夏みかん酢つぱしいまさら純潔など

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309019314

作品紹介・あらすじ

伝説の女性俳人、生涯の2冊をはじめて1冊に。赤裸々な性と生を綴る。激動の戦後を生き、消息を絶った伝説の女が、この世に遺した証し。

感想・レビュー・書評

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    内容(「BOOK」データベースより)
    『伝説の女性俳人、生涯の2冊をはじめて1冊に。赤裸々な性と生を綴る。激動の戦後を生き、消息を絶った伝説の女が、この世に遺した証し。』


    煙草の灰ふんわり落とす蟻の上
    熱哀し蒲団のそとに置く片手
    コスモスなどやさしく吹けば死ねないよ
    夏みかん酢つぱしいまさら純潔など
    ダンサーも娼婦のうちか雪解の葉
    こころの疵からだの疵さむざむと在る玻璃の疵


    『夏みかん酢つぱしいまさら純潔など』
    著者:鈴木しづ子
    出版社 ‏: ‎河出書房新社
    単行本 ‏: ‎165ページ

  • 「伝説の女流俳人」であるらしい、鈴木しづ子句集。
    タイトルになっているのが、彼女の句の一つ。
    恐ろしいような潔さで、頭を鈍器で殴られたような感じ。
    表紙の装丁がまた、とてもいい。
    ただ。
    この表紙の句に、帯は椎名林檎推薦!なので、どういう売り方をしたいかは明白だ。
    「歌舞伎町の女王」ね。そうね。
    娼婦と呼ばれた俳人、というのはかなり鮮烈だし、人目を惹くのは間違いない。
    しかし、私が句集の中で胸を刺されたのは、はすっぱでスキャンダラスな一群ではなく、工場での日常を描いた句だった。

    住宅顕信読本の時も思ったのだけど、何故俳人(恐らく歌人も)はその人生とセット売りにされる頻度が高いのだろう。
    もちろん、その生き方も作品が生まれた一因ではあるのだろうけれど、俳句も短歌も多かれ少なかれフィクションを含む。
    それなのにこう生きたからこんな作品が、と抱き合わせにして売るのは野暮ではないだろうか。
    …まあ、そういうとっかかりをつけないと売れないのもわかるんだけどね…。

  • 思ってたのと少し違った。好みからは外れる。

  • 噂が噂を呼ぶ女性詩家。
    表題の句にやられ、どうしても欲しかったもの。

  • 気に入った句がいくつか。
    「実石榴のかつと割れたる情痴かな」とかね。

  • 読みたい本。
    鈴木しづ子さんは存命なら90歳くらいになっておられるそうです。
    とりあえず消息不明ということだそうです。

  • 愛でたまへ 梅に芙蓉に 好き好きに 咲くも枯れるも きみの意志なり  ―をんなという大自然は、誰がためともなく在るべきものかも知れません。(椎名林檎)

  • 俳句ってこんなにかっこいいことだったんだ、と思わせる、古びない言葉。かっこよくないと思ってたわけじゃないけど、こんなにはっきりと「かっこいい」と思ったのは初めて。

  • みずみずしい表紙とタイトル。
    「夏みかん酸つぱし/いまさら純潔など」
    「夏みかん/酸つぱしいまさら/純潔など」
    俳句とは思えないかもしれない句。素敵。
    きっぱり、さっぱり、女の生き方をして、さっといなくなってしまった彼女。
    今私のいる土地とも何気なく関わりがあったことに驚き。

  • とにかくタイトルが秀逸。
    椎名林檎が寄せた帯文もいい。

    でもどうしても俳句より本人が気になってしまう。いかんな。

  • 蟻の体にジユツと当てたる煙草の火

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著者プロフィール

1919年東京神田生まれ。俳人.『樹海』同人.『春雷』『指環』2冊の句集を遺し、1952年失踪。

「2019年 『夏みかん酢つぱしいまさら純潔など』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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