光源氏の運命物語: 「かたり」から読み解く新しい『源氏物語』

著者 :
  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305708946

作品紹介・あらすじ

国文学者、伊井春樹ワールド開幕!
本当の源氏物語が見えてくる。

物語の「語り手」は周到な構想のもとに、
源氏を通じて新たな歴史を紡ぎ出し、
そこにうごめく人間の姿を詳述していく。
はなやかな恋物語とは異なる、
もう一つの源氏物語が語られる。

感想・レビュー・書評

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  • 大きな3つのストーリーが縒り合わさって大河の流れとなる「源氏物語」。そのストーリーは、「紫のゆかり」と「光源氏の物語」、「明石一族の野望」です。実は、桐壺更衣の父と明石入道の父は兄弟であり、明石の君の母方の祖父は中務宮であり、明石の君は天皇の血を引き継いでいます。光源氏と明石の君は、明石一族の守護神住吉の神の導きによって結ばれたのでした。このストーリーを語る書籍は少ないので、興味を持って読みました。ただ、筆者の語り口は冗長で、繰り返しが多いため、読んでいて疲れます。桐壺院の贖罪についても論旨に切れ味を欠いていて残念でした。でも、時節柄、表紙の藤は美しい♪

  • 桐壺の更衣が寵愛を受けた理由、源氏が須磨に行った理由等、恋愛視点ではなく政治的、メタ的な視点からの源氏物語の解説でした。
    紫式部もうまい感じに話進めるために、前の設定は無かったことにするんだな…ふふ…とか思いながら読みました。(あとは後世で書き換えられたか)校正とか編集者がいないから厳密に辻褄合わせず、話の流れを優先したんだなと感じました。それもまた旨し。

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著者プロフィール

1941年愛媛県生。広島大学大学院博士課程。文学博士。大阪大学文学部教授、国文学研究資料館館長を経て、現在は公益法人阪急文化財団理事・館長、大阪大学大学院名誉教授、愛媛県歴史文化博物館名誉館長ほか。
著書 『源氏物語注釈史の研究』(桜楓社)、『源氏物語の謎』(三省堂)、『成尋の入宋とその生涯』(吉川弘文館)、『源氏物語注釈書・享受史事典』(東京堂)、『ゴードン・スミスの見た明治の日本』(角川学芸出版)、『源氏物語を読み解く100問』(NHK 出版)、『小林一三の知的冒険』(本阿弥書店)、『大沢本源氏物語の伝来と本文の読みの世界』(おうふう)、『小林一三は宝塚少女歌劇にどのような夢を託したのか』(ミネルヴァ書房)他多数。

「2018年 『光源氏の運命物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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