- Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309017167
感想・レビュー・書評
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なかなか進まなかったのは、主要な登場人物が出て来なかったから。そのあとはサクサクと。最後がよかった。
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視点の切り替え、対比の妙で読者を絡めとる。試衛館派より伊東一派に親近感…。一方ばかり読むより、こういう方向から見ることも必要ですね。
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新選組といっても登場する3人の主人公格は無名の人達です。でも、それが狙いなのでしょう。一流でなく、何かしらコンプレックスがあり、どう生きるべきかわからないというのは、数多くいる普通の人ですから。それが、幕末の複雑怪奇な権力闘争の渦中に放り込まれたら?まさに新選組にのシチュエーションです。生き方が定まらないジリジリした感じが伝わってきました。無駄のない筆致で人物造形を描き分け、やたら心に響く名セリフが出てきました。
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内容は決して明るくはないが、読後感はすっきりとしている。
新選組を取り扱う小説の中でも、裏方メインという作品は少ない。
この本では一般的に認知度は低いが、新選組の歴史に欠かせない隊士たちにスポットライトを当てている。
御陵衛士の視線というのも新しく、また監察という一歩引いた場所から隊の全体を眺めるのも面白い。
ただ主人公の物語を辿るのではなく、阿部•篠原•尾形を中心に様々な角度から物事を捉え、それぞれの立場や思いが交差して行く。
思想や派閥は違えど、幕末の大舞台で風となり嵐となり、歴史を担う運命は皆同じ。
話が進むほどに三者三様の変化が面白く、400ページと読み応えもたっぷり。
尾形の発言に対する、山崎の台詞にはグっとくる場面が多い。
客観的な意見で的を得ており、思わずはっとする。
個人的には阿部にあまり良い印象がなかったが、読み終えてから魅力を感じた。
最後のシーンは素敵なので、ここにきてキュッときます。
何度でも読み返したい作品。
間違いなく、傑作と呼んでいいだろう。 -
もったいなくてじわじわ三年くらい読んでいたが、最近の御陵衛士熱に任せて、残りを一気に読んでしまった。
阿部十郎を支点にして、新撰組から堕ちていった人たちを語るお話。
時代に巻き込まれるなかで懸命にもがこうとした人たちのお話でもあるか。
そういう話なので、幕末の青嵐に比べると、時勢の話が語られる場面が多いし、新撰組以外の登場人物も多いかも。新撰組以外の幕末ものもなんとなく読んだことある人にオススメ。
当然人はどんどん居なくなっていくし報われない人が殆ど。しかし、最期で、ふわっと気持ちの浮く締め方をしてくれるのは、ホント木内さんさすがです。
御陵衛士な気分の時にはもってこい。あー、好きだー。 -
山崎烝!山崎烝!
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一集団・組織としての主義や意義があってもそこに集まる人々の
意識や能力や思惑や背景があり、今も昔も難しいよねと思いつつ、
現代以上に時勢の流れや浮き沈みが早く、それぞれの思惑が見えず、
見誤ると命を落とすとは、混沌としたすごい時代だったなと思う。 -
『新選組 幕末の青嵐』の姉妹編みたいな感じ?
視点が違う。
わたしはそこまで入り込めなかったなー
なかなかページが進まなかった。
でも最後はちょっとにやりとした。