サラダ記念日

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309004709

作品紹介・あらすじ

万葉集もなんのその、与謝野晶子以来の大型新人類歌人誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、俵万智さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    俵 万智(たわら まち、1962年〈昭和37年〉12月31日 - )は、日本の歌人、エッセイスト。本名同じ。結社「心の花」所属。所属事務所は東京コンサーツ。父は希土類磁石の研究者の俵好夫。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    万葉集もなんのその、与謝野晶子以来の大型新人類歌人誕生。

    ---引用終了



    本作は、1987年5月8日 初版発行です。
    そして、手元の本作は、1987年8月1日 六十版発行です。
    当時、売れに売れた歌集であったことが想像されます。
    私も書店で手にとった記憶があります。


    本作の最初の短歌は、

    ---

    この曲と決めて海岸沿いの道とばす君なり「ホテルカリフォルニア」

    ---

    そして、本作のタイトルのもとになったと思われる短歌は、p125にあります。

    ---

    「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

    ---

  • 7月6日に思い出し、初版と同じ表紙で出された新装版を購入。魂のこもった歌がこれだけ詰まっているのに、たったの1000円。

    恋と青春の感情をそのままナイフで切り出したみたいに、感情がみずみずしく新鮮に輝いていた。手にとってパラパラと見るだけで、心の底から静かなワクワクが溢れ出した。本当にいい作品に出会ったときだけに味わえる喜びに満たされ、しばらくの間本を抱きしめてゴロンゴロンしてしまった。

    以前から、有名な作品は何首か知っていたけれど、一首ごとに取り出して読むよりも、章ごとにストーリーのようになっているので、歌集を丸ごと楽しむ方が断然良いということが分かった。

    発売から30年たっても、変わらず売れ続けている普遍性。俵万智という歌人が自分と同じ時代に生きていることに喜びを感じた。

  • 時代は少し経過していますが、心の感情はいつの時代も変わらないのだなと感じさせてくれる本です。
    背伸びをせず、等身大での言葉にとても心を打たれます。

  • 二十歳の終わりから,二十四歳までの歌をおさめた,俵万智さんの第一歌集。

    有名なサラダ記念日の歌や,

    〈君のため空白なりし手帳にも予定を入れぬ鉛筆書きで〉

    といった,初々しくて甘酸っぱい,若い女性の共感を集めそうな歌が多く見受けられた。

    「表現手段として,私は歌を選んでいる。惚れてしまったのだ,三十一文字に」

    十分な余白をあけて並べられた歌からは,俵さんの歌に対する愛が伝わってくる。

    〈今我を待たせてしまっている君の胸の痛みを思って待とう〉

    もし現実世界にこんな可憐な女性が存在していたら,たぶん,惚れてしまうだろうな。

  • 『サラダ記念日』再読。

    気に入った歌に付箋をつけたら改めて自分の心を覗き見るようで恥ずかしくなった。
    日常の一つ一つが丁寧に織り込まれていて「確かに」と納得する。
    それに歌と自分の距離感が近いのは俵万智のなせる業かと思う。

  • 若造は「カンチューハイ2本」の句が好きです。

    ◆この本への思い入れはこちら
    http://wakewaka.ti-da.net/e2517063.html

    ◆俵まちさん関連のプチ自慢はこちら
    http://wakewaka.ti-da.net/e2518669.html

  •  1962年大阪生まれの俵万智さん、早大文学部3年のとき、歌人佐佐木幸綱氏の講義を聴いたのが歌との出会い。20歳から24歳までの430余首を収録した「サラダ記念日」(1987.5)は、原作、脚色、主演、演出全て俵万智の一人芝居(歌集)だそうです。①いつも一分早く駅に着く一分君のこと考える ②会うまでの時間たっぷり浴びたくて各駅停車で新宿に行く ③一日の疲れを吐き出しまた乗せて夕闇めぐる山手線は ⑤年賀状の名前を見つつ人間の分類をする今年が終る

  • 短歌好きになった。

  • 表題作や有名な作品はもちろん知っていたが、歌集として読んだのは初めて。

    ままごとのような可愛らしい恋もあれば、達観したような視点にドキリとさせられる恋もある。
    恋愛の歌だけでなく、不器用ながらも愛情あふれる父と娘の歌、教師の目線から詠んだ歌なども、おもしろい。
    おそらく詠み手のリアルな実体験に、ほんの少しのフィクションを効かせたのであろう匙加減が、言葉のみずみずしさを引き立てていて、こういうところが当時の若者にウケたのかなあ、などと想像しながら読んだ。

    まるで、カメラのシャッターを切るように、一瞬を31音に閉じこめて、そのまま真空パックにしたような。
    それくらい、時を超えても鮮度の高い作品だと感じた。

  • 2018/01/16 読了。

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著者プロフィール

1987年の第1歌集《サラダ記念日》はベストセラー。歌集に《かぜのてのひら》《チョコレート革命》《プーさんの鼻》《オレがマリオ》《未来のサイズ》《アボカドの種》、評伝《牧水の恋》、エッセイ《青の国、うたの国》など。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。

「2023年 『旅の人、島の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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