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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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夢を与えるとは、他人の夢であり続けることなのだ。だから夢を与える側は夢を見てはいけない。
― 293ページ -
どんな夜だって越せる、生きてさえいりゃいいんだから。
しかし明けない夜はなくても、越せない夜はあるのではないだろうか。
― 258ページ -
最近楽しいことを聞かれて、相変わらずピアノを弾くことと答える。ピアノにはもう長い間触ってさえいなくて、鍵盤を叩いていた指には飾り立てた長いつけ爪をつけているというのに。「ピアノのレッスンですか。ゆーちゃんらしいですね」インタビュアはうれしそうな顔をする。鈍く、痛む、罪悪感。
最近楽しいこと?
衣装として履いた靴を買い取り、とっておきの服を身に着け、細長い姿見の前に立つこと。ランジェリーショップでこっそり買った、蝶の刺繍がほどこしてあるスリップを一枚だけ身に着けて、鏡の前に立つのも好き。
― 171ページ
みんなの感想・レビュー・書評
芸能人であるが故の「想い」というものが凄く伝わってくる。
芸能界という特殊な舞台に立っている主人公・夕子の運命はとても痛い。
家族関係や私生活、恋愛全てにおいてこんなに辛いとは思わなかった。
その辛さは夕子には最初のうちは気付かないものだったかもしれない。
しかし、彼氏だと思っていた正晃の態度によって自分の置かれている立場を理解したとき、彼女は成長した。
ファンはあくまで無邪気な夕子を好きなのかもしれない。
しかし、私は苦しみを知って大人になった夕子が好きだ。
芸能人として他人に与えるものは「夢」であり、自分は追い求めてはいけないものと言い切る姿が切なかった。
ここまで1人の少女の心理を描き出しているのが凄い。
いつかまた夕子にも夢を見る日が再び来て欲しいと願うばかりである。
綿矢りさといえば、インパクトのある書き出しや独特な言い回しが特徴的だが、この本は全く癖がない。ストーリーもどこかで聞いたことのあるような内容で目新しさはない。正直読んでも読まなくてもいい作品だった。綿矢りさの色を前面に出した作品のほうが好き。
昨夜なんとなく読んだけど後悔…
肉食女子が恋人に別れ話をされるも策略をめぐらせて結婚➡めちゃくちゃ可愛い娘が誕生、冷え切った夫婦仲も改善されたように思えたが…
メインは娘夕子が芸能界入りした後。
母親はステージママとしてマネージャー役も務め…。ありふれたお話かもしれないがバッドエンドすぎる…タイトルとの違和感が皮肉だ…。転落のきっかけはどこにでも転がっている。
綿矢さんはふわふわした見た目に反して現代社会を皮肉に揶揄した作品を書くなぁ…
綿矢りさ、凄味が出てる。
この作品がどこに向かって書かれたものかちっともわからないし、高橋源一郎の助けがなければ、その文学的価値など思いもよらなかっただろう。
『大人にはわからない日本文学史』で高橋源一郎が言うように、ストーリーはステレオタイプな登場人物が深みのない心情を吐露しつつ展開する酷いものだ。ちっとも楽しくない。
幸せな雰囲気が漂うシーンでさえ、翳が拭えないあたりは、作者の技術の賜物だ。きっと彼女はああ書きたいのだ。
ハイレベルな文体に似つかわしくないくだらない話。余りに上手すぎて、見たくもないのにラストまで一気に読んでしまう。もちろん、逃げだしたい心を抱えてる故の早読みなんだとも言えますが。
若手作でも経験を武器に書くタイプはけっまだまだだよと対抗心もやして読んだりするけど、こういう筆が立ちすぎて、経験なんか、糞食らえと思わせる人って、神々しくさえある。本当に凄いな〜。
行間から彼女の「助けて」という声が聞こえる気がした。滲み出るあかい血液が見える気がした。
恵まれた容姿を持ち、最年少で芥川賞を受賞しながらも、メディアスクラムを組まれ、自由を奪われ、次作を望まれながら、書けなかった彼女の。
〈図書館本〉子役で大成すると大人になってからは…とはよく言いますね。赤ちゃんの頃からモデルと活躍して子役、女優と進んでいくなかで、ある時スキャンダルが発覚して転落していく話。芸能界という特殊な世界のなかで、人々に「夢を与える」職業につき、それと平行して親の浮気問題に振り回され学業との両立など苦悩と葛藤がうかがえる。救いのないラストは少し後味悪いものが残っている。
読後すぐは「この両親と7泊8日の合宿でもして一睡もさせずに説教したい…」と思って溜め息をつき、その後はずっと、どうすれば夕子をこんな目に遭わせることなく育てられたのかを考えていた。
………って、なんで親目線。
産んだことはおろか嫁いだこともないのに、なんで夕子の親目線。
(ヒント:年齢)
最初の5ページほど読んだだけで嫌な予感がしていた。だから読み進められなかった。 何とか読み終えた今、はあ、気が重い。 これが出たとき「これは、綿矢さん自身の話なのでは?」と訊かれ(もちろん、それは穿ち過ぎだ)、本人は否定したらしいが、そう読まれて仕方ない部分もある。 彼女自身、敢えてそこにシニカルに切り込んで、この作品を仕上げたという見方もできるけれど。 2004年の芥川賞受賞後、出版... 続きを読む »
初めて読んだ綿矢さんの本。
面白くて夢中で読んだ。
最後はちょっと、えっ、って思ったけど、読んでて疲れなくて良かった。
【しがみついている貴方に。】
綿谷りささんは、最後にぐさっと心臓をえぐられる感じ。
本書では、チャイドルアイドルから芸能界に入った女の子を綴った物語。
人生、何がなんでもしがみついて行く事も必要。
だけど、周りの流れをみて生きて行く事も大事なんだな、と感じた。
(終わり)
※以下、偏見に満ち溢れています(笑)。
あー、綿矢さんは『女流作家さん』になっちゃったんだなあ…、というのが読後第一の感想。
文章も、緩慢というか、特に引き込まれる表現だったり言い回しというのはなかったんだけど、「この子どうなっちゃうの?」って気持ちだけで最後まで読ませるのは凄いなと思った。
綿矢さんには、ぽわんとしつつ毒のある、でもやっぱりぽわんとしているしみったれた普通女子を書いていてもらいたい。小説版酒井順子みたいな。
で、こういう話は島本理生に書かせとけばいい。島本さんが書いたんなら、「あーやっぱりねー」って納得できるから(笑)。
いつになく毒づいてしまった。が、面白くなかった訳じゃない。…が、もう読み返しはしないと思う。
どことなく、陰欝さが漂う話だと思った。ちいさいころから芸能界という場所に身を置いた主人公夕子の、栄光と転落。半生というにはあまりにも短いような気もしなくもないが、ある意味すごく壮絶で、成功の陰ににじむ暗闇にほんの少し恐怖を覚えた。
自分ではないみたいだ、阿部夕子という人間が別にいるみたいだ。そう感じてしまうほど夕子の身体の奥にあるものは麻痺しているのだと思うし、こうやっておさないころから特殊な環境に身を置いているからなのかはわからないけれど、すごく刹那的な感じもするし、そしていろいろな意味でアンバランスだった。
夕子のたまに見せる悟ったような目がとてもさびしくて、これから彼女はどうやって生きていくのだろうか、なんてことを考えたらちょっとだけ苦しくなった。
(308P)
偏見でしょうか。
女性の作家が書いてこそ許されるような話に思えました。
これが男性作家だと完全にエロの方向へ傾き捕えられるだろうし、救いのない結末に眉をひそめられる気がします。
どっちにしろひそめましたが。
綿矢さんの本の中では、いちばん好きです。
高校生のときに学校の図書館で借りて読んで、なぜか最近読みたくてしょうがなくなり古本屋で買ってしまいました。
綿矢さんの本の文章のイメージって基本的にぽややんとしてるんですがこの本に関してはページが進むたびに生々しくなっていきます。
あと、心に刺さる言葉が異様に多いです。ぐさっぐさっときます。読んだ後はまったくすがすがしくありませんがそれもこの本のよいところだと思いました。
【No.158】子役時代から芸能界で活躍する夕子の話。夢を与える人間は夢をみてはいけない、それが芸能界。作者自身も似たような経験をしてきたのかもしれないなと思った。「日本人は就業時間が過ぎても、働くことでお互いを縛っているやつらばかりだ。不平ばかり言うのに、自分の職場環境を変えようと本気で動く人間は一人もいない」「のんきに暮らしていてなんの想像力も働かせなくて、いきなりつらいことに直面したら、粉々に砕け散ってしまう。幸せを疑うのは衝撃に備えるための準備運動。信じるのは馬鹿のすること」「気持ちの重さに釣り合いがとれていないと、相手の気持ちが見えなくなって心も通じ合わなくなる」「悩みごとのあるときの夢は、支離滅裂でも奇妙みてれつでもなく、ただダイレクトに悩みの根幹をぶつけてくるから、見ると疲れる」
かなり心をもってかれた作品です。
とにかく苦しい。それがラストまで引っ張られる。
タイトルを見て、少しぐらいは希望があるのかと思いきや…
彼女の姿を通し、自分のことを見つめなおすことで希望がもらえるのか。
20080807ストーリーはふつう…でも一気読みでした。芸能界ってこわいと思いました(感想もふつう)
20120223再読。淡々とした語り口調ながら中盤から目が離せなくて一気読みしました、ほかの作品とは雰囲気もレベルも違うように思います。わたしはとてもすき!主人公の心情にあわせて移り変わる、情景描写が上手いなあって思いました。綿矢さんは、夕子の一生を全部書けばいい話かもしれないと仰ってて、夕子がこれから一人の女として穏やかな人生を送ることを願います。

うんーうーん、綿矢りさのファンで、今回も楽しみにしていて、案の定この方の書かれる文の一文一文には女性らしい繊細さがかくれていてとても楽しく読み進められた。綿矢りささんは子供(それも一番多感な中高生)の...





