飢餓海峡(改訂決定版) 上

著者 :
  • 河出書房新社
3.80
  • (8)
  • (12)
  • (15)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 86
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309016924

作品紹介・あらすじ

戦後最大の問題作を晩年の著者が病苦をおし、パソコンに向いながら、一字一句、全ページにわたって、書き直した、改訂決定版。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2020.12.31 図書館

  • 戦後の日本の姿が見える。
    山で働くのにものすごく大きなお弁当を持っていく・・・というくだりがとても印象的だった。

  • 上下巻読了。感想は下巻で。

  • 東西ミステリーベスト1985-18#2012-31。長編の上巻だけあってまったりスローに進むね( ̄▽ ̄;)男に助けられた八重と、犬飼を追う弓坂たち捜査サイドの苦労がわかる。最後までスロー(´ρ`)

  • 前半は、青函連絡船の海難事故と絡めた放火殺人事件の犯人探しがメインで
    弓坂という函館警察の刑事が粘り腰で犯人を追っていくという
    警察小説のような様相ですが、
    後半に入ると、事件の関係者であった八重の逃亡生活を通して、
    戦後の日本社会の影というようなものを浮き彫りにしていく形になっています。

    このあたりは、松本清張の『ゼロの焦点』や、
    森村誠一『人間の証明』などでも描かれていた部分ではありますが
    それらの作品では自分が食べていくために身をやつしたのに対して、
    青森の貧村に住む家族に送金するために働いていた八重や時子の生き様は
    何とも言えない悲しさがあります。

    八重はまだ陽性な部分がありますが
    時子の方はやり切れなさしかないです。

    前半は八重が恩人ともいえる犬飼に会いにいくところで終わりますが
    後編どう展開していくのか、
    これから読み進めたいと思います。

  • 戦後間もない日本で起きた、台風による転覆事故。その裏で発生した事件が大火事を招く。
    時代背景と人物像を描きながら、下巻へ続く。

  • まさに昭和の人間ドラマ(^O^☆♪
    水上作品の真骨頂‼

  • 昭和期前半の香りがむんむん!今どきの俳優さんだったら誰がどの役?などと想像しつつ読む。

  • 東北、下北半島、青森などを舞台とした作品です。

  • 11/30
    水上の作品は初めてです。
    古典に入るような作品だけど
    良かった。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

少年時代に禅寺の侍者を体験する。立命館大学文学部中退。戦後、宇野浩二に師事する。1959(昭和34)年『霧と影』を発表し本格的な作家活動に入る。1960年『海の牙』で探偵作家クラブ賞、1961年『雁の寺』で直木賞、1971年『宇野浩二伝』で菊池寛賞、1975年『一休』で谷崎賞、1977年『寺泊』で川端賞、1983年『良寛』で毎日芸術賞を受賞する。『金閣炎上』『ブンナよ、木からおりてこい』『土を喰う日々』など著書多数。2004(平成16)年9月永眠。

「2022年 『精進百撰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

水上勉の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×