増補改訂 凹凸を楽しむ 東京「スリバチ」地形散歩

著者 :
  • 宝島社
3.67
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 47
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299014467

作品紹介・あらすじ

東京の魅力は、世界でも珍しい凹凸地形にあり! 大地の起伏には何らかの意味が隠されている。ゆえに、谷を巡ることで砂漠のオアシス、あるいは樹海の泉を発見するような喜びを味わうことも可能だ。町の窪みに気づいたら、さあ足を一歩踏み入れてみよう! 凹凸や段差にこそ、発見がある! 見て楽しい、歩いて楽しい、16エリアの3Dマップ付きで高低差を楽しむ、まったく新しい地形エンターテインメント。見慣れた町並みが新しく見えてくる町歩きガイドです。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 坂道が多い東京の地形を徹底して解説している一冊。
    東京都心は、高さ30メートル程度の武蔵野台地の縁辺部に位置しており、小規模な谷や崖の地形が多い。本書ではスリバチと称されるそれらの小地形には、面白い歴史があり、建物や道路や寺社の配置から、成り立ちを学ぶことができる。

    普段は地下鉄などでエリア間を移動しており、東京の地形に興味を持っておらず、「時々坂道があるなぁ」といった程度の感覚であった。しかし、一昨年から皇居の周りを走るようになって、街の起伏を体感するようになった。

    坂の町といえば、街全体が大規模な起伏地形の中にある長崎や神戸をイメージするが、東京も立派な坂の町であり、小規模で複雑な谷が縦横無尽にあるという点では、他の街と異なる特色であり興味深い。

    東京は広いので、都庁とか東京駅、東京タワーといったメジャーなスポットを意識して、どうしてもマクロな視点で捉えてしまっていた。この本を読んでからは、住んでいる街をミクロな視点で捉え、再発見するという楽しさに気付かされる。

    有名な観光地ではない、ちょっとした地味な住宅街であっても、自分で歩き回ることで、知られざる成り立ちが見えてくる。スリバチ学会は全国にあって、ブラタモリのような街歩きイベントが開催されているが、お洒落なカフェ巡りも兼ねて一度参加してみたい。

  • <目次>
    第1章  「スリバチ」とはなにか~スリバチ概論
    第2章  「スリバチ」を歩く~断面的な、町歩きのすすめ

    <内容>
    2012年洋泉社から出た『凸凹を楽しむ東京「スリバチ」地形散歩』を、増補改訂したもの。一度読んでいるが、著者のやる気がしれる本である。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

東京スリバチ学会会長。1963年群馬県前橋市生まれ。2003年、ランドスケープ・アーキテクトの石川初氏と東京スリバチ学会を設立。谷地形に着目したフィールドワークを東京都内で続けている。専門は建築設計、インテリア設計。
『東京スリバチ地形散歩』を筆頭に、著書多数。

「2022年 『東京スリバチ街歩き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

皆川典久の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×