消された漱石: 明治の日本語の探し方

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  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305703798

作品紹介・あらすじ

本書では、夏目漱石の原稿を素材とし、その観察、分析を通して
明治期の日本語のあり方を窺うことを目的としている。
例えば「馬尻(バケツ)」は、
「漱石の用いるあて字のうち、最も有名なものの一つ」と
いわれることがあるが、それは正しいみかたなのか。
本書においては、こうした問いにどのように答えればよいのかという、
その「手続き」を示すことを重視している。

明治期の日本語は、現代の私たちがそれを読んだ時に、
書かれていることが理解しやすく感じるために「わかっている」と思い込みやすい。

こうした思い込みから離れて、「明治期の日本語」に近づき、
それを玩味するためにはどのような方法があるのか。

本書ではこれを提示したい。

感想・レビュー・書評

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  •  「誤植」は言語観察の妨げになることもあるが、その一方で人間の(言語)認知に関わる知見を与えてくれる契機になることもある。実は何が「誤植」で何が「誤植」ではないかの判断も難しいことがある。したがって「誤植」のようなものにも慎重に対応していく必要があることになる。(終章『それから』百年 pp.409-410)

  • 開国、そして異文化の流入によって花ひらいた転換期・明治。現在の素地となる様々な出来事や潮流が生まれた明治文化の多様性をご紹介します。
    <閲覧係より>
    「明治の日本語」って?どうやらそれは現代の日本語とは違うらしいのです。本書は、「明治の日本語」で書かれている漱石の原稿、その言葉づかい、漢字づかいを素材としながら、見えなくなってしまった明治の言葉、そこから改めて読み取る漱石の小説について考察しています。
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    所在番号:810.26||コシ
    資料番号:10189134
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  • 今野真二先生の著作

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著者プロフィール

1958年、鎌倉市に生まれる。早稲田大学大学院博士課程後期退学、高知大学助教授を経て、清泉女子大学文学部教授。専攻は日本語学。
著書に、『仮名表記論攷』(清文堂出版、2001年、第三十回金田一京助博士記念賞受賞)、『文献から読み解く日本語の歴史』(笠間書院、2005年)、『消された漱石』(笠間書院、2008年)、『文献日本語学』(港の人、2009年)、『振仮名の歴史』(集英社新書、2009年)、『大山祇神社連歌の国語学的研究』(清文堂出版、2009年)、『日本語学講座』(清文堂出版、全10巻、2010-2015年)、『漢語辞書論攷』(港の人、2011年)、『ボール表紙本と明治の日本語』(港の人、2012年)、『百年前の日本語』(岩波新書、2012年)、『正書法のない日本語[そうだったんだ!日本語]』(岩波書店、2013年)、『漢字からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2013年)、『常識では読めない漢字』(すばる舎、2013年)、『『言海』と明治の日本語』(港の人、2013年)、『辞書からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2014年)、『辞書をよむ』(平凡社新書、2014年)、『かなづかいの歴史』(中公新書、2014年)、『日本語のミッシング・リンク』(新潮選書、2014年)、『日本語の近代』(ちくま新書、2014年)、『日本語の考古学』(岩波新書、2014年)、『「言海」を読む』(角川選書、2014年)、『図説日本語の歴史[ふくろうの本]』(河出書房新社、2015年)、『戦国の日本語』(河出ブックス、2015年)、『超明解!国語辞典』(文春新書、2015年)、『盗作の言語学』(集英社新書、2015年)、『常用漢字の歴史』(中公新書、2015年)、『仮名遣書論攷』(和泉書院、2016年)、『漢和辞典の謎』(光文社新書、2016年)、『リメイクの日本文学史』(平凡社新書、2016年)、『ことばあそびの歴史』(河出ブックス、2016年)、『学校では教えてくれないゆかいな日本語[14歳の世渡り術]』(河出書房新社、2016年)、『北原白秋』(岩波新書、2017年)などがある。

「2017年 『かなづかい研究の軌跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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