ブラザー・サン シスター・ムーン

著者 :
  • 河出書房新社
2.97
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本棚登録 : 1700
感想 : 321
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309019000

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わって、この本の感想を書こうと思って頭をひねる。
    さらっと読めるのはいいけど、何も引っかかるところがなくて印象が薄い。そんな印象でいうとこんな感じかな。

    カフェでランチをしながら、お客さんの話を盗み聞いている時のように、自分が完全な第三者で、その場を俯瞰して見ているような不思議な空気感がある。
    そのエピソード達も空気中にフワフワと揺蕩っていて、つかもうとしても指の隙間からすり抜けてしまう。
    それがあまりにもこの世界には自然すぎたので、感想という枠に当てはめると、何を書いたらいいのか分からなくなってしまった。


    詩のような柔らかさが文章にあるので、その空気感を楽しむ小説なのかもしれない。
    読書感想文を書いてとなると、いったいどこを抽出すればいいのだろう?
    自分には難題かもしれない…

    • さてさてさん
      Danielさん、こんにちは。
      いつもありがとうございます。

      この作品、私も全く同じ感想でした。これは本当に小説なのだろうか?という...
      Danielさん、こんにちは。
      いつもありがとうございます。

      この作品、私も全く同じ感想でした。これは本当に小説なのだろうか?という感想でした。どちらかと言うと、エッセイのような印象です。恩田さんの場合、他の作品もそうですが、本当、空気感というか、雰囲気を楽しむ読書だなといつも思います。

      今後ともよろしくお願いします。
      2020/06/06
  • 高校の社会科の特別授業というのか?
    クラスも違う、(同じなのは○崎という名字だけ)3人が一緒になり、街の人から話を聞くという授業があったのですが、街から人が消えたのではないか?と言うぐらい人に会うことも無く終わり。

    その3人のその後の話が3人の目線で書かれています。

    テーマは、出会うために別れるなのかな?と思いました。

  • 高校時代の社会科の課外授業でチームを組んで以来、大学時代もたまに会う仲の3人。それぞれの想いを1人一章で綴った作品。
    なんの脈絡も関連性もなく、事件が起こるわけでもなく、ただ3人の共通の記憶を起点として描かれる。
    特に綾音の章は感情移入して読みやすかった。
    何をするでもない大学時代、何を果たせたのか。私もよく見いだせていないから。
    合唱したくらいかな。

  • 高校当時に友達になった3人が、それぞれ同じ大学、別学科に進学し、卒業後にそれぞれの視点でぼんやりと大学時代も思い出しながら振り返る作品。作家、ベーシスト、映画監督の全く別ジャンルの道に進む。大学時代からさほど接点がなくなってしまった3人なので、なにか仲の良さなどが登場する訳でもなく、共通点もあまりない。大学生の若さと新鮮さのある感情が、きちんと言葉になっていると読んでて嬉しくなっちゃいます。心の中でニヤッとする。全体的には印象に残る内容ではなく残念。

  • 恩田先生のエッセイ「小説以外」を読んでおくとすっと読める(入り込める?)小説な気がしました。

  • 帯には、『夜のピクニック』から4年 青春小説の新たなスタンダードナンバー誕生、とある。青春時代と呼ばれる時を過ごした人たちの話、ではある。夜のピクニックのように、目的がある訳ではなく、何か問題を抱えている訳でもない。箱崎一の「繋がっているけど繋がっていない人たちの話」というのがまさしくこの本だった。楡崎綾音の章は著者自身の言葉なのか?ノンフィクションか?と少々居心地の悪さを感じた。私はノンフィクションが好きじゃない。

    同じ道を歩いていたような気がしてた。しかし最初からそれは別々で、近くには立っていたけれど、景色は少し違って見えていた。当然だけど。もつれるように絡み合う。ほどけて泳ぎ出す。

    あっさりしていて、読んだ感じがしない人もいるかもしれない。でも、今の私にとっては…うん、大切なパーツが収まったような感じ。驚きも興奮も悲劇も喜劇も無い。しっくり、って言葉が合うような。

  • 作家、バンドマン、映画監督になった三人の高校時代の関わりの始まりの社会科実習の一日と、そこで見た三叉路、泳ぐ蛇。それを下地に主に語られる大学生時代。青春と呼ぶには薄味で覚めている三人のモラトリアムの出口での日々が三章に分かれ、それぞれの目線で語られていく。
    引き込まれるような物語性の高いものでは全くなかったけれど、もしかしたら後々読み返したくなるのはこういう本かもしれない。
    印象としてはよしもとばななさんの『ハゴロモ』『みずうみ』な感じ。

  • 高校と大学時代を共に過ごした三人の、それぞれの物語。もっと深く絡み合うのかと思ったらそうじゃない、あっさりとした関係。高校時代の三人のフィールドワークで経験した不思議な町と泳ぐ蛇のエピソード、恩田陸ワールドだなと感じた。私は好き。

  • 学生時代に友人だった3人がそれぞれに昔の自分達の事を回想していく、新しい感じの青春小説。

  • 全体的に柔らかい印象で読みやすいお話しでした。
    どことなく寂しささ、やるせなさも感じました。
    学生時代の体験って、たとえ思い出せなくなっていっても、心の片隅に強烈に残っているものだと思います。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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