須賀敦子のヴェネツィア

著者 :
  • 河出書房新社
3.58
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本棚登録 : 100
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309014272

作品紹介・あらすじ

とほうもない夢を、現実とひきかえに生きてしまったヴェネツィアの悲しみ。その悲しみに静かに寄り添う作家のまなざしを追って、記憶の街への旅はつづく。撮り下ろしの写真と、書き下ろしエッセイでたどる、須賀敦子の軌跡第二作。

感想・レビュー・書評

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  • 美しい写真の装丁に惹かれて手にした本。
    須賀敦子さんの本は知らなかったので、これから読みます。
    観光名所としてのヴェネツィアとは違う街の表情が見えて興味深い。
    旅に出たくなる本です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「違う街の表情が見えて興味深い。」
      写真家大竹昭子の面目躍如と言える一冊(三冊と言うべきかな)。ヴェネツィアに行ってみたくなりますね!
      「違う街の表情が見えて興味深い。」
      写真家大竹昭子の面目躍如と言える一冊(三冊と言うべきかな)。ヴェネツィアに行ってみたくなりますね!
      2013/02/20
  • 須賀敦子全集を読むときにそばにおいて地図や写真を見ました。
    大竹昭子さんが須賀さんの本をもとにヴェネツィアを歩きます。

    本の解説や、登場人物とエピソードなども書かれていてとても面白いです。

    本には関係ない話題も面白かった、実は。
    たとえば須賀敦子さんは上智で講義を行っていて、毎週火曜日には質問のある生徒が彼女の研究室を訪ねることができましたが、授業の質問より人生相談にくる学生がほとんどで、懺悔室のようになっていたとか。

  • 須賀敦子の著作に書かれた情景を追いかけて、大竹昭子が旅するヴェネツィア。
    観光シーズンの夏ではないヴェネツィアは、これまでのイメージとは異なる顔を見せる。
    水の上に建つ実際の街と水面に映る幻の街が見つめ合うように、須賀敦子と大竹昭子の美しい文章が共鳴し合う。
    写真もとても良かった。
    シリーズの他の作品も読みたい。

  • ベネチア旅行のお供に持っていった本。須賀敦子さんの書いた本かと思ったら違ったのだけど、ものすごく心惹かれる写真と文章で、滞在中に読めたのは本当にラッキーだった。行きたいと思った場所や本で見たばかりの場所が、目指してなのかたまたまなのかはさておいて目の前に現れる感動というのはあまり味わったことがなかったので。順番が前後したけれど、このあと須賀敦子全集を手に取った。三部作の他の二つもぜひ読みたい。とても好きな文章。

  • 写真はもちろん、文章もいい!
    ヴェネチアが、ひどく身近に感じられるようになった。
    ああ、ザッテレの河岸から、対岸のレデントーレ教会を眺めてみたい!

  • 須賀敦子の強さ、弱さ。全てが美しい。

  •  イタリアに憧れる人なら、須賀敦子の名前を一度は耳にしたことがあるでしょう。須賀敦子が「なによりもまず私をなぐさめてくれる島だった」と愛してやまなかったヴェネツィアを、彼女の足跡を追ってたどり、撮り下ろし写真とエッセイで紹介。須賀敦子さんの「ヴェネツィアの宿」「地図のない道」を読んで想像をめぐらしていた場所、ヴェネツィア本島、リド島、ゲットー、ザッテレへと連れて行ってくれます。ヴェネツィアの光と影、運河に満ちる不思議な魅力がにおい立つような本です。

  • 写真入りで素敵な本。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。小説、エッセイ、ノンフィクション、批評など、ジャンルを横断して執筆。短編小説集としては、本書は『図鑑少年』『随時見学可』『間取りと妄想』に続く4冊目。人間の内面や自我は固定されたものではなく、外部世界との関係によって様々に変化しうることを乾いた筆致で描き出し、幅広いファンを生んでいる。
写真関係の著書に『彼らが写真を手にした切実さを』『ニューヨーク1980』『出来事と写真』(畠山直哉との共著)『この写真がすごい』など。他にも『須賀敦子の旅路』『個人美術館の旅』『東京凸凹散歩』など著書多数。
部類の散歩好き。自ら写真も撮る。朗読イベント「カタリココ」を主宰、それを元に書籍レーベル「カタリココ文庫」をスタートし、年三冊のペースで刊行している。

「2022年 『いつもだれかが見ている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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