推理小説

著者 :
  • 河出書房新社
3.17
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本棚登録 : 337
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309016863

作品紹介・あらすじ

42歳の会社員と17歳の高校生、大手出版社の編集者…全く面識のない人々が相次いで惨殺された。事件をつなぐのは「アンフェアなのは、誰か」と書かれた本の栞のみ。そんな中、警察と主要出版社に『推理小説・上巻』という原稿が届く。書かれていたのは犯人しか知ることの出来ない事件の詳細と殺人の予告、そして「事件を防ぎたければ、この小説の続きを落札せよ」という前代未聞の要求…ミステリの既成概念を破壊し、リアリティの迷宮へと誘う超問題作。

感想・レビュー・書評

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  • No. 24ろ022I,7
    読了日:2024年  2月23日


    この物語は、殺人事件が発生し事件現場付近には「アンフェアなのは、誰か」と書かれた栞が落ちているのが見つかる。その後、犯人から「推理小説」といった犯人が書いた小説を3000万円で落札するように要求があるがといったものです。

    犯人が書いた「推理小説」ですが、面白く感じました。特に第3章の2 87頁から90頁に渡る「推理小説・上巻」の文章がとても好きです。読み終わった後、何回も読み直しました。

    この小説ですが、2006年頃にドラマ化しています。ドラマをまだ見ていないので、このシリーズを読み終わったら見たいと思いました。
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    ⭐あらすじ
    新宿の公園で殺人事件が発生した。
    遺体の付近から「アンフェアなのは、誰か」と書かれた栞が発見される。
    事件を担当することになった刑事の雪平と安藤の元に犯人から「推理小説」と書かれた原稿が送られてきて。

    アンフェアなのは、いったい誰なのだろうか。

  • ドラマは見ていないので先入観なく楽しく読んだ。こういうタイプの主人公は好きなので、次作も読みます。

  • サクサクと読みやすい小説だった。小説というよりドラマなどの原稿を見ているような感じだった。
    謎解きについてはこうかなと思う部分はあるが、最後までしっかりと明かされないところは面白かった。
    読んでる最中はなかなか偏った思考の犯人だなと思ったが、最後の文章に心を鷲掴みにされた。

  • ある推理小説のストーリーに従って行われる殺人事件。犯人はTHと名乗り、犯人像もさまざまな人間が浮かんでくる。

    物語自体は非常にテンポ良く、スリリングな展開だったが、読んだ時期が悪かったのか、少し話を理解するのに時間を要した。

  • 2016年の初読以来。

    瀬崎ィィィィ……!
    覚えてなかった。
    だから怪しい?、怪しいから怪しくない?、という微妙さのまま読み進めて、終盤で、膝をつく感じ。

    彼の冷め切ったフラットな考え方がすきで、共感も出来て、まあ表現はアレなとこあるけれど
    そうしたら犯人って、あんな稚拙な主張をする犯人って、
    偉そうに鋭利なことを言う人間ってでも結局本人ぜんぜん大したことないよね一番みっともない内面だったりするよね所詮人間だもんね。みたいなかなしさ!!!
    なんでだよおー、ギャップすごすぎるよおー。(褒めてない)

    世の中の当たり前に対する、特に(べつに結局のところ悪でも何でもないという扱いをされて受け入れられているものもぜんぜん含めた)報道に対する、
    え、ちょっとおかしいよね?正義面した要するに悪意だよね?というシニカルさ。
    あくまで彼個人の描写です。という雰囲気でもなかったりするから(たぶん)、随分と斜めに攻め入るなーやんちゃだなーと思いつつも
    わたしも、好奇心とか優越による安心感とか知識欲とか、まあ総じて結局じぶんの欲望で求めて消費して愉しんでいるでしょ。と思ってしまう性質。
    (その需要にきぶんが悪くなるので目に入らないようにしているまあだめなおとな。何でも良いがたたかれそう。)
    終盤の糾弾インタビューとか、せつめい的できもちわるい。っていうのがすごくわかる描写……。
    だが、だけれど彼は、結局、。もー、説得力がしぬ。うううう……。
    じぶんの方が正しいと狂信して行動を起こすと狂人になるのだ。当たり前だけど。でも当人は狂信だなんて思っていなくてそれがもう狂人だ。はあ。

    平井の恨み節遺書が的外れも甚だしくてぜんぜんびくともしないの、そりゃそうだ。って思うのに、
    でも理屈で考えるひとでも、もやもやはすると思う。
    筋が通っていないと思っても害意を向けられているという事実はひとを傷付けるし、家族に理解されない雪平も悲しんでいる訳で。
    平然と跳ね飛ばせる瀬崎は、だから犯罪に走ってしまうのかな……。
    似たような犯行予告は、わざと平井をベースにしているからか、結構瀬崎の本心なのか、、
    人間だもの。?
    瀬崎は平井を才能がないとして辛辣だったけれど、じぶんも周囲から似たような扱いをされている印象なのかな。
    あらすじを改めて読むと、ただ読んで欲しかっただけとも取れる。その場合はもうクリエイターの業だから、無論方法を肯定はしないが感情を理解は出来てしまう。。

    ともあれ、ラストの手紙にはやっぱりすきって引き戻されてしまいそうだった。
    祈りで、愛で、あいするひとに殺されるってある意味いちばん幸せなのかも……?
    むしろなんなの、彼はそもそも死にたかったの?ああ、作中作でそう言ってるや、、なんだそうか、、相容れなければ孤独だから、そうもなるか。。
    ううう、それも、すき寄りになってしまう。いやいや彼はしょせん犯罪者……。アウトすぎる。

    雪平みたいなキャラクターが、大すきでして。
    ちょろいなあと思いつつも、いわば輪郭的とも言えそうなあっさり描写でも、浅いとはぜったいに思わせないからとても素直にやられてしまう。
    相方の安藤がまたバディとしてとてもとても良い具合でして。
    「からかわれている訳ではなさそうだ、そういう回路がないのだ」と結論する安藤、服を服をと言われて「前から思ってたんだけどさ。安藤って、つまんない男だね」な雪平。もだもだ。かわいい。無害系男子すきー。
    篠原さんと瑛太ってキャスティングがぴったりすぎて恍惚。
    ドラマ版未視聴だけれど相変わらずイメージ映像として浮かびまくりであった。
    意外とこの話ではそこまで二人ばっかり主役ですと出張っている訳でもないんだなあ。
    とはいえ雪平、安藤、瀬崎、が明らかに中心ではあるのだけれども。淡白なのに濃い。しつこくないとこカッコイイ。

    でも雪平さん、ちょっと記憶として認識していた以上にだらしがなかった……。
    男の人は美人さんのああいうのを隙として好んじゃうのかな。
    残念美人は魅力だけど品は欲しい。あとGはやばいのでいっそ安藤さんお掃除してあげて。某のだめのちーさまみたいに。お約束せおりー。
    というか続刊でそんな感じだったっけ?

    ドラマ版では何だかかなしすぎる展開をしたようだから、軽く想像しただけで抉りすぎるから、(曖昧な記憶なりに、あと情報を見ても)原作小説は違うということがとても嬉しい。
    だってこのコンビがすきなんだ。
    たとえ美味しくてもかなしいのなんて見たくないくらいすきなんだ。
    あと原作安藤はそこまでばかじゃないと思う。(とても一方的な感想)

    雪平に殺されたい瀬崎(身勝手)と、雪平にばかり撃たせたくない安藤(撃たせちゃったけど)が、どちらがどうとかいう感じじゃなく天秤が釣り合っている感じがするの、良いな。
    雪平さんは苦労するけどどちらも愛だなって思う。

  • 普通に面白い。
    続編もみよ

  • TV「アンフェア」の原作。

    脚本家だった作者の小説デビュー作品で、雪平夏美刑事シリーズ第1弾です。

    会社員と女子高生の殺人事件をきっかけに、「推理小説」という形で犯行予告を行う犯人。
    次の殺人は小説に書かれているので、その小説を落札せよ!という変わったストーリー。

    またこの雪平刑事という女性のキャラがとても強く、興味を惹かれるところであります。

    推理小説らしく、登場人物の中から犯人を推理していくような楽しさがありましたが、ややチープ。
    文字数が少なく、一行文が多いので、スラスラ読めます。
    その分、硬質なミステリを求める人には物足りなさを感じることでしょう。
    少し辛い評価となってしまいましたが、お手軽なミステリということで。

  • 推理小説というタイトルの推理小説。ドラマは見ていません。

  • 殺人事件が起き、この先の展開が書いてある小説がオークションに掛けられる話。
    「無駄に美人」な雪平警部は完全に篠原涼子さんが頭に浮かぶ。

    ドラマとは随分と展開が違うようで驚いた。(安藤が黒幕だったんだっけ?)
    サラサラ読める作品でした。
    続きも手元にあるしどんどん読み進めていこう。

  • 雪平さん変人だけどかっこいいな。
    犯人も嫌いなタイプだけど雪平さんの上司にもイラつく。
    なにより正当なのに叩くマスコミに納得がいかない。
    年齢にどれだけ意味があるんだか。

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著者プロフィール

1968年生まれ。小説家・脚本家・演出家・映画監督。2004年『推理小説』で小説家デビュー。同作はドラマ&映画化。著書に『And so this is Xmas』『女子大小路の名探偵』他多数。

「2023年 『Change the World』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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