- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309019819
作品紹介・あらすじ
"あなた"と"私"…名前すら必要としない二人の、密室のような恋。島本理生の新境地。至上の恋愛小説。
感想・レビュー・書評
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大人の恋愛…ってわけでもなく、よくわからない恋愛だった。
多分、これが分かるような恋愛は、してはいけないんだと思う!!
だって、これ不倫なんでしょ?
既婚者男と鬱っぽい女の恋愛話だった。
ストーリーとしては、☆2なんだけど
文章がキレイなので、☆3にしましたー。
結婚してる男性が独身女性(彼氏持ち)にアピールしてくる。
その、アピールの仕方が女性慣れしてる感じ。
あんなに、主人公のことを想っていそうなのに、
結局、離れてく感じで…。
むー、お子ちゃまには、難しすぎでしたー笑
(注:精神年齢がお子ちゃまってことですー)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ということで半ば義務だった、島本理生『あられもない祈り』を読んだ。1時間半で178ページを読み終えた。感想は『時間の無駄』だった。
久しぶりに読んで腹が立ったので、ファンには申し訳ないけど、不快なほど書く。
以下、毒吐き。
彼女はプロの小説家か?
エピソードをやたらとちりばめて、最後の方でそのうちのひとつを切り札のようにして話をまとめるという安直な手段はよくあるのだけど、これもそうだった。
しかし、数多あるその他の作家の場合はまだ『そう来たか』とそれなりに考えさせられるのだけど、これは何のことやらという感じだった。だから、ちりばめたエピソードはただの断片の散らかりでしかなかった。
場面に深い意味を持たせて欲しかった。ホイホイ終わるので意味を見出しにくい。もっと場面を少なくし、それぞれにつっこんで書き込んで欲しいかった。
婦人科のシーンはまったく意味が分からない。これは僕が男だからだろうか? わざわざ石垣島を選んだ理由が分からない(作者が)。やたら旅館とか民宿に行くが、それもよく分からない。いろいろ行き過ぎである(実家への仕送りでお金がないくせに)。
しかも登場人物の印象が弱い。書き込みが足りないせいだ。
そもそもこれは病人同士の寄せ集まりの小説という感じがする。インビとか退廃といったムードではなく、ただの不健康さだけが目だつ。
自傷癖女、DV男、奔放な父、似たような母、存在感の不明な中年男にイメージの湧かないその恋人。変な人間を集めてうじゃうじゃやっただけである。
全員、体操服に着替えて山の小学校でキャンプでもするといいわ。
ああ、腹が立った。 -
なんだかずっとピンボケした写真を眺めているような話だった。
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説明を限りなく排除して、どんどん言葉少なに、濃密になっていく。
彼女らしさがつまった作品なんだと思う。
息苦しくて切実で。
でも私はこの作品がすごく苦手でした。
「わたし」のことも「あなた」のことも、全然好きになれなかった。
出口がないんじゃなくて、本気で出ようとしてないだけ。
苦しみの中にいたほうが安心できるから。
そういうことって誰にでもあるけど、その痛さを弱さとして振りかざすみたいなこの作品は、いやだな。
ただ、このどうしようもなさの描写はとてつもなく的確で、だからこんなに苛々するんだろうな、とも、思う。 -
もっと愛せばいい。
甘えることは、愛する者への義務です。
島本さんはその言葉のとおり「結婚している男性との恋愛を真っすぐに」、「擁護するのではなく、赤裸々に」書くことを試されたのだと思う。
それは読後感とは別のものとして考えたときに納得する。
その状況での「真っすぐ」と、後味がよいとは言えない「赤裸々」さは、作者の意図するところによれば成功に近いのだと思う。
ただ島本さんの作品を何冊か読んで来た者としては、喪失の淵でそれでもなにかを奪い取ろうとするところ、繊細さに同居する強かな生命力をなんらかの形で見せて欲しかった。
しかし「私」の選択は、成人を向かえ、ある程度社会人として生活し、ほの暗さの浮かぶ帰る家を持つことしかできない女の、歩かねばならない道として現実味のあるものだったと思う。
それでも、読者という不思議な次元の友人として声をつたえるならば。
絶望なんてやさしい言葉で慣れた痛みにたえるような真似はやめて、幸せであること共に生きる穏やかさに「私」と「あなた」には挑んで欲しいと思う。 -
確かに、今作の男性はあんまり魅力的じゃなかった。
優しくてズルくて何かが下手くそで。
そんな人が自分を完膚なきまでに傷つけてほしいと彼女は願っていたのかもとなんとなしに思った。
直樹もこの人もこっぴどく振り回しはしても、立ち上がれなくなるまで傷つけたりはできなかった。
彼女が求めているのは到底太刀打ちできない力によって捻じ伏せられて信じられないほどこっぴどく傷つけられることなんじゃないかと勝手に思った。
自身を傷がつくまで傷つけられてこそ、私を愛し私を求め私を認めてくれていることになると、そんなふうに思っていたのかなって。
優しさは毒にはならないが甘いだけで美味しくはない。
そういうもの、なのかなと感じる。 -
とても文学的な恋愛小説。
不倫、ダメな彼氏、毒親と内容は重いはずなのだが、ストーリーは淡白というくらいあっさりしている。
この辺りは吉本ばななの作品と似たような感じがした。
ストーリーより季節描写や風景描写が印象に残る。
ただ自分が若い頃に読んだ作家だということもあるのかもしれないがどうしても懐かしさというか時代遅れのようなものを感じてしまった。
それは13年前の作品ということなので当たり前だが、今の若手作家とは違う。
私も著者と同年代のためなんか残念に思った。 -
圧倒的な比喩。明確に伝える、ことだけを最近考え過ぎていたな。仕事だけでなく全てにおいて。こういうイメージの連なり、情景を味わうこと、忘れていた。感受性を使っていなかった。体調が傾いてくると感じすぎると思っていて意図的に考え過ぎない感じ過ぎないことをやっていた。でも絶景を見るとか、音楽とか、踊るとか、自然に圧倒されたり、芸術表現を吸収したり、したい。それを解する大人でいたい。それでいて他人から見てわかる能力を身につける努力もしたい。時間が足りない。。。