ビルディングの終わり、ア-キテクチュアの始まり: 10 years after any
- 鹿島出版会 (2010年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784306045316
作品紹介・あらすじ
本書に収録された磯崎新、浅田彰によるテキストは、1991年から2000年まで世界の諸都市で開催された、建築と哲学を討議する"Any Conference"のために共同で執筆されたものである。巻頭に、現在の建築状況を解読する磯崎新の書き下し論考を収録。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ビルディングの終わり、アーキテクチュアの始まり―10 years after Any
(和書)2011年06月25日 20:04
磯崎 新, 浅田 彰 鹿島出版会 2010年1月
彼らは、寡頭性としてのエリート(民主主義への憎悪)なのか?それともアナーキスト的なのか?
浅田さん自身が、一切の諸関係を覆そうというのなら分かるけど、それにしてもちょっと衒学的だなーって思うことがある。でもそれは単に柄谷さんと比較してしまうとそう見えてしまうだけで実際は違うのかも知れない。
磯崎さんは、建築家だから言えることと思う部分がある。そういう視点を持てるのは羨ましくもあるけど、こないだのシンポジウムではアーキテクトという言葉がどういう使われ方をしているのかいろいろ示していた。アーキテクト批判(吟味)ということだろうと思う。本人がしているから超越論的ということか?
最近は、柄谷さんの本に書いてあった、抑圧されたものの回帰、互酬交換の高次元での回復ということを考えています。それは自分にも言えることだし、自分以外にも言える。柄谷さんがいう統整的理念は否定されても、執拗に否定されても、否定し抑圧されても、否応なく回帰するものだと書いてあった。回帰すると信じることが統整的理念なのだろう。 -
磯崎新と浅田彰の論考集。
なら100年会館が磯崎新の中で結構重要な作品だったってのは意外だった。
繋がりで「モル的メタボリズムから分子的メタボリズムへ」は面白かった。
まぁでも最後の浅田彰の「われもまたアルカディアにー近代建築の天人五衰」が何より興味深い。
フィリップ・ジョンソンについて書かれているわけだが・・・。
嗅覚って大事ですね。 -
建築論の部分はすっきりするけれど建築物の話になると途端にすっきりしなくなりましたが、年代を整理しながら読むと、小学生の時はこんな議論してたのかって所から現在の私までつながって、十数年の論を追体験できる面白い書でした。