決の為に複数のテクノロジーを掛け合わせる
     ・リープフロッグ:一気に最先端の技術に到達すること
     ・インバウンドグローバライゼーション
      :日本の町工場×日本企業
       →東南アジアに進出→日本でIPO
     ・変化受容性
     ・イノベーション類型:問題の状態(課題が分かっている/分かっている)×解決策の在り方(作り方が分かっている/作り方が分からない)
     ・

  • 意味起きている革新の紹介集。
    現代のベンチャーが見えてくる。
    論点は、既存技術の活かし方と日本の立ち位置。
    いくらでも得意分野に持っていけそうではある。
    ブラウン管技術は廃れたが活かし方があったのでは?のように、
    産業としての衰退と技術の再利用性は別という視点は持っておきたい。
    ただ、内容としては情報収集レベルで。

  • キャリアを考える際に、いまの延長線上でより楽しいことができるとしたら、社会課題の解決にあると考えて関心がありました。たまたまブックオフで見つけた本書を購入しました。1時間ほどで読了できるボリュームであり、アカデミアや経営的な分析はあまり深くは紹介されていないものの、著者の考える課題感や日本の立ち位置がわかりやすく説明されており、思った以上には楽しめました。「常識(&利益)を捨てる」「いまある技術を組み合わせる」といった考え方で、いまの組織の改善にも発想を転換してみようと思いました。

  • 既にある課題と古ぼけた技術や枯れた技術をマッチアップさせることでも、革新性を得られるとの点に共感。まだまだ日本に可能性があると思われる。

  • 言わんというのはわかるけど、そうだね、そういうのが社会的課題として取り組む必要があるよねという感じ

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著者プロフィール

リバネス代表取締役グループCEO2002年、東京大学大学院在学中に理工系大学生・大学院生のみでリバネスを設立。日本初「最先端科学の出前実験教室」をビジネス化した。大学や地域に眠る知識を組み合わせて新たな知識を生み出す「知識製造業」を営む。ユーグレナを始めとする多数のディープテックベンチャーの立ち上げを担い、日本と東南アジアを中心に、ビジネスエコシステムを構築するイノベーター。

「2019年 『ディープテック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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