雪花草子

著者 :
  • 河出書房新社
3.38
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本棚登録 : 369
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309009179

感想・レビュー・書評

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  • あぁぁぁ、素敵でした。いや、素敵では言葉足らずです。長野さんを読み始めて、まだ日は経っていませんが、ますます長野さんワールドに引き込まれた気がします。

    確かに同性愛要素はかなり強く、特に2話目の描写は思わず顔をしかめてしまうようなところがあり、人によってはかなりのアレルギーが出る人もいると思います。ですが、その表面的な要素の下に隠されているあの独特の世界観は長野さんの持ち味であり、この雪花草子はそれを感じることのできる著作だと私は思うのです。
    これからこの著作を読む人には表面的なものにとらわれず、その奥の世界観を感じてほしいなぁと思っています。
    姿見の美しい少年たちが魅せるそのもろい一面に引き込まれること間違いなしです。
    挿絵も世界観を壊さずに素敵な色味を与えていて、よかったです。

    今回は友達に貸してもらったので、自分で買いそろえている途中です

  • 読み終わったあと気分が落ち込んだ。特に一番最後。でも面白かった。

  • 平安時代?のファンタジー。
    短編3篇。夜叉がテーマ。
    振り回される少年が不憫だけど、虐げられる様子がエロい。

  • 3篇の御伽のような話。綺麗な文体だがどれもえげつない。鬼茨はかなりやりきれないお話となった。白薇は戻ってきた息子と両親の夜叉親子の会話のやり取りがなんとも(笑)お父さんそれちゃう、息子さんヤられとる、と読みながら突っ込んだわ。美形な子ども持ったら気を付けねばなりません(笑)。これと螢といい、近親の匂わし方も好き。切なくも耽美な世界。

  • 今回初めて長野まゆみさんの本を読んだのだが……。
    もうやばい、何がやばいってとにかくやばい。
    日本語で感想が表現できないぐらい、衝撃を受けました。

    ところで、三篇全てが見目が麗しい少年を中心に活躍する話なのですが。
    話のキーポイントを握るのは、いつも母親ないし母親代わりの女性であることに意味はあるのだろうか?

  • 同性愛要素が強い! 終始ダーク!
    読み切れませんでした。

  • 「白薇童子」「鬼茨」「蛍火夜話」の短編3つ。
    平安か鎌倉時代のさまざまな身分の少年たちのちょっとミステリアスな話。

    今まで読んだ長野作品の中で一番同性愛要素が強かったのではなかろうか。
    昔の時代の話だけどミステリアスでちょっと怖い。
    妖怪よりも人間が一番恐ろしいと、ラストの「蛍火夜話」を読んで思った。
    そして少し切なかった。

  • 泣けるバッドエンドです。
    暗くて絶望的な話なのに主人公たちの気持ちが切なくて、一度読み始めると最後まで読まずにはいられません。読後はしばらくこの本が頭から離れませんでした。

  • 鬼が笑い、女狐が哄う怪異の夜々、少年たちのみだらな行為が淫靡に光る大人たちのための残酷おとぎ草子。官能と霊気渦まく幽玄の都に誘う三篇。

    収録作品
    「白薇童子」「鬼茨」「蛍火夜話」

    タイトルと文章の雰囲気がここまでマッチしている本は珍しいんじゃないだろうか。

  • 和風ダーク?読んだあとちょっとブルー。
    でも、哀しい美しさってあると思う。
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-34.html

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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