柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 318
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309019178

作品紹介・あらすじ

小説は"読む"だけではもったいない!書いて、訳して、また読んでみたらあなたも小説を100倍楽しめます!日本を代表する作家と翻訳者が贈る初の"三位一体"小説入門。

感想・レビュー・書評

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  • 一番魅かれたのは、高橋さんのはしがきと、柴田さんのあとがき。

    はしがきで、小説を、書く、読む、訳すという作業が、小説の気体、液体、固体とたとえられていたのには、妙に納得できたというか、なるほど、そういう感じが感覚的に捉えやすいなと感じ入りました。

    小説の書き方は、高橋さんを柴田さんがインタビュー。小説の訳し方では、柴田さんを高橋さんがインタビュー・・・のはずが、殆ど高橋さんが主導権を握っている印象。対談をまとめられたものなのだけれど、途中、どちらの発言なのかが混同したのは、「小説の訳し方について」の章。どなたが発言したのか、なんて最終的にはどうでもよいことなのだけれど、語りまくる高橋さんの言葉を補完に徹する柴田さん。これって、作者気質、訳者気質の表れなのかしら?いやいや、そんなことはないはず。

    「訳し方」の章では、翻訳することはいかなることかではなく、アメリカ近現代文学を訳すこととは、どうアメリカを、アメリカ人の生活スタイルの変遷を捉えるか、につながるのだ、という話のように受け取りました。

    とにもかくにも羨ましい対談です。・・・が、作家の名前だとか、作品のことを知らないので、内容のほとんどは何のことを言っているのかわかりませんでしたけど。XX論的なやりとりが続いて、実際に作家たちは、そんなことまで意識して書いているのだろうか?という疑問も。描き出したいことを、表現したい方法で、本能的に、あるいは、作為的に紡ぎだしているのが小説だと思うのです。

    小説の読み手としては、あまり難しいことを考えず、疑似体験ができることを最大の喜びとして、これからもぼちぼち読書を続けていきたいと思います。

  • 難しい文学論も対談ならわかった気になりますね。

  • 柴田さんと高橋さんの対談。
    村上春樹、中上健次について参考になる。
    カズオイシグロが苦手だと。これには共感した。僕はこの人の小説には温度がないように感じる。

  • 中原昌也さん気になるな。
    紹介されている本をいろいろ読んでみよう。

  •  興味のある著者による、小説の読み方や書き方について書かれた本を古書店でたまたまいくつか見つけたのでまとめて買って読んだ。読んだのはこの本の他に橋爪大三郎や平野啓一郎、保坂和志のもの。
     この作品は柴田元幸と高橋源一郎の対談集だ。この本のいいポイントは、両者それぞれが推薦する国内文学、海外文学のリストが掲載されていること。現代の国内文学をあまり知らなかったので、特に国内文学のリストが参考になった。このレビュー執筆時点では両者が選んだ著者の作品を中心に古書店で物色しているところだ。

  • 文学評論家としての高橋源一郎と、翻訳家として圧倒的信頼度の柴田元幸との対談。語られている内容が、小説の読み書きのこと。それで面白くない訳がないですわな。二人が読んできた作品とか、それは読みたくもなる。というわけで、秀逸なブックガイドの側面も持つ本作。そして何より、この2人の手になる作品をこそ、もっと読みたくなってくる。あ、それが狙いか!?

  •  まいったなぁ。
     実は半分も理解できていないんじゃないかって思っている。
     この両者、どちらもそうとうに頭が良く、対談している内容が時々「何? 何? 何を話しているの?」とチンプンカンプンになってしまうこともしばしば。
     まぁ、読んでいて、自分自身も頭が良くなったような錯覚には浸れるけど。
     柴田さんって、村上春樹氏と対談している時はわかりやすいのに、やはり相手が高橋源一郎氏だと、対応が違ってくるんだなぁ、とこの点は面白かった。
     色々な作家の色々な小説が紹介されているので、いずれこの本で推薦されていた作品を読んでいきたいな、と思っている。

  •  まだまだわからないことだらけだけど、面白かった。小説ってなんて奥深いんやろう、小説家って、どれだけのことを考えてるんやろう。なーんて月並みな言葉しか浮かばない。。
     海外文学ももっと読もう。

  • #アメリカの作家がやるように「アメリカ」を発見しようと試みて失敗したのが『ゴーストバスターズ』。そこで「やっぱり僕は日本を発見するしかないのかも」と思い、日本の近代文学から考えたのが『日本文学盛衰記』。というくだりは、源一郎読者には腑に落ちる説明。

    #エイミー・ベンダーなどの00年代以降の潮流にも触れつつ、アメリカで十万部単位で売れる純文学はアーヴィングかオースターぐらい、というせつない話も。壁の向こうの庭で起きている面白いことを、一人がよじ登って下の子供たちに報告する、という柴田君の翻訳者のイメージ可愛すぎ。

  • 日本とアメリカの文学論という感じ。話題にのぼる小説をもっと読んだことがあったら、より面白く読めるのかなぁ。

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著者プロフィール

1954年生まれ。東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベックなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『アメリカン・ナルシス』、訳書にジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』、エリック・マコーマック『雲』など。講談社エッセイ賞、サントリー学芸賞、日本翻訳文化賞、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』日本語版責任編集、英語版編集。

「2023年 『ブルーノの問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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