枕草子章段構成論

著者 :
  • 笠間書院
0.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 2
感想 : 0
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305708175

作品紹介・あらすじ

清少納言は、『枕草子』の本文をただ筆に任せて記したのではない。あらかじめ綿密に考案した「設計図」をもとに推敲しながら各章段を書き、それが好評を博していたのである――。

 本書は『枕草子』を「章段構成」の視点から考察する。書き手が、設定した各章段のテーマにどのような素材と表現を選択しているのか、それらをどのように組み立てて話の筋を展開しているのかという視点で、各章段の構成の有り様を探る。『枕草子』が現代文学として成立した平安時代当時、書き手と読み手が共有していた知識と解釈について詳細に検証して、章段の中で素材と表現が対応しながら絡み合い、有機的に関連しつつ展開していく構成の「仕組み」を明らかにする。各章段における素材や表現の展開と構成に注目することで、『枕草子』の文学史的な到達点と位置付けをとらえ直していく。

【書き手の清少納言は、章段の前半に「仕掛け」となる素材と表現をさりげなく記しておき、話の展開とともにそれらをある特定の意味へと「変容」させながら後半に深く関わらせ、基本軸となる解釈の「指標」を示して、章段末尾に至って首尾良く収束させている。この事象が随所に確認できることから、書き手は読み手を意識して書き進め、一章段が緊密な構成を持つ様に設計し、話の展開を計算して書いていることが明らかになった。】「はじめに」より。

著者プロフィール

1963年東京都生まれ。専攻は、中古文学。博士(文学・広島大学)。
1987年、広島大学文学部文学科国語学国文学専攻卒業。1989年、広島大学大学院文学研究科博士課程前期修了。1991年、広島大学大学院文学研究科博士課程後期二年在学中途退学。1991年から、広島大学文学部助手(国語学国文学研究室)。1994年から、安田女子大学文学部専任講師、助教授、准教授を経て、現在、安田女子大学文学部教授。
【論著】『論考 平安王朝の文学―一条朝の前と後―』共著(新典社 平成10年)、『枕草子大事典』共著(勉誠出版 平成13年)、『狭衣物語の新研究―頼通の時代を考える―』共著(新典社 平成15年)、『校本 和歌一字抄 附索引・資料』共著(風間書房 平成16年)、『枕草子の新研究―作品の世界を考える―』編著(新典社 平成18年)、『源氏物語の展望』第十輯 共著(三弥井書店 平成23年)、『古典籍研究ガイダンス』共著(笠間書院 平成24年)など。

「2016年 『枕草子章段構成論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×