日本語の歴史: 青信号はなぜアオなのか

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305702340

作品紹介・あらすじ

身近な疑問を着実に育て、日本語運用のメカニズムにせまる。数々の新見を平明に提示した、日本語史研究の新しい波《ヌーベル・バーグ》がここからまきおこる。前著より約1年、待望の最新刊!

感想・レビュー・書評

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  • 日本語の歴史について、時に専門的に、時に雑学的に、時にライトな感じで、説明し尽くした名著です。
    特に副題の「青信号はなぜアオなのか」は秀逸です。
    色彩の名称の体系というのは文化圏ごとに違っており、日本には古来より「アオ=blue」では必ずしもない体系が存在したということを見事に論証しています。
    青瓢箪、青蛙、青紫蘇、等々。
    「青信号」というのは不思議でも不自然でもなんでもない、日本人が昔から受け継いできた色彩の体系の氷山の一角なのです。

    たたこの本で気になるのは、著者の「傲慢さ」。
    たとえば「青信号はなぜアオなのか」という疑問に対して、日本古来の色彩の体系を知りもしないでこういう議論をするのはおこがましい、といわんばかりの論調で説明を加えています。
    そこまでいくと、逆に「色彩の体系を知らなくても議論そのものはできるだろう」と反論したくなります。

  • 「青信号はなぜアオなのか」の副題につられて手に取ったら、いわゆるコトバの雑学本でなく、何だろう、教科書というかおベンキョウ的な内容。でも文法やら活用形やら難しいはずなのに、分かりやすくて読みやすい。頭もこんがらがらなかった!今まで読んだ雑学本は何だったの?!と目ウロコの一冊でした。この方の著書、もっとたくさん読みたいです。読後、ら抜きコトバに対して抵抗がなくなる自分がいました・・・。

  • 面白かったです。


    日本語史の意義から丁寧に解説してあるし、目的がはっきりしているので読みやすい。


    すごく論理的。


    若干知識がないと厳しいかと思われる。

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著者プロフィール

出生 1929年、東京。
筑波大学名誉教授。文学博士。

著書
日本声調史論考(風間書房・1971)
国語史学基礎論(笠間書院・1973:増訂版 1986:簡装版 2006)
いろはうた—日本語史へのいざない(中公新書 558・1979:講談社学術文庫・2009)
日本語の世界7〔日本語の音韻〕(中央公論社・1981)
仮名文の原理(笠間書院・1988)
やまとうた—古今和歌集の言語ゲーム(講談社・1994)
仮名文の構文原理(笠間書院・1997:増補版 2003:増補版新装版 2012)
日本語書記史原論(笠間書院・1998:補訂版 2000:新装版 2006)
日本語はなぜ変化するか—母語としての日本語の歴史(笠間書院・1999:新装版 2013)
古典和歌解読—和歌表現はどのように深化したか(笠間書院・2000:増補版 2012)
日本語の歴史—青信号はなぜアオなのか(笠間書院・2001:新装版 2013)
みそひと文字の抒情詩—古今和歌集の和歌表現を解きほぐす(笠間書院・2004:新装版 2012)
古典再入門—『土左日記』を入りぐちにして(笠間書院・2006)
丁寧に読む古典(笠間書院・2008)
伊勢物語の表現を掘り起こす—《あづまくだり》の起承転結(笠間書院・2010)
平安古筆を読み解く—散らし書きの再発見(二玄社・2011)
日本語を動的にとらえる—ことばは使い手が進化させる(笠間書院・2014)
土左日記を読みなおす—屈折した表現の理解のために(笠間書院・2018)

解説執筆
小川剛生(おがわ・たけお 慶應義塾大学文学部教授)

「2020年 『新版 徒然草抜書 表現解析の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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